アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『終末のハーレム』

全11話視聴完了。
かなり刺激的で直接的なアダルト描写の作品。だが、修正部をマジックで黒く塗ったような隠し方をしているため、画面の半分以上が黒かったりと、もう、何が何やらよくわからな過ぎた。
また、キャラクターのアップ画像や引き延ばして若干崩れた印象の絵などが多様されるため、作画コストが低めで、もしかしたらあの黒塗りされた部分にこそ力が入っているが故の他の絵の簡略化なのかもしれないと、これは好意的解釈過ぎるか。修正なし版を見ることがないのでわからないのだけれどもね。
内容としては近未来SFアダルトファンタジー的な。病気を治すためにコールドスリープをしている間に、謎のウイルス蔓延によって地上の殆どの男性が死滅し、女性だけが生き残り、情勢不安貧困の蔓延する世界になっていたという。MKウイルスに抵抗力を持つ男性、ナンバーズたちは残された女性たちと人類の存続のためにメイティング、子作りをすることを求められる。
主人公の青年、水原怜人は元医学生で2番目に目覚めるも、失踪したMKウイルス研究者の幼馴染、絵理沙に好意を持つため、他の女性とメイティングを拒否し、MKウイルス特効薬を作ると、MKウイルスの謎やナンバーズを巡る陰謀に巻き込まれいく。
あまりSFの設定と言う物に詳しくはないのだが、男性がほぼいない状態で子孫を残したいという状況はわかる。が、体外受精が不可と言うのはご都合主義的設定な気がしてしまったり、そもそも子供を作るのならば、不特定多数の女性とランダムに交わるよりも、正常な妊娠出産ができるかを検査した上で、排卵日を確認した女性のみと行為をすべきなのでわとか、効率的でなさ過ぎる。アダルト漫画では気にならないのだけれども、アニメでストーリーにも重点を置きましたよとなると、その辺りが気になって仕方がなかった。更に、水原君がいきなり全世界記者会見でMKウイルスの特効薬を作るよと言っちゃうの、優秀な女性研究者も多数いるであろう中で、一学生がというの、違和感しかなかった。最も、MKウイルス自体が人間が作り出した物でそれに関して何やかんやあるのだろうけれども、それでも、他の女性研究者に全く配慮のない独りよがりのような。思慮が浅いというか。
ここ数年のジェンダーに対する問題意識、価値観の変化と言う物が急速に変化しており、目まぐるしいものがあると思うのだけれども、そんな中、それがアップデートされていない作品という物は、何と言うか、個人的にとても見難く感じてしまう。男性向けで、明らかにエロですよというなら、それもフィクションでご都合主義で大事なのはエロなのですと許容できるのだが、SFでアニメでとなると微妙な気持ちになってしまうね。
希少な男性が本人の意思とは関係なく性的に搾取されているようにも見えるのだけれども、その一方で、残された希少な男性に群がり、メイティングを望む女性の方がその個人の意思や過程がなく、なんだか、もう、どのキャラクターにも人権がなく、個人的にキャラクターとして愛すべき要素が見い出せず、最後まで観ていて不快だなと思った。
一番、そんな中で人間性が描かれていたのは3番目のナンバース土井翔太君。いじめられっ子男子高校生で、ハーレム学園生活やり直しによって人格的に拗らせて、権力を除く専属担当官の花蓮ちゃんと何やら突っ走てくれそうな感じ。全寮制の学校でやりたい放題。いじめっ子への復讐。画面は黒塗りでわかりにくかったが、丁寧に描かれていた分、彼が一番わかりやすかった。
そして、好意的に受け取りやすかったのは、一番目のナンバースの火野恭司。現状を最も楽しんで裏表がなく屈託がない。これから多分ストーリーは暗い感じで進んでいくのだろうけれども、そういう時、こういうキャラクターって大事だよなと思う。
幼馴染がテロリストだったり、各国の主権がどうのとか、まぁ、これから更に色々あるのだろうという物語の序章で終わった印象。漫画の広告をよく目にしていたのだけれども、自分はもう充分かなと。そして、やっぱり思うのが、画面の殆どを修正しなければならないようなアニメを地上波で放送する意味はわからないなと思う。漫画の方が読みやすそうではあるよね。あと、普通にスカートを履いているのに、なんで、そこ黒く塗られているのと、謎が多かった。
総評として下の上。

 

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