アニメ視聴否忘失録

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『宇宙よりも遠い場所』

全STAGE13視聴完了。

漠然とした青春への焦り。渇望。それを埋めるのはアイドルでも音楽でも良いのだけれども、未知の場所へ踏み出す冒険であっても良いはず。

「そこは、宇宙よりも遠い場所──。」

好奇心旺盛で、何かを始めたいと思いながらものんびり屋で気が小さい所があり、その一歩を踏み出せない高校2年生になってしまった、前髪パッツンおかっぱの玉木マリ、通称キマリ。ある日、キマリは下校中に100万円の入った封筒を拾い、翌日、その持ち主で人見知りで無口な美少女、小淵沢報瀬と知り合う。彼女は亡き南極観測隊員であった小淵沢貴子の娘であり、母を捜すため、その死を受け入れるため、南極に行く事を夢見てきた。しらせちゃんは、高校生が南極になんて行けるわけがないと言われても絶対に諦めない。そんな姿に心を動かされたキマリは共に南極に目指すことを誓う。渡航費用を稼ぐためにコンビニバイトを始めたキマリ。そこで出会った、高校を中退して大学受験に向けて頑張る、明るく人懐っこく場の空気を読む、三宅日向。更に、現役高校生タレントで南極レポートのお仕事として南極に行くことになった白石結月。結月ちゃんはキマリたちから一つ下の高校1一年生だが、幼い頃から仕事をしていた影響で大人びているが、同年代の女子に比べ冷静で冷めており、友達がいたことがなく、友達に憧れている。そんな4人は南極取材班として民間南極観測隊「第2回南極チャレンジ」へ同行することとなった。

南極に向けて、夏季訓練に、キマリは親友と思っていた高橋めぐみの嫉妬による妨害からの絶交宣言に、4人で経由地のシンガポールでのトラブルに、オーストラリアで観測隊員との合流、南極観測船ペンギン饅頭号での生活。更に、念願の南極の地。

面白かった。南極という未知の場所。そこがどんな場所なのかも、そこへの行き方も、何も知らなかったのに、それが丁寧に描かれており、ストーリーとしても説明的であるとか不自然になったりもせずに、すんなりと物語の一部として楽しめた。

個人的にキャラクターが苦手だった。キマリの行き当たりばったりの調子の良い計画性のない性格が特に。視聴しながらも本当に南極に行けるのか半信半疑。だけれども、個人的にSTAGE04 「四匹のイモムシ」が分岐点だったように思える。夏季訓練でテントで宿泊した朝、一人、テントを抜け出し石の高台に立つ隊長に「何が見えますか?」と問い横に立つキマリ。「でも決めたのは私です」とはっきりと答えた。何かに流されていない、他人の気持ちを考えられた上で自分の意見を言える子で、美しい朝陽を迷いなくみんなで見ようとする、嗚呼、素敵な子なのだなと。そこから、嗚呼、この4人は難しいけれども真っ直ぐで同じものを見て目指して、でも其々自分があって素敵だなと好きになってきた気がする。

また、しらせちゃん、南極でも続く変わらない自分を恐れていて、また、母の死は娘であるしらせちゃんだけでなく、古い友人である隊長も、同じ民間南極観測隊のメンバーも、其々抱えるものがあって。そんな中で発見した貴子のノートパソコン。最終話のSTAGE13 「きっとまた旅に出る」で三ヶ月の滞在期間を終えた4人の帰還式典でスピーチをするしらせちゃん。本当は母を夢中にした南極に良いイメージを持っていなかったという告白から、南極という場所が全てがむき出しの場所だと。そこで曝け出した自分自身。仲間と乗り越えたこと。南極が大好きだと。必ずまた来ると。もう、彼女達に拍手を送る隊員たちと共に涙が止まらなくなったよね。泣くしかなかったよ。

でもって、船の上で見た頭上に広がるオーロラ。亡き母から届いたメール。嗚呼、旅が終ったのだなと。そしてまた旅に出るのであろうなと。凄くよい終わりだった。そして駄目出しのように、南極に行くキマリに嫉妬した親友めぐみからの「今、北極にいる」というライン。凄いな。人は前に向かって影響し合えるのだなと。素晴らしいなと。

総評として上の下。

 

南極大陸 完全旅行ガイド (地球の歩き方GEM STONE)

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