アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『幼女戦記』

全12話視聴完了。

ちょっとプルプルするくらい面白い。金髪幼女わっほいとか単純な物ではなく、幼女主人公なのだが、決してペドフィリアロリータコンプレックスの好むような物ではなく、作中にもあるのだが「幼女の皮をかぶった」という、まさしく幼女の愛らしい外見で合理主義で無神論的軍事主義な言葉がすらすらと出て来るギャップという点が主な魅力であった。

常々、自分は女子供に戦争をさせるアニメに対し、常々、苦言を呈してきたのだが、『週末のイゼッタ『終末のイゼッタ』 - アニメ視聴否忘失録』『ブレイブウィッチース『ブレイブウィッチーズ』 - アニメ視聴否忘失録』など、なんでそんな少女に酷いことをさせるのだろうか。大人がやるべきことを、少女に肩代わりさせることによって、その物語の持つ悲壮さを軽減させる、若しくは強調しようとしている様が怖いと。これは対極ではあるが、少女というある種のキーワード的キャラクターを使用することによってどちらにも振り切れるという。戦争という、アニメを視聴している殆どの物が体験していないであろう悲惨な行為を、そうして非現実な物へと消化させているのではなかろうかと。そう思うと、個人的に凄く恐ろしく感じる。ただ、悲劇は喜劇で笑劇あり、やはり悲劇でもあり、劇と付くからには魅力的なのでもある。

まぁ、色々と書いたが、この『幼女戦記』には以上のような、少女、作中では幼女に肩代わりをさせているという、そんな雰囲気がなかった。また、主人公のターニャ・デグレチャフの副官の巨乳天然少女ヴィーシャもまた物怖じしない独特なキャラクターであったためか、一軍人としての印象が強かった。尤も、数多くある作品のような主要キャラクターの殆どを少女が占めるという作品でなかったためもあるのだろう。それと、幼女である、女であるということが、戦争の前では軍人であるということだけが重要で、階級や立場はあれど、平等に見えた。平等であるから、主人公のターニャがあんな外見であるにも関わらず、日本のサラリーマンの男であったとか、重要ではなかった。『この素晴らしい世界に祝福を!『この素晴らしい世界に祝福を!2』 - アニメ視聴否忘失録』『灰と幻想のグリムガル『灰と幻想のグリムガル』 - アニメ視聴否忘失録』のようなこの頃よく見掛ける異世界転生、もしくは行っちゃいました系ではあるのだが、またかという印象もなく、寧ろ「神」という「物体X」という人智の及ばない力に翻弄され抗うということのみが強調されたように思える。

もう一つ。この作品の魅力は、癖のある絵柄。目が大きく、ヴィーシャが双眼鏡を目に当てているシーンは、双眼鏡から瞳がはみ出すという不自然なまでの大きさである。私自身、視聴する前はそれが気になり、食わず嫌いをしていたのだが、第1話の灰色の戦争のシーンの中、まさに積屍の中、唯一に、輝く鮮やかな蒼い瞳の色に、もう、目が離せなくなってしまった。台詞に合わせてあの大きな目が動き、睫が揺れ、ふっくらとした唇が歪む。もうその一挙手一投足に夢中になってしまうのだ。

嗚呼、面白かった。本当に面白い作品だった。最終回まで視聴したにも関わらず、次に続く内容という、眉を顰める最後ではあったのだが、寧ろ続きがこれからあるのだろうという期待と楽しみになった。凄く面白かった。これはもう取り合えず漫画を集めて、OPとEDのCDも欲しい。久々にこんなに夢中で一気に観たわ。凄く凄く面白かった。

総評としては上の中。久々に繰り返し観たいアニメだった。

 

幼女戦記(1) (角川コミックス・エース)

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幼女戦記 1 Deus lo vult

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