アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『アトム ザ・ビギニング』

全12話視聴完了。

今、アトムを過去の名作としてではなく、本当に知っている人ってどれ位いるのだろうか。鉄腕アトムというキャラクターのみが一人歩きをし、ストーリーや細々したキャラクターを知っている人って少ない気がする。少なくとも、自分は知らなかった。

このアニメ、手塚治虫の『鉄腕アトム』を原案とし、鉄腕アトム誕生までの物語とのことで、綺麗にできてはいるのだけれども、鉄腕アトムを知っていることを前提にできている気がしてならない。

主人公は天馬午太郎とお茶の水博志の2人なのだが、なんとなく見たことはあるレベルだと、キャラクターに愛着が持てないし、持ていたら楽しめたのだろうなという場面が多々あった。そして、石と人格をもつ自立型ロボットA106がアトムの元なのだろうけれど、その意思がプログラムなのか自我なのか、最終話付近では「ロボットレスリング」に出場しロボット同士が戦うという展開になるのだが、A106視点をはさみ、急に話しを把握しにくくし、なんだかよくわからないまま終ったという印象だった。また、彼らを追う謎の組織も良くわからないし。更に、お茶の水博志のロボットの自我に追及するのもよくわからないし、それと対極な午太郎は非道に見えるし。最後、どうしてどうまとまったのか、それで良いの。嗚呼、アトムに続くから。と、疑問でいっぱいになってしまった。

どうも手塚治虫作品は面白いにも関わらず、その作品という遺産を食い潰しているように思えてしまう。

総評としては中の下。