アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『時光代理人 -LINK CLICK-』

全12話視聴完了。
中国webアニメ。前情報がなく見始めたので、基本的常識が違った戸惑いと、寧ろそこがとても面白かった。
ストーリーは、特殊な能力を持つ2人の男が営む「時光写真館」。写真の中に入り、撮影者の意識にリンクするトキ。その写真の撮影後12時間の出来事を把握できる能力を持つヒカル。トキの幼馴染、リンを通じで顧客から舞い込む依頼を遂行する2人。絶対に過去を改変してはならないというルールの元、少しずつ未来を変えていく。
最初にひっかかったのは、第1話。大手会社で上司のパワハラとセクハラの中で働くエマとなった回。夜に会社でデリバリーの春巻きのみの夕飯を食べるということ。春巻きって、中華料理屋で食べることが多くて、家ではあまり作らない料理だと思う。夜に食べるには脂っこいな位の認識で、それが家庭の味があるのか、作るのと買うのとどちらがメジャーなのかとか、どんな立ち位置の料理なのか。そもそもそれ単体で食べるものなのかとか、出前に対する認識も、全く想像つかないし、検索してもそれを説明するサイトに行き着かなかったので、この春巻きが持つ意味のわからなさが面白かった。それに布団って家で縫うのかとか。田舎の感覚が、日本だと30~50年前位かな。でもネットなど通信機器が充実し、都会の感覚は現代なので、田舎と都会の差が激しいのかなとか。世界観が不思議な感覚。そして、その不思議な感覚のまま第1話はEDに入るので、なんだか凄い所に来てしまったような感覚になった。
第2話は、人気ラーメンチェーン店の秘伝のレシピ入手の依頼。経営担当の夏。厨房担当の林貞。親友同士だった二人に生まれたすれ違い。レシピを持ち、急に独立し、姿を消した林貞。麺料理って、多分、私の思うラーメンとは違うよね。同じ1つのどんぶりから一緒に麺を啜るってあるのか。それってどれくらいの距離感なのだろう。付き合っていてもなかなかやらないよね。そもそも、同性愛的要素の匂わせが多いような。同性の距離感が違うのかな。箸を持って手を振り回すとか、そういうの大丈夫なのかな。もう、一つ一つが自分の持っている常識と違って目が離せなかった。
そして第4話。裕福ではない田舎の食卓。部屋の内装も、土足で、外との境界が曖昧な家の作り、お台所の作りも違うなと。更に母親の作るご馳走。手で裂いた鶏の丸焼き。鶏を持つ同じ手で茶碗を持ち、米を掻っ込む感じ。魚の姿煮。締めに麺料理。当たり前がわからないって不思議。
つい食べ物が好きなので、そちらにばかり目が行ってしまったが、大学、就職の感覚も違うよなと。
そして、大筋の写真の中に入れるという能力。写真に入ったとしても、過去は変えられない。が、過去を知ることで変えられる未来がある。大学時代の友人を救うため、その能力を使い、連続殺人犯と接触を図る。
全てがそんな伏線になっていたなんて。
「たくさんの人生を体験した。そのほぼ全てに悔いがある」
「俺は信じている。人生にはどんな時だって懸命に生きる理由がある。もし、暗闇に陥っても、きっと出会えるはずだ。光をくれる人に」と。綺麗に終わったかのように思わせておいて、最後の最後に傀儡がとか。「もう一度、ゲームを始めよう」なんて完全に続編あるよという終わりって。過去を改変してはならないというルールを破ったからなのか。そもそもこの特殊能力自体も最初から当たり前にあったけれども、謎しかないし。第2期あるのかな。中国では配信されているのかな。このままでは終われないよ。
文化的違いなのか、流行の問題なのか。2人組のキャラクターって、そのギャップを強調した物が多い印象なのだけれども、中華系って同じ背丈だったり、似たキャラクターを組ませることが多い気がする。そうすると、あえて個性を強調してどこかで見たようなキャラクターにはなりにくいのが良いなと。
OPのダンス。二人の絵が半分組み合わさって1人になって踊るの好きだった。そもそもニュルニュル動くダンスが滅茶苦茶良かった。お洒落。音楽、OPもEDも世界観に合っていて、単なる付属物ではない、きちんと作品のイメージを膨らませる感じ。
また、絵柄も、目の下に色を入れるの、好き。背景の水彩っぽい色味も新鮮で、それで中華系の下町の街並みがもう素敵だった。写真館の裏のサンルームのようなリビングも素敵過ぎる。お店と、不思議な能力と、異国感というのか、あんなお部屋に綺麗な不思議な力を持つ2人の青年。物語りとして最高じゃないかと。
総評として上の下。ここ数年の中華系アニメの進化が著しさに驚く。

 

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