アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『エルドライブ【ēlDLIVE】』

全12話視聴完了。

この原作者の天野明さんの絵って独特の色気があるよねと。『家庭教師ヒットマンREBORN!』のいかにも少年漫画から、こちらはキャラクター原案ではあったものの『PSYCHO-PASS』のシリアスなSF物という差に驚かされたなと。

そして今回の『エルドライブ』は少年漫画でSFで宇宙警察。少年漫画らしい少年漫画の印象を受けた。

自分に自身のない主人公の少年、九ノ瀬宙太。彼には昔から謎の声が聞こえ、ついそれに答えてしまうことで独り言の多い変わった奴と回りに認識されていた。更に、過去のトラウマから人と深く関わることを避けてきた。そんな宙太はある日突然、宇宙警察エルドライブの署員としてスカウトされた。採用試験の最中、忠太は謎の声の主と対面し、それがモニタリアンと呼ばれる珍しい生命体であることを知った。彼はモニタリアンをドルーと名付け、宇宙警察として共に戦うこととなる。
マスコット的キャラクターのドルーは、宙太に自信がなくなると消えかける。反対に、宙太に自信が溢れると強くなれる。と、なんだかわかりやすさがあった。

そして、少年漫画として重要なヒロイン枠。クラスメイトで、やはり宇宙警察エルドライブに所属する其方美鈴。見た目は可愛い。ボブヘアーの似合うクールビューティ。だけれども、ツンデレというか、主人公に対する不条理で失礼なまでのツンとした態度が個人的にまったく可愛らしさを感じられず、残念だった。宙太を宇宙警察と認めないなどと、根拠のない個人的感情で動く。最終的にややデレはするというか宙太に好意を抱いているっぽいのだが、それでも他人に対して失礼ではないだろうか、怒って当然だろうという、人格を疑うまでのツンっぷりが凄く残念でならなかった。他人に死ねとか、言って良いことと悪い事の区別も付かないのかと。そうなってくると、もう、天使のような変身した姿とか、過剰な露出した衣装とか、魅力的でも何でもなくなってくるなと。愛想があると愛嬌があって可愛い。それが皆無。個人的な好みではあるのだろうけれど、自分は無理だった。理由がはっきりしない。

更に言うならば、もう、物語り全体の理由はあまりないよねと。この理由というのは、感情の動きなのだが、美鈴が宙太を嫌悪する理由。宙太が自分が関わるとろくな事にならないという理由。嫌な事ばかりを言う美鈴を信じる理由。全てが感情でそうなのだから、仕方がないよね、みたいな。何一つ論理的でない。勿論、感情で熱く一気に押してくる作品も面白いのだけれども、この『エルドライブ』は主人公がいつも何処か引き気味で曖昧で、なんだか、なんだかなという印象を受けてしまった。

総評としては中の下。キャラクターを愛せれば楽しめる作品であったのだろうなと思う。

 

エルドライブ【elDLIVE】 1 (ジャンプコミックス)

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