アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』

全12話視聴完了。

ゲーム没入型で、チート物ではなく現実世界のスキルを再現した、作中曰くクソゲー。ただ、主人公がトラウマを抱えながらも、なんだかんだで努力家で元優秀な陸上の選手だったのが反映されている。

主人公は時代遅れとされるフルダイブRPG好きな高校生男子ヒロ君。最新作のゲームを買うはずが、ひょんなことから風変わりなゲームショップのおっぱい大き目綺麗なお姉さんレイナによって、「極・クエスト」というリアルを極めた、リアルな出来栄えの、それ故にクリア不可能な極めて面倒なゲームをプレイすることとなる。ゲーム開始直後に、親友であるマーチンを殺してしまい「親友殺し」の不名誉な称号を得、幼馴染の可愛い女の子であったマーチンの妹アリシアに命を狙われ、同じ数少ないいリアルプレーヤーで同じ称号を持つギンジに騙され、異端審問官のミザリサに拷問されて気に入られて、何度も挫折しながらもレイナに言葉巧みに誘導されたりしつつ、難しいからこその達成感に酔ったりしつつ唯一このゲームをクリアしたカムイの作った攻略サイトを観つつ、ゲームを続ける主人公。

殴られれば痛く、怪我をすれば数日は治らず、挙句ゲームオーバーはゲームのハード機ごと壊れるというストレスフルなゲーム。俺たちの戦いはまだまだこれからだエンドなのだけれども、リアルを反映するゲームだからこそ、ゲーム中の成長はリアルの成長でもあり、なんだろう、リングフィットに似た感じ。レベル上がれば、筋力がアップしていたし、ゲーム外の現実で鍛えるとゲーム中の攻撃や動作がちょっと楽になったりとか。

ただ、兎に角理不尽。現実も理不尽かもしれないけれど、こんな嫌な部分を悪意を持って再現しなくても。観ていて不愉快以外何物でもなかった。

ノリ突っ込みでコメディ調に描いていても、あまりに自虐や痛々し過ぎたりして笑いにつながらず。サポートキャラであるはずの妖精のレオナさんも、サポートではなく、あくまで己の自分勝手な欲望を満たすためにそこにいるに過ぎず。大人であるはずが大人としていないにも関わらず大人のふりをしているような。これは何処に楽しみを見出したらよかったのだろうか。

そもそも、主人公が持つトラウマ、高校最初の陸上大会でおもらしをしてしまうという、それでも部活を辞め高校に通っていた主人公偉過ぎでしょという。その原因も元オリンピック選手でスポーツライターの人にレース直前に期待しているよって言われてトイレに行きそびれてって、何もそんなプレッシャーかけなくてもとか、選手だったのに、選手の気持ちとか考えないのとか、もうそれが理不尽だったり。そして更にゲーム中でもおもらしを重ねて、レノナさんもそれをしつこくからかって。笑い飛ばすことが優しさになる時もあるけれども、それでもこれはあまりに酷いなと思わずにはいられないし、下ネタというほど消化されてはいないし、単に下品な印象ばかりが残った。

後は、ゲームと現実のバランスが悪いなとか。主人公をカツアゲしていた人たちの引くのも、そんなさらっとひいちゃうのとか。フルダイブRPGが時代遅れと言われる根拠もあまりないな。

個人的には、主人公がリアルでのストレス発散のためにゲームをしているのに、ゲームでもこんなにストレスがかかったら、逃げ場もないし、壊れちゃわないかと勝手に心配になったが、まぁ、主人公、実はかなり強かったよね。もう、ゲームで現実逃避という共感は何処にもないなと。いや、主人公は最初からゲームはゲームとして楽しんで、現実は現実で切り離した考えの人間だったからこそ、マーチンを所詮NPC。だけどゲーム中では生きていたということが目から鱗的にあったのかなとか。だったら、これからもっとその辺が掘り起こされるのかな。と、思ったり。

総評としては下の上。

 

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