アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『サクラダリセット』

全24話視聴完了。

作られた透明感と優しさ。青春群像劇なのか。青春という傲慢さが溢れて、嗚呼、なんだろう。確かに若さ故の暴走とか一途さとか。尤も、物語の主軸はSFで、特殊能力とタイムトラベルとなのだけれども。

物語りの大半は会話で進む。住人の半数が特殊な能力を持つ街、咲良田。「管理局」の元でそれを了解して暮らす住人達。主人公の少年、浅井ケイは「記憶保持」の能力を持つ。そんな彼が「リセット」という最大世界を3日分巻き戻るが、自身の記憶すら失ってしまうという能力を持つ少女、春埼美空と出会って。更に、そんな二人を引き合わせた相麻菫の存在。管理局の「奉仕クラブ」に、「マクガフィン」とう能力を統べると言われている物を巡る事件に、「切なくも優しい、時を駆けめぐる奇跡の物語。」 

結構、難しい内容ではあるなと思う。個人的に特殊能力だとかタイムトラベルだとかが苦手で、本が出た段階ですぐに購入していたにも関わらず、頭の悪い自分には、結局、最後まで読み進められなかったという。だが、アニメになって随分と見易くはなってはいたなと。基本が会話で進むため、内容がぎゅっと詰め込まれている印象があり、一気に24話見進めると完全に私にはキャパオーバーで、だからといってちょっとづつ見進めると内容を忘れてしまうという。結果、8本ずつ3日に分けて視聴した。面白いのよ。面白いのだけれど、おなかいっぱいになりがちというか。

主人公の少年、浅井ケイ君。一見、優しそうで賢いのに、ナルシズムと自己中心的な塊で、嗚呼、これは魅力的だよねとか。ヒロインの美空ちゃんは現実味のない不思議ちゃんで、それが次第に普通の少女になりつつあって、これは好きな人は好きそうな理想の少女だよねとか。その対極にいるもう一人の相麻菫は、嗚呼、なんだろう。賢い分、不幸ではあるなと思う。どちらにしろ、どちらも浅井ケイ君の被害者なのでわとか、最終回のキャットファイトを見ながら、なんだか、世界が、救いが、そんな事を言いつつも、この傲慢な男の一人芝居を見せられていたのでわと思ったり。そしてそんな傲慢な男はそんな自分の行動に幸せを見出して、疑問を抱かない女を選ぶと。いっそ清々しかった。中途半端なハーレム物よか、良かったなとは思う。繰り返し書くが、ケイ君、魅力的だったからね。

キャッチコピーなのか、何なのか。優しい物語と書かれているのだが、全然、優しくないよ。寧ろかなり酷いよ。

総評として上の下。

 

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いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

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