アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』

全12話視聴完了。

随分昔にキノの旅ってアニメとか色々なかったっけと思いつつ、前情報もなく見始めたのだが、凄く面白かった。寓話的短編の積み重ねで、あっさりと見易いにも関わらず、印象的。

ストーリーとしては、主人公のキノという中世的な少女は、人間の言葉を喋るモトラドという二輪車エルメスと世界中を旅している。世界には、個性的な様々な国があり、其々の人々は自分達の法や常識を持って暮らしている。二人はそんな国々を3日間だけ滞在し、旅を続けている。そんな優しくて悲しくて滑稽で、胸に突き刺さる、一言では終れない旅の記録。

キノとエルメス以外にも、師匠と相棒。シズと陸。フォトとソウなど主人公が異なる物語があり、1話完結型のファンタジーの積み重ね。

何が良かったかと問われると困るのだが、なんだろう。世界は広くて美しくて、それだけでなから、更に美しいなと思えることが、本当に良かったなと。キャッチコピーとして「美しくなんかない。それ故に、美しい世界を。」とあるが、嗚呼、まさしくそんな感じ。それを淡々としたキャラクターが旅人という世界を見る第三者として存在し、関わる。感情に激しく訴えかけるということはないものの、だからこそ心に沁みるなと。

個人的に印象的だったのは第10話「優しい国」だったかな。評判が良くない国だけれども、滞在してみると皆親切で素晴らしい国だった。が、実はキノが旅立つ3日後には噴火により滅びることがわかっていたという。国を捨てて逃げ出すのではなく、自分達の大切な国で、最後に良い国であったと記憶にのこしたいと。なんだか凄くじんわりと恐ろしい話しだったなと。

後は、キノはずっと男の子だと思っていたのだけれども、第2話「コロシアム」で知り合ったシズとのラストのやりとりで、あれ? キノさん?? となり、次第に、嗚呼、女の子なんだ、と。ちょっと衝撃的だった。多分、第1期とかの時からか本が話題になった時からか、よく知らないまま少年とバイクの旅だと漠然と思っていたから。

総評として上の中。機会があったら第1期も見たいなと思う。

 

 

『羊たちの草原』

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