アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『天晴爛漫!』

全13話視聴完了。

舞台は明治後期、全てをエンジニアに振り切った天才肌の空乃天晴を、臆病な凄腕剣士でおかんな一色小雨の2人を主人公に、ひょんなことから行き着いたアメリカで、日本に帰るため自動車を作って、西海岸ロサンゼルスからニューヨークを目指して「アメリカ大陸横断レース」に参加することとなる。

常識やコミュ力などといったものを持ち合わせず、からくりにしか興味を持たない、服装もかぶき者を意識したような口角の紅に、少女のような外見の天晴。そして、真逆の性質を持ち、これといった特色のない侍姿の小雨。彼らの噛み合わない掛け合いは良かった。冒頭ではやたらとお節介で口うるさい小雨がうっとおしく感じるも、段々と、彼の保身だけではない面倒見の良さや人柄が見えて来、最後は互いにない物を補う合うベストパートナーになり、なんだろう、完全に腐った目線で美味しいなとも思ったり。小雨が打たれて生死の境を彷徨う間、今までなかった感情に気付く天晴。最後、日本に帰る帰らない云々のシーン。個人的に二人の深まる絆は、まぁ、そういう感情の変化を友情やら恋愛の枠に必ず当てはめはしなくとも、勝手に行間を埋めがちになる。

舞台はアメリカではあるものの、キャラクターも、和風、中華風、ヨーロッパ風、インディアン風、なんでもござれで、とても可愛らしかった。この時代のアメリカなんて差別意識強そうだけれども、日本人だから、原住民だからとか、そういうのも一切なく、重要なのは生き様。ちょっと笑ったのは、「俺らアウトロー」と言うが、アウトローが集団になったら、それは社会ではみ出し者ではないのでわと。あと、犯罪者はアウトローになりがちで、逆もまた然りだが、決してイコールではないのだよなと。

個人的に好きだったのは、チョイスが落ち込んでいる天晴に「腹が減っている時に考えることは大体間違っている」と食べ物を渡すの。食べるの大事。ちょいちょい食べ物が美味しそうで、小雨が手をパンッと合わせて「いただきます」と言ったり、さり気に食が重要な位置に描かれているのは印象的だった。

ポップで壮快な画面に、よくできたストーリーライン。これぞという推しはないものの、エンターテイメントとしてよくできていて、わかりやすくとても面白かった。

総評として上の下。

 

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