アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『甘々と稲妻』

全12話視聴完了。

ごはん物って売れるよね。男やもめ魅力的だよね。あと、幼女とか良いよね。なんか、言い方変だけど売れるものを上手い作家さんに描いて貰いました。それをアニメにしました。という感じがしてならない。勿論、それは悪い面ばかりではなく、こうしてグルメ漫画好きな自分はしっかり楽しみに毎週観ていたわけで。でも、まぁ、なんだか用意されたキャラクターに、作り手の見えないレシピをなぞるだけの料理。上手く受け入れるまで時間がかかったよ。ギドさん、BがLする漫画が好きだったから。BをLしなくても面白い漫画を描かれる方なのですが、なんだか物足りなかったです。『火傷と爪痕』とか好きです。

ストーリーは、妻を亡くして一人娘犬塚つむぎと二人で暮らす高校教師、犬塚公平が、ふとしたきっかけから教え子である女子高生、飯田小鳥と三人で料理をし、ご飯を食べることになる。犬塚先生は食べることに興味がなかった上に、味付けが苦手。小鳥ちゃんは包丁が持てない。そんな三人は、小鳥の母である料理研究家である飯田恵の経営する、今は忙しくてあまり開いている事のない料理屋「恵」で、母の書いたレシピを元に料理をするようになる。

まず違和感。つむぎちゃんだけが絵が、デザインが浮いている。他は黒髪でリアル系なのに、つむぎだけが金髪のやたらとボリュームのある髪型で浮いている。それに子供特有の訳の解らなさが一切ない。凄く物分りの良い良い子。たまに問題を起こしたり、お父さんと喧嘩したりするが、基本的にめっちゃいい子。ぐずるのも物語り上、必要な時にしかない感じ。子供らしい発言も、全て計算っぽい感じ。違和感だらけ。後は、自分自信が子供と触れ合うことがなくてよくわからないだけで、実際、ませた女児はこんな感じなのかもしれないと自問自答しながらの視聴だったが、最後まで受け入れられなかったわ。

次に、第一話で犬塚先生。小鳥ちゃんのクラス受け持っているなら、ちゃんと把握しておこうよ。せめて見た事あるかな位でないと可笑しいでしょ。眼鏡位で人はそうそうわからなくならないと思う。制服に気付くのも遅いだろうと。犬塚先生の小鳥ちゃんとの距離感がよくわからない。漫画だとすぐに恋愛的流れになるのかなとも思ったが、寧ろそれがなさ過ぎてよくわからなかった。

でも、小鳥ちゃんの登場シーンで、あの泣きながらおにぎりを食べながら「一人で食べても美味しくて」という言葉、凄く良かった。掴まれた。美味しい物って誰かと共有したいなと思うけれども、一人で食べても美味しい物は美味しいよね。まぁ、その後に忙しい中、母が一生懸命作ってくれたのを知っているからと続くのだが、ちょっとこの台詞良かった。原作共に心に残ったわ。これがなかったら毎週、観れなかったと思う。

毎週、そんな三人が料理をするのだが、途中からは小鳥ちゃんのお友達で八百屋のしのぶちゃん。犬塚先生の高校時代からの友人でカフェバーを営む八木ちゃんが加わる。

第10話で「いーれーて」と恵のドアを開ける八木ちゃんが凄く好き。なんか淡々とした八木ちゃんがつむぎちゃんの面倒を看るのも微笑ましくて良かったけれど、なんか、意外に可愛いなと。もう、個人的にはここで犬塚先生とかけても美味しいなと。腐った目で見てしまった。まぁ、しのぶちゃんと八木ちゃんがいつの間にか仲が良いのも良かったけれども。

それと10話目辺りで気付いたのだが、料理レシピがすごく基本に忠実で、料理漫画などにありがちなのは料理自体に作家さんの拘り的な物や好みが見えたりするのだが、この作品は一切見えなかった。なんというか、淡々とし過ぎていて料理が美味しそうに見えなかった。観ていてお腹が空いたなとか、これが食べたいなというのがない感じ。何と言うか、この作品の料理って、家庭科の教科書に載っている通りみたいな。それに一緒に食べたら美味しいとか、愛情が入っているとか、それも教科書通り的なこれが正しいに沿って作られているのだなと。まぁ、これが何なのか明確ではないのだけれどもね。最終話の小鳥母の「愛情」の下りはちょっと目が潤んでしまったのは、まんまと策略にはまりましたという事だと思う。

個人的に、犬塚先生が娘のことを「つむぎさん」と「つむぎ」と使い分けているのが好きだった。それと、最終話で「お父さんも怒るの嫌いなんだ」という台詞、好きだなと。そうだよね、上手く怒るのって大変だよねと。

総評としては中の中。全体を見ると微妙なのに、所々の場面や台詞が魅力的な不思議な作品だった。

 

 

 

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