アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『幸腹グラフィティ』

全12話視聴完了。

グルメアニメ? いや、単に可愛らしい女の子がきゃっきゃうふふするゆるいアニメでしかなかったな。それ以上のものは感じられなかった。では何故そうなってしまったのだろうか。食べ物の描写は綺麗だったし、十分に解説はあった。勿論、ストーリーの中心には食べ物であったのに。

ストーリーは諸事情、両親が海外で仕事をしているため、忙しく、一緒に暮らしていた祖母も他界し、一人暮らしをすることになった中学生の町田リョウ。そこにおばである明さんの仲介により、はとこの森野きりんが毎週土曜日に泊まりにくることになった。二人は美術高校を目指している受験生であり、きりんもそのために予備校に通うためにリョウの家に泊まる。

この設定も、ちょっと無理があるように感じられた。中学生であることによって、いくらリョウが両親を擁護しようとも無責任な親という印象は拭えないし、仕事が忙しいという明さんが保護者代理だとしてもやはりリョウは放置されているという気がしてならない。中学生だということが、まだ子供であるリョウの寂しさときりんの存在の重要性を強調したものだとしても、高校生の方が良かったのではと。外見も高校生で問題なかっただろうにと。また、きりんを中心に考えても、両親の元を離れて高校に通うというのも一般的でない気がしてならない。更に、いくらリョウが世話好きであったとしても、リョウの負担が実質的に増えることに対しての配慮が少な過ぎる気がした。この作品において大人という存在を薄くしたいのだろうなとしても子供である必要性を感じなかった。

また、料理上手であるリョウが一人で食べるご飯は美味しくない。食事は誰かが一緒であることが美味しくする。ということをテーマに持ってきているのだろうが、少々、そのことを強調し過ぎで重たく感じられた。押し付けられているような。おそらく、このことは物語の中心で重要なことなのだろうが、冒頭でも書いた通り、食事の描写が美味しそうに感じられなかったため、テーマだけが印象に残ってしまったというのもあるのだろうが。

では何故、食事が美味しそうに感じられなかったのだろうか。まず始めに、音がなかった。映像という視覚はあるものの、調理する音、口に入れる音、咀嚼する音がもしグルメアニメとするならば少々足りなかった気がする。咀嚼する音もなのだが、その場面自体が少ないがために、一口で飲み込んでいるように見えてしまい、解説が多いわりに味わっているというようには見えなかったため、解説すらも上滑りしているように思えた。また、少女たちの唇のアップが多く用いられていたが、それは食事を美味しそうに見せるという効果よりも、少女たちの性的魅力の強調だったのだろうなと。ただ個人的にはそれは食事が美味しそうに見えての効果なのではと思った。

次に、料理のカット自体は可もなく不可もなくだったのだが、料理をもっと丁寧の映して欲しかった。静止画であっても、取り合えず映しているという感じで、もうちょっと丁寧であったならと。少女たちへの丁寧さを少しこちらに裂いてもよかったのでわと。凄く残念だ。

まあ、食べ物も単なる少女たちのゆるっとアニメの単なる題材の一つで特にだからということだえならば、楽しく見られたのだろうなと。あと、個人的に背景が好きだった。リョウの住む家とか凄く好き。

総評としては中の中。真面目に見過ぎた。