全12話視聴完了。
原作が好きだったので、どうアニメ化されるのか楽しみでありつつも、怖くもあった。題材がラジオであるだけに、想像の中の声との相違があるのだろうなとか。だけれども、さすが声優さん。第一印象など問題とせず、どんどんその世界に引き込む喋りで圧倒されたよ。もう、ミナレはあの声だ。
主人公はカレー屋の店員25歳女子、鼓田ミナレ。ろくでなし男と別れ、酒場で失恋トークで偶然知り合った地元ラジオ局のデレクター麻藤兼嗣相手に管を巻いていた。そしてその内容を知らぬ間に生放送のラジオで流され、それをきっかけにラジオのパーソナリティとなる。北海道深夜3時半「波を聞いてくれ」にて、覚醒したミナレの架空実況にラジオドラマ、隣人の部屋での収録など、予測不可能な無軌道ストーリー。
原作作家、沙村広明さんの一気に捲し立て成立させる会話劇とラジオというテーマがナンと最高の組み合わせだろうと。リアルなのにリアルでない絶妙なラインで攻めて来る、一見無茶苦茶な理論も力で押されたら納得しかけてしまうような。アニメはそれを息吐く間もなく再現しており、面白かった。そして映像だからある間の取り方など、寧ろ見易かったように思える。
ただ、アニメは北海道地震が起こり、それがミナレのパーソナリティとして一皮剥けて頑張るぞみたいなという終わりをするのだが、だが、そんな良い話しで閉められても。いや、綺麗に収まったけれども。という何とも言えないもやっと感が残った。
総評として中の上。