アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『クズの本懐』

全12話視聴完了。

クズはクズのままで良いじゃないか。欲望に忠実でだらしなくては駄目なのか。ビッチはビッチであることが楽しいからビッチであるのでは駄目なのか。恋ってそんなに崇高な感じなのだろうか。面白いけれど、面白かったけれど、じわじわと心が抉られる。じんわり痛い。でも観ちゃう。切ない。痛い。決してすっきりしない、だけれども、観ずにはいられない。そんな作品。

他に好きな人がいることを了承しつつも、片思いという寂しさを埋めるために付き合う、一見理想の高校生カップル。主人公の黒髪おかっぱで処女の花火は、幼い頃からお兄ちゃんと慕ってた鐘井先生を想っていた。麦は、昔家庭教師をしてくれていた皆川茜先生を想う。新任教師の鐘井先生と皆川先生。二人の間にある恋愛感情。取り残される、花火と麦。更に、花火を好きな早苗に、麦のことを好きな幼馴染の可愛いのり子。更に、早苗のことが好きな早苗の従兄弟。すれ違ったり、重なり合ったり、肉体的欲求に、寂しさに、恋という想い。

まぁ、皆、拗らせているよね。誰も吹っ切れていないというか。いや、鐘井先生はそうでもなかったか。皆川先生を受け入れて、プロポーズして。麦が、本当にどうしようもなかったなと。大人ぶっている分、なんか、もう見ていられないというか。気が付くと、花火と麦はそれなりにくっ付くのかなと思ったのだが、花火、いつの間にか一人だし。花火が一番自覚的に自分と向き合っていて、一人になって、一人で立って進んで行くには弱くって、なんだか、麦がどうしようもない分、個人的に、可愛そうだなと。可哀想は可愛いでもあるのだけれど。最も、花火も最終的に処女のままで、あれだけ色々あって、処女膜ってそこまで重要だとは思わぬが、それでも、そうかと。

でも、好きな人に好かれて一緒にいられるって、それだけで素晴らしくて貴重なことだと思う。結婚は最終地点ではないけれど、それでも結婚しようと思えるってそれは素敵なことだと思う。

総評としては中の上。呑みながら深夜に観るのに良い作品。

 

 

クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)

クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)