アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『殺し愛』

全12話視聴完了。
印象的な場当たり的な場面を重ねて作られた物語と言う印象。雰囲気恰好良くはある。
ストーリーは、単独行動しがちで訳ありなセキュリティ会社リッツランサポート商会に所属する腕利きの新人賞金稼のシャトーちゃん。仕事中、総軍した殺し屋ソン・リャンハ。圧倒的な力の差のあるソン・リャンハにナンパから始まり、何故か異常な執着を受けるシャトー。暴走気味な彼女に他を焼く社長に、淡々とした常に顔がデフォルメされた経理担当のジム。船上での護衛。謎の組織。ソン・リャンハを取り巻くあれやこれやに巻き込まれたり、二人の因縁の過去が明らかになったりと。
全体的な感想として、物語りの本筋が何処にあるのかわからなくて、どう観たら良いのかわからなかった。重い過去を背負った主人公ヒロインに無償の愛を捧げる危ない男に素直に胸キュンするには含みがあり過ぎるし、主人公の失った過去を辿るミステリーサスペンスというには断片的過ぎる.
まず、世界観がよくわからない。そもそもこの物語の舞台はヨーロッパなのか。現代なのか。多国籍な登場人物に、すかすかの背景。重要であるはずの警察組織の存在感のなさ。印象として、場面ありきで作られたかのような雰囲気があるにも関わらず、描き込みが足りなくて感情移入しにくい気がした。キャラクター以外をどう見たらと。そして肝心のキャラクター自身もわかりやすい愛嬌やキャラ付けではない、どちらかというと淡白で感情の流れがわかりにくい。これ、原作の方がどうか知らないが、背景や世界観の作り込みが細かければとても面白かったのだろうなと思う。異常性恋愛ミステリーサスペンス的要素で。
完全なネタバレとして、第11~12話でシャトーちゃんとソン・リャンハの間にあった過去の繋がりと、ソン・リャンハがソン・リャンハになったきっかけが明らかになるのだけれども、おそらくそれがはっきりとした物語の肝となるにも関わらず、やっぱり、よくわからなかった。
ただ、やっぱり幼いシャトーちゃんが自分を助けようとした元ソン・リャンハを恐怖と疑いで撃ち殺してしまったという過去は衝撃的で印象的だった。そして銃で打ったはずの元ソン・リャンハが死にかけながらも車を運転してシャトーちゃんを逃がそうとしたことも、同じ名を名乗る少年の抱える過去と執着と、まぁ、印象的な場面を作る点で、この事実に向かって含みを持たせた場面の組み合わせで繋げていくという作り方としては正攻法なのかもしれない。
で、結局シャトーちゃんはなんだったのだろう。最終的に恋愛で良いのだろうか。シャトーちゃんの愛の目覚めというか、他人を知ろうとするという人間的変化と言うとことなのだろうか。
やっぱり背景の描き込みが欲しかった。背景がより場面を印象付ける。あと、最後の最後で、屋根に上がった二人の顔の比率が狂うの、本当によろしくないよ。そして急に銃を抜いて鳩が飛ぶのは、必然性がなさ過ぎる。
総評としては中の中。

 

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