アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『91Days』

Day12視聴完了。

あら、やだ、イケメン。ちょっ、影のある若い男ってイイのだけれど。そんな第一印象。要するに主人公が凄く好みだったのだよ。付き合いたいとか、ときめきとかでなくて、只管にビジュアルが好み。後は、なんかBとLに幾らでもできちゃう内容だったけれど、ストーリー自体が面白くて見入ってしまって、終わってみればって感じではあったのだけれどもね。最近、流行っているヤクザ物BL的な。

物語りは、本格派マフィアドラマ。91日間の復讐劇。舞台はアメリカ禁酒法時代。家族を殺された主人公アンジェロはアヴィリオと名を変えて孤独な生活を送っていた。そんな彼の元に届いた一通の手紙。そこには7年前に彼の両親と弟を殺した犯人としてヴェネッティオファミリーのヴァンノ、ネロ、ドンであるヴィンセントの名が記されていた。アヴィリオは彼らに復讐をするために故郷ローレンスに戻る。

ローレンスで再開した幼馴染コルテオ。彼は質の高い密造酒を作っていた。「生き甲斐は人に力を与え、友情はナイフよりも心強い。俺たち、兄弟だろ」アヴィリオはその言葉で争いを好まないコルテオを自分の復讐にと巻き込む。その場面のアヴィリオの笑顔、めっちゃ嘘っぽかった。なので、コルテオを利用するだけかと思ったが、その言葉は真実で、コルテオがヴァネッティファミリーを裏切ってファンゴに協力したり殺したり、色々あって、アヴィリオはコルテオを殺さなくてはならなくなっての後のアヴィリオを見ていると、もう、彼は何がしたかったのかよくわからいのだけれどもね。まぁ、全体を通して復讐は何も生まないけれども、復讐劇はドラマチックで魅力的という感想かな。

注目すべき中心となる関係性としてはアヴィリオとコルテオ。アヴィリオとネロ。この二つかな。「と」は×とも置き換えられる。それにプラスして、ネロとバルベロ。更に散りばめられた要素として、コルテオとチェロット。ネロとフラテの兄弟。個人的趣味として、ヴィンセントとガラッシアの若かりし頃を入れても良いかな。まぁ、そんな感じて掛け放題。思い出しにやつくアニメだったなと。

特に最終話でアヴィリオがネロに「復讐をすれば生きがいが取り戻せると思ったが、何も残らなかった」という言葉が本心なのか、その言葉自体が復讐なのか、その両方なのかとか考えたら、なんだかちょっと泣きそうになったよ。でもって「だったらなんであの時、殺さなかった」でもうじんわりきて、ラスト、浜辺で「お前を最後まで殺さなかったのは、お前を殺したくなかったからだ」と言って前を歩くアヴィリオにネロの銃声。足跡のみで、死体も血痕もなく、ネロはアヴィリオを殺したのか定かではない謎を残す結末も、もう、そのもやっと感が凄く良くできているなと。想像の余地を残す結末。良かった。凄く良かった。

個人的印象的なシーンは、Day6のラストでファンゴが自分のファミリーのドンであるオルコを殺して、ファミリーの幹部にラザニアを振舞うシーン。愛人であるラクリマ、単純な美女ではなく肉感がある女性っていうのがツボだった、が持ってきて、その肉がオルコの肉であるかのようなニュアンスを言うハイテンションナファンゴ。好き。金髪に黒い髭ってのもファンゴの気が違っているような印象を強調していて、良かったなと。その後、アヴィリオたちがローな感じでやはりラザニアを食べているのが、また美味しくなさそうな絵で良いなと。あれ、ラザニアに見えないよ。それが何故か自分には魅力的だった。

後は、Day11の劇場のこけら落としのシーン。音楽をバックに行われる殺し合い。デルトロの刺されても戦い続け、最後、駆け寄ってアヴィリオが止めを刺したのを皮切りに、一度、バルベロに捕まり音楽は静かになり、「ネロにはこいつを殺せない」「お前がネロを狂わせた」と、バルベロが嫉妬に狂うのも三角関係で感情が高まって、で、再び音楽が流れて、復讐を遂げるために動くアヴィリオ。彼を「これはいい。舞台から出て来たのか」と絶賛するガラッシアの台詞も良かった。それから銃撃戦。止まらない各自の思惑、銃撃戦。「全てが無駄事」と最後に言うヴィンセント。印象的だったなと。

なんだか盛り沢山で3ヶ月とか、もっと長い期間に思えたよ。

総評としては上の下。EDの歌詞が「ららら」しかないのがまたストーリーの印象を強くしたなと。それと印象的な台詞が多かった。マフィア物って複雑になりがちで混乱するけれど、この作品は復讐という主軸が一切ぶれないので見易かった。とても面白かった。

 

 

小説 91Days 下

小説 91Days 下

 
小説 91Days 上 (PASH!ブックス)

小説 91Days 上 (PASH!ブックス)