アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

2016年印象に残った漫画ランキング25。

今年、自分が読んで良かったな。何度も読み返したな。年末の今まで印象に残っているな。という漫画を並べてみる。

個人的趣向の独断と偏見での『2016年印象に残った漫画ランキング25』という感じで。本当はBest5とか10にしたほうがよかったのだが、好きな作品が多すぎて絞れなかった。18禁も含むので人によっては観覧注意かもしれない。

まぁ、1年後にこのブログを読み返して自分自身が楽しむ目的でもあるので、思いつくままに書いてみようかなと思う。

 

第1位 『ハクメイとミコチ』/ 樫木祐人

僅か身長8cmのハクメイとミコチという2人の小人のお話し。小人と言ってもあまりファンタスティックになりきらず、きちんと地に足の着いており、だけれども素敵な世界感の、日常物語り。

また、料理上手なミコチの作るほろふき大根やブドウパンのクリームチーズサンドイッチに、いなり弁ときゅうりサンド。美味しそうな物もたくさん出てくる。ただ、彼らは身長が8cmしかないので、クランベリーも大根もとても大きい。実在する食べ物だけれども、彼らの世界では何か特別な物に思えて凄く美味しそうに思える。

個人的に今年はオビツ11のドールで遊んでいたりしたので、彼らの大きさってこれくらいかなとか考えると、楽しさ倍増だった。

ハクメイとミコチ 1巻 (ビームコミックス)

ハクメイとミコチ 1巻 (ビームコミックス)

 

 

第2位 『だから神様、ボクにしか見えないちいさな恋人をください。』/御免なさい

 ※成人向けです。

成人向けロリ系漫画だが、エロの描き方がなんというか、もう、戦闘シーン。ぬけるぬけないという視点では見ていないのでよくわからないのだが、兎に角、胸躍るセックスシーンだった。また、ロリコンという犯罪者としての苦悩を真っ直ぐに描きながらも、何処かコメディ的印象を与え、単なるエロ漫画では終わらない印象を受ける素晴らしい作品。御免なさい先生待望の8年ぶりの新刊で、嬉しさのあまり、発売日に秋葉原に行き、書店特典のために本屋をはしごをしてしまった。こんなの初めてだ。

因みに上記の作品はAmazonさんのリンクが貼れなかったので、『あの娘は都市伝説。』という同作家さんの同人誌を貼ったが、こちらはコメディ調でありながら最後は気が付いたら感動させられているという、凄く面白い作品だった。

あの娘は都市伝説。

あの娘は都市伝説。

 

 

第3位 『SUPER LOVERS』/あべ美幸

※BLコミックです。

複雑な設定と重い過去。ショタ。もう、どれを取っても好きな要素はなかったのに、いつの間にか引き込まれ、変態お兄ちゃんをニヤニヤして見てしまう。最終的に、彼ら兄弟が吉祥寺という近所に(そう近くもないのだが)住んでいると思うだけで幸せになれる。

SUPER LOVERS 第1巻 (あすかコミックスCL-DX)

SUPER LOVERS 第1巻 (あすかコミックスCL-DX)

 

 

第4位 『阿吽』/おかざき真理

兎に角、絵が綺麗。空海最澄の二人の天才の生き様を描いた作品。歴史物というと文字が多い作品が多いが、これはもう絵で魅せてくる。画面に引き込まれて、息が止まるかと思うような作品。久々にページを捲る手が震えた。凄い。

阿・吽 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

阿・吽 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

 

 

第5位 『ごはんのおとも』/たな

 おいしい。一軒の飲み屋さんに集う人々の短編グルメ漫画。優しい絵柄と、優しい物語と、優しいレシピ。もう、たまごが表紙の時点で卑怯だよ。たまご最強だよ。第1巻の卵黄の醤油漬けは最高だった。

特別ではない、甘いしょっぱいなメニューが多く、自分には馴染み易かった。

ごはんのおとも

ごはんのおとも

 

 

第6位『スキーニーレッド』/たなと

 ※BLコミックです。

全2巻。よく出来たストーリー。BLどうの関係なく楽しめる作品ではないかなと思う。殴り殴られることを単なるSMでは済まない関係。幸せになれそうにない2人が、綺麗にハッピーエンドになる。安心の作品。

スニーキーレッド (Feelコミックス オンブルー)

スニーキーレッド (Feelコミックス オンブルー)

 

 

第7位 『百万畳ラビリンス』/たかみち

上下巻で完結済み。ルームシェアをする女子大生の少女二人が突如、木造ボロアパートの迷宮に迷い込んでしまう。妙にリアリティがある空間と、謎のモンスター。迷宮という、もう、言いようのない恐怖がやんわりじんわりと染みてくる。

 

第8位 『薄荷少女』/三浦靖冬

老女がロリに。もう、老女とロリの間にはとてつもなく長い距離があるというのに、なんと甘美な組み合わせだろう。また、住み込みのお女中さんと坊ちゃんという素敵な要素が加わって、時代背景は現代なのか、昭和なのかは良くわからないが、なんともいえない、自分は経験していないはずなのに何処か懐かしくて切ない雰囲気に覆われている作品だった。

何故か1巻の回転焼きが私の頭を支配して、クリーム味を買いに2駅ほど探し回ってしまった。たい焼きなら近所にあったのに、あえての回転焼き。2個も食べてしまった。

薄花少女 1 (IKKI COMIX)

薄花少女 1 (IKKI COMIX)

 

 

第9位 『あれよ星屑』/山田参助

 戦後の焼け野原で生きる元兵隊さんの日常物語り。山田先生の書くおじさんは尻の穴を掘った掘らない関係なく、皆、愛嬌があって皆可愛いくて胸キュンする。それでいて真面目でも不真面目でもなく、ただ一生懸命に、だけれども適度に肩の力を抜いて生きている感じが、本当に単なる日常という感じがして、自分の中では真のゆるふわ系作品。

 

第10位 『ゴールデンカムイ』/野田サトル

色々と複雑なストーリーとかあれど、取り合えずアイヌマタギの文化紹介漫画。込み入った絵柄に残虐な描写。だけれども、コメディパートとの区分けをしないことにより、良い意味で軽く読める。食べる事に重点を大きく置いており、死と食が凄く近い。かつてこのような描き方をした漫画を他に知らない。面白い。

 

第11位 『ヌキグルミの絵本』/町田ひらく

※成人向けです。

少女に性的欲望をぶつけるという妄想劇。本当に少女がリアルで、誰というわけでも、現実の少女というよりも、少女という存在を神聖化し愛しているのだなと。後書きで作者さんが「僕は他人が創った後味の悪いお話しが実は嫌いです」と書いていたが、この作品自体がまさしく自分にとっては後味の悪いそんな作品であり、だからこそ常に切なくて素晴らしいのだなと思う。

町田ホテル (F COMICS)

町田ホテル (F COMICS)

 

 

第12位 『乙嫁語』/森薫

 19世紀後半の中央アジアの安住民と遊牧民の生活を舞台に、そこに生きる人々の文化や生活の日常物語り。乙嫁は「美しいお嫁さん」との意味らしいのだが、若干12歳の少年カルククの元に嫁いだ20歳のアミルを中心に、まさしく強く生きる女性が生き生きと細部まで描かれた、美しい作品。

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)

 

 

第13位 『おいしいロシア』/シベリカ子

ロシアの男性と結婚しロシアで暫く生活する女性の食べ物を中心としたエッセイコミック。作中ではロシア料理のレシピが数多く紹介されており、それを食べ物エッセイには珍しく主人公が淡々と説明するので、美味しいかどうかは作ってみたら? みたいな印象を受ける。グルメ物が多いこの頃、美味しいという過剰演出に疲れていたためか、凄く印象的だった。日本でも材料が揃いやすい料理が多いため、是非、作ってみたい。

おいしいロシア (コミックエッセイの森)

おいしいロシア (コミックエッセイの森)

 

 

第14位 『山と食欲と私』/信濃川日出雄

 山ガールなどと可愛い言葉ではなく、単独登山女子の山ゴハン漫画。比較的短めのお話しなのと、主人公のさっぱりとした性格とでかなり読み易い。山に登ってみたくなる。アウトドアをしてみたくなる。

山と食欲と私 1 (BUNCH COMICS)

山と食欲と私 1 (BUNCH COMICS)

 

 

 第15位 『少女終末旅行』/つくみず

二人の少女チトとユーリがいたる所に兵器が放置され、人が造ったはずなのに人の気配のない世界、終末を旅するほのぼのとした物語り。世界はなんだか凄く難しくて、だけれども本質的な物はもっと単純なのかなと、色々と考えさせられる可愛いだけでない、ちょっと怖い作品。

少女終末旅行 1巻 (バンチコミックス)

少女終末旅行 1巻 (バンチコミックス)

 

 

第16位 『この世界の片隅に』/こうの史代

上中下の全3冊。戦争も、その中で生きる人の中では生活になってしまう。恐ろしいと思う。読了後、今、自分のいる場所が暖かくて、外から賑やかな声が聞こえて、それが本当に幸せだなと改めて思わされた。 映画が話題で読み返してみた作品。

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

 

 

 第17位 『おにぎり通信』/二ノ宮知子

あの『のだめ』の作者さんの育児エッセイコミック。全3巻。独特なハイテンションと、育児エッセイなのにまったく教本的要素なし。本当にただ面白可笑しく読める。

こういう育児物とかって、いつの間にか出てくる子が赤子から子供になっていてびっくりするね。完結巻では上の子は小学生で下の子も4歳。ちょっとびっくりするね。更に、この作家さんが毎晩呑んで呑まれてなエッセイを読んでいた事も考えると、もう、本当に時間の流れが早過ぎるよ。

 

第18位 『オールラウンダー廻』/遠藤治輝

 アマチュア総合格闘技漫画。全19巻で完結した。兎に角、技が丁寧。リアル。キックボクシングをちらりとやっていて総合の練習にも参加した事があるのだが、漫画を見本にって良いのかどうかわからないが、格闘技なんてさっぱりわからない状態で始めた自分自身としてはとても参考になった。ただ、身体を鍛える事と強いという事は別物だということが根底にある、格闘技漫画として珍しい作品ではなかろうかと思う。精神的な事もあるけれども、幾ら鍛えても拳銃には勝てないよねみたいな。その辺が本当にリアル。

 

第19位 『逃げるは恥だが役に立つ』/海野つなみ

誰も彼もこのドラマ観ていたイメージ。契約結婚をテーマとし、家事と労働の対価。愛情とそれに対する行為。他者との距離感。結婚という制度。独りで生きるということ。プロの独身。色々、本当にたくさんのテーマが入り混じり、どろどろしそうな内容にも関わらず、淡々と描いているため読み易かった。面白い。難しくて微妙な問題をテーマとしているのに、きちんとエンターテイメントとして成立していて凄いなと。ドラマに比べ、漫画の方がちょっとだけ深い問題を取り扱っている印象。ただ、この作品の感想を他者と話すとき、各々の立場や状況により見ている箇所が違うため、ちょっと危険な気がする。みくりと津崎さんみたいに冷静に話し合えるというのは、本当に良いね。

海野つなみさんは、昔、「なかよし」で読んでいた作家さんで久々にその作品を目にして凄く懐かしくなった。また『彼はカリスマ』とか読み返したいなと思う。

 

第20位 『神様はじめました』/鈴木ジュリエッタ

全25巻。ついに完結。急に神様になった女子高生である奈々生と、神使である狐の巴衛の恋物語。長編作品としての中だるみもあったが、それでも綺麗に完結してハッピーエンド。良かった。ただ、この手の異種間恋愛物や異世界恋物語っていくら綺麗に終わっても、何処か物悲しさを感じてしまう。

 

第21位 『だってまおうさまは彼が嫌い』/山田2丁目

※BLコミックです。

3巻まで出ているシリーズ物だが、其々の巻でお話しは完結しているので読み易い。現代に続く魔王と勇者の家系。歴代魔王と勇者たちは敵対関係にあり様々な方法で争ってきた。今回の征服方法はなんとセックス。そんな王道イチャラブBL。安定安心エロあり。こういう作品は幸せになれるね。

だってまおうさまは彼が嫌い (ドラコミックス)

だってまおうさまは彼が嫌い (ドラコミックス)

 

 

第22位 『私を連れて逃げて、お願い。』/松田洋子

全3巻完結。『ママゴト』に引き続き、これ位で終わると丁度良いよね。犯罪を犯した顔だけの馬鹿な男である央治(おうじ)と、祖父母に異常なほど過保護に育てられた世間知らずな馬鹿な女である日芽(ヒメ)の愛の逃避行。まるで古いアメリカ映画を見ているような感覚だった。どうしようもない閉塞感の中で僅かな希望が本当にきらきらしている。主人公の2人だけでなく、全ての登場人物がドラマチックな作品。

 

第23位 『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』/オーサ・イェークストロム

北欧スウェーデン生まれの外国人漫画家オーサの視点でみた日本の不思議、日常エッセイコミック。日本人はすぐに「カワイイ」と言うらしいが、オーサが凄く可愛い。

 

第24位 『おとりよせ王子』/高瀬志帆

 全7巻。冴えない会社員である飯田好美が全国各地から美味しい物をおとりよせする日常グルメ漫画。美味しい物を食べた時、宅配便を受け取った時のリアクションが大きくて、本当に美味しそうに見える。人間関係を構築するのが苦手な主人公だが、社会人として避けられない人間関係に翻弄される様も描かれており、正直、最終話は飯田君が虐められているのではなかろうかと不安になった。どんな罰ゲームだよ。一見、和気藹々と描かれているだけに凄く怖かった。

1巻に登場した「花瑠(オイル)&オイスター(花星)」牡蠣のオイル漬けは本当に美味しかった。濃厚な牡蠣の香りが口いっぱい広がって、オイルはバゲットに浸してもパスタにしても最後の一滴まで楽しめる商品。更に「嬉野温泉名物温泉湯豆腐」はふあふあとろとろでこの時期嬉しい一品。ちょっと贅沢したいな、美味しい物でも食べてと思った時に手に取るカタログ的漫画。

 

第25位 『俺物語!』/アルコ・河原和音

 全13巻。ようやく完結したね。1巻が出たときは猛男の顔ではないイケメンっぷり。今までの少女漫画にない男前っぷりに夢中になった。周囲で「生まれ変わったら猛男になりたい」という奴が数名現れたが、今期で少しでも猛男を目指せば良いのになと思ったのは内緒の話し。色々な意味で完結して良かった。

俺物語!! 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

俺物語!! 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

 

 

 

まだまだ面白かった漫画はあるのだが、『聖お兄さん』とか『よつばと』『ダンジョン飯』『合法レシピ』『青春×機関銃』『血界戦線』『働かないふたり』『山賊ダイアリー』『地獄のガールフレンド』『だがしかし』『ナナとカオル』『いいね!光源氏くん』などともう数え切れないほどあるのだが、基本的に後半は今年完結したものを優先的に入れてみた。ただ、改めて並べてみると、描き込みのある漫画が比較的好きなのかなと気付けた。でも我ながら統一性ないね。節操ないね。

来年も面白い漫画がたくさん出ると良いなと心から願う。漫画大好き。