アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『リアデイルの大地にて』

全12話視聴完了。
一見、異世界スローライフ風な雰囲気にも関わらず、中身は異世界無双チート物。異世界転移転生というか、オンラインゲームの世界にそのプレイしていたキャラクターとして入ってしまうやつ。
ストーリーは、事故によって下半身不随で生命維持装置がないと生きられなくなった少女が、病院の停電により生命維持装置が停止し、目が覚めると何故かいつもプレイしていたゲーム、リアルデイルの世界だった。更に、プレイ時よりも200年後の世界であり、自身もプレイ時に使用していたアバター、ハイエルフのケーナとなっていた。リアデイルの世界で生き、他のスキルマスター達の痕跡を辿ることを選んだケーナ。この世界での人々と交流し、克て自分がキャラメイクをした子供たちとの再会。
のんびり冒険譚となければ、もうちょい見易かったのかな。癒し系という雰囲気で、主人公が無自覚に自己中の性格が悪い感じが、個人的にきつかった。冒頭では謙虚な風だったのだけれども、リアデイルの世界内での自分が失われたスキルと限界突破したステータスを持つと知ると共にその態度も大きくなっていった印象。最初は状況がわからなかっただけで、ケーナ自身の本質は全く謙虚でも他者のことを考慮するでもなかったのだろうなと。何と言うか、年相応だったのだよね。現実世界での。世間知らずの子供。にも拘わらず、ゲーム内では権力者となった子供たちの母親で、力がある。
堅苦しいことを好まないと言いながらも、ハイエルフで権力者の親であるという立場相応の対応を求め、上から目線で、やたらと他者に己の立場を弁えろと説教をする。なのに、見た目が小娘であるにも関わらず小娘扱いをされたり、嘗ての二つ名「銀環の魔女」と呼ばれることを嫌がり、自分は感情的で周囲を振り回す。飲酒に関しても己で制御できず常に二日酔いに悩まされ、それに無自覚。これは製作者の意図する所だったのだろうか。ゲーム内レベルがそのままその人の人生の経験値とはならないと個人的に思っているのだけれども、ケーナは違ったのだろうな。彼女の世界はリアデイルしかなかったのだから。

ケーナ、良かったのは美味しいごはんを食べたら元気になる所くらいかな。ごはんが美味しくて、美味しく食べられるって重要だよね。作画に説得力はなかったけれども。第4話の冒頭での「お肉食べる?」という言うのが唯一好感が持てたな。
主人公を賢く見せるがために、周りが馬鹿になるしかなく、その主人公もあまり頭が宜しくないようとどうにもならないよな。キャラクターに好感が持てないとちょっとしんどい。

漫画でも新刊付近は引っ掛かっていたけれども、アニメだと更に際立つね。
チート物だけれども、いまいちすっきりしない内容だった。これはもう自分の好みではなかったのだろうなと思う。
総評として中の下。

 

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