アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『パンでPeace!』

全13斤ごちそうさまでした。

最近流行の短編アニメ。四コマ原作のストーリーはパン好き女子高生みなみのパン友との毎日ハッピー!美味しくてキュートなふわふわパンコメディ、らしい。

可愛かったよ。おいしそうだったよ。愛らしい女子高生のきゃっきゃうふふな日常。素敵じゃないか。だけど、何だというのだろう。もう、凄く雑い気がしてならない。絵がどうのとかではなく、なんだか作りが凄く荒いのだよ。これはもう自分が凄く食いしん坊で食べるの大好きでパンとかめっちゃときめく題材だからなのかもしれないと考えもしたが、どうにもこうにももやもやが晴れなかった。

まず第1話、お母さんのサンドイッチ。主人公の齧り付いた一口目が減っていないが、これは画面に映らない部分が減っているのかもしれないね。だが、その後、母が「今日はみなみちゃんの好きな苺ジャムも塗ったからね」と声をかける。苺ジャム? この家では玉子サンドに苺ジャムを付ける習慣があるのかな。生ハムメロンのように甘いしょっぱいって美味しいものね。意外な組み合わせが美味しいとかあるものね。でも今日はっていつもは違ったような言い回しがちょとひっかかる。そして、その後の流し台の上のトマトと胡瓜とレタス。まだサンドイッチ作りかけのような感じですが、サンドイッチってパンに材料挟んで重石を乗せて馴染ませますよね。意外と時間かかりますよね。その肯定ははぶかれているのかな。個人的に『高杉さん家のおべんとう』で久留里ちゃんがなつ希ちゃん家にお呼ばれした時にサンドイッチを手土産にするも、手抜きをした事が祖母である節子さんにばれてはっとする場面を思い出すなと。でもこの家には家のサンドイッチの作り方があるのよね、きっと。玉子とジャムを組み合わせる位だもの。玉子サンド食べ終わる前に他のサンドイッチも完成するのかな。でも、「お母さん大大大好き」とみなみちゃん、いきなりお母さんの腕を組んで言うのは、お食事中にちょっとお行儀悪くないかいとか思ってしまうのです。

まぁ、ここまでは良い。開始数分で引っかかりつつもまだ第一話の冒頭じゃないか。寧ろ引っ掛かりがない方が短編アニメとして印象が薄くなってしまうよと。良くないけれど、流せる範囲内。

そして、高校登校初日。入学式ですね。だとしたらお母さんは行かないのかな。と、頭の隅にありつつ、走って登校する主人公。いきなり遅刻ぎりぎりかしら。朝ごはんゆっくり食べていたものね。ん? いやいや。周りの生徒、誰も走っていませんよ。そして教室もなんだかのんびりムードですよ。これはもう主人公ちゃんが単に走りたかっただけの人なのか、それとも初日から超やる気な心理描写を走っていることによって表現したかったのか。なんか、この手の矛盾ってよくアニメや漫画であるけれど、ここまであからさまなの久々だわ。

そして、隣の席の逢沢ゆうの鞄に付いたパンのキーホルダーに注目する主人公ちゃん。パンの名前をいきなり連呼するのは演出なのかしらん。いやいや、見ればわかるよ。わざとらしいよ。ミニチュアパンだとか。可愛いとか。なんか、もうちょっとワンクッション欲しかったなと。なんだか視聴者にパンの名前を説明していいるような印象で、馬鹿にされた気分なのは気にし過ぎなのかな。ブリオッシュをちょっと溜めて言った辺りになんかそんな印象を受けた。嗚呼、でもクロワッサンがロールパンにしか見えないなと。パンキーホルダーとしてクオリティ低いなと。その流れでいきなり「パン友」とか強引過ぎるし。主人公ちゃんがパン好きなのってパンの名前を言ったから? パンキーホルダー付けていたらみんなパン好き? いやいや。わかりにく過ぎだろ。

そして深川ふゆみから手作りパンであるミニクロワッサンを貰って食べるのだが、パンの焼き方を主人公ちゃんふゆみちゃんに教えてって言うのだが、パンに焦点を当てたアニメでいきなりデニッシュ生地とか。ここはちゃんと丸パンとかにしてオーソドックスなパンの焼き方を聞いて欲しかったなと。クロワッサン、簡易で作るなら冷凍パイシートでも出来るし。パンアニメならそこはちゃんと拘って欲しかったなと。

と、まぁ、第一話の数分でこれだけもにょったのですよ。良かった所といえばふゆみちゃんの肉感のある太ももとミニスカート位かな。ラストのテンポの良い会話もそんなこんなで引っかかって折角、トントンとパン友だが出来のにすんなりと流れなかったような印象で残念。

その後の第二話。細かい所は気にしない、気にしないと思いつつの、佐倉のあちゃんの登場。フランスパンだよねという主人公ちゃんの発言に、相変わらずの見ればわかるよ感。更に言うならば、それはバゲットなのか、バタールなのか、パンアニメとしてはもう一歩踏み込んで欲しい所。なんか、なんとなく友人がフランスパンをお洒落パンとか言っていたのを思い出したよ。あと、のあちゃんが教室にも関わらず牛乳をマグで飲んでいるの微妙に不自然。お口の上に牛乳のお髭を描きたかっただけなのではと作為的な感じがし過ぎていて、個人的に気持ち悪さすら感じた。

と、まぁ、ぐちぐち見つつの第三話。ふゆみちゃんのお家がパン屋さんということで、皆で「ふわふゆベーカリー」に。いつも2階がに集まっているとのことだが、そこまで大人の人の気配いっさいなし。その後もふゆみちゃんの両親などの存在は感じられず、このパン屋さん大丈夫かなとちょっと怖くなる。この手のアニメって大人が排除されがちだけれど、そこは触れてはならないなどという暗黙の了解があるのかな。まぁ、女子高生のきゃっきゃうふふな日常物にリアルさは必要ないよね。だから彼女たち4人が集まって、出て来たパンが6個でそのうち3個を主人公ちゃんが問答無用で食べても美味しそうに食べているねと微笑ましげに見ますよね。空気読めない奴って距離を置かれたりしませんよね。仲間になっちゃいますよね。厨房にだって女子高生が勝手に入ってパンだって焼いちゃいますよね。なんか、もう無茶苦茶だよ。色々破綻している気がするよ。そもそもパンって1時間半で完成するの? きちんと醗酵させて、焼き時間考えたらそんな短時間ではできないと思うよ。「90分でできるパン」のレシピ本を持っていますが、それは電子レンジで短時間で醗酵させているのであって、パン屋さんではやらないと思うな。パンアニメなのに、パンがリアルじゃない。もう、パン屋さんとか無理だよ。その後のお話しで試食用のミニパンをみんなで作ったりとかするけれども、素人ばかりで本職の方もいない中で作られたパン屋なんて、もう、信用できないよ。女子高生が作ったパンはそれはそれで食べたいけれど、別の話しだし。

第四話では購買のパンのお話しなのだが、いきなり投入される「チャパタパン」の豆知識的解説。そして、お昼を買いに行ったにも関わらず、限定サンドが買えなかったら、もう別のものは買わずにいる感じがもうこういうリアリティのなさが全体の作りの荒さを感じさせられるのだよ。限定パンは買えなかったから、彼女たちはお昼抜きですか、と。

そんな感じで、ちょっとでも深く考えちゃ楽しめないアニメだったなと。もう、お店の商品を勝手に持ってきて食べたりとかそういうの気になり過ぎるけれど、気にしたら負け。

個人的に第七話の、のあちゃんの風邪回でのあちゃんが入っているチョココロネ寝袋が芋虫にしか見えないとか。これってフェリッシモでちょっと前に話題になったクッションですよね。実は、これ、家にあるのだが、本物はもっと断然可愛いよ。

なんか、その後にまいちゃんという本格パン屋の娘である金髪少女が投入されたりもするも、全体的な粗さを補えるほどのキャラクターの魅力とか可愛さを引き上げるには至らず、文化祭、水着回、みんなでお泊り回と素敵イベントが連続投入されつつも、手遅れ感が。そもそも、『パンでPeace!』というタイトルで内容もパンを題材としているのにも関わらず、パンに対する愛とか拘りが一切感じられなかったのが問題じゃないかな。パンの種類にしても食べた感想としても、それっぽければ良い見ないな感じで、全てが雑。荒過ぎ。酷かった。まぁ、そんな中での最終回でお写真撮るのに「パンでピース」と終わらせたのは、どうにもならない日常系ほのぼのアニメとしては綺麗に終わったのではないかなと思う。

総評としては中の下。ただ、こういう日常系短編アニメって、良くも悪くも引っ掛かりがないとすぐ忘れてしまうので、この作品を印象付けたのは、このもやもや感ではあるので、一概に良くなかったとは言い切れない。

 

 

 

すぐできる90分の本格パン

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