アニメの感想。

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『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』

全13話視聴完了。物語り序章という感じであったので、続編を是非作って綺麗に完結して頂きたい。結末を最初から予感させる、完成された物語りの雰囲気。面白かった。

ファンタジー世界での戦争、戦略物。

主人公は「あらゆる英雄は過労で死ぬ」そんな印象的な言葉を口にし、怠惰を自称し、女好き。戦略、戦術に対する天才的な能力を持ち、独自の哲学を持つ少年、イクタ・ソローク。

舞台は、炎・水・風・光の四大精霊が実態として存在し、人間のパートナーとして共に生きる世界。隣接するキオカ共和国と戦争状態にある、繁栄末期の大国であるカトヴァーナ帝国。

イクタの幼馴染である、旧軍閥名家の長女であり、鬼神のごとき強さを持つ赤髪の少女、ヤトリシ・イグゼムと共に高等士官試験の二次試験を受けるために、看護学校出身の少女ハローマ・ベッケル。軍閥名家の三男坊であり、高い射撃能力を持つ、爽やか青年であるトルウェイ・レミオン。負けず嫌いで上昇志向が強いが、凡人としての苦悩を持つ努力家である小太りのマシュー・テトジリチ。彼ら5人の乗った船が突如、座礁する。救命ボートで荒れ狂う海に逃れた彼らの前に、海に投げ出された金髪の少女。女を助けるために海に飛び込んだイクタ。彼らの流された先は戦時中のキオカ帝国。僅か12歳の少女は、帝国第三皇女シャミーユであった。それが、帝国最後の皇女と常怠常勝の智将と呼ばれた男の出会いであり、「約束された敗北」へ向かう物語の発端であった。

その後、軍人嫌いのイクタ始め、5人は皇女殿下救出の褒賞として帝国騎士の称号を得る。士官学校に入学したイクタたち。軍事訓練での圧勝。頭角を現していく、イクタ。続いて、北域動乱の鎮圧でも、敵を撃破。更に、シナーク族長である少女、ナナク・ダルを協力を得、この動乱の真の敵がキオカ共和国である事を突き止める。そんな中、圧倒的兵力差のある中、キオカ国軍からカトヴァーナ軍を撤退を支援するため、イクタたちは殿となり、「不眠の将」と呼ばれるキオカ共和国陸軍少佐ジャン・アルキネクスと激しい知略戦を繰り広げ、見事、撤退に成功した。

戦争物、戦略物でありながら凄くわかりやすかった。また、主人公が絶対的能力を持ちつつも、守れなかった後悔の中、苦悩し、成長していく。その姿が飄々としていて、個人的に凄く魅力的だった。好きだったなと。また、女好きなキャラクターにも関わらず、幼馴染のヤトリとは強い絆というか、二人のわかり合っている感じが凄く良かったなと。特に第4話で攫われた皇女殿下を助けた際に返り血で真っ赤になったヤトリに手を差し伸べるイクタ。凄くわかりあっているのに、イクタはヤトリを「君」と呼ぶ。そんな不思議な距離感、自分は、他に知らない。あのシーンの残虐でありつつ、現実感のない感じを表す演出、良かったな。激しい戦闘シーンからの一変してとても心象的だった。

総評としては中の上。久々に原作を読もうかなと思わさせられる作品だった。

 

 

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (電撃文庫)