アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『最果てのパラディン』

全12話視聴完了。
なろう系の異世界転生。あれ、僕また何かやっちゃいました? 的な要素もありつつ。最終的に自覚的。
廃墟となった死者の街で不死者アンデッドに育てられた少年ウィル。嘗て英雄と呼ばれた骸骨剣士のブラッド。神官ミイラのマリー。魔法使い幽霊のガス。3人からの生き抜くための教えと、愛情。3人の抱える秘密。神から受けた祝福と執着。そして旅立ち。自分の信仰する生々流転を司る神グレイスフィールへの誓いと、人々を救い、パラディンとなり、強さ故に陥る孤独と、友人。
前半は幼少期。死者の街でアンデッドに育てられ、迎えた成人の儀と、不死者アンデッドを眷属にする不死神スタグネイトとの戦い。第5話のマリーの最後の言葉に泣くしかなかった。誠実で愛に溢れていたなと。ブラッドとマリーの家族愛。個人的に家族の愛情を描いたものはあまり好かないのだけれども、理想的に嫌味がなく、素直に良いなと思えたし、ボロボロ泣くよ。一皮剥けた主人公の旅立つ姿。そして祖父的立ち位置のガス。最後の最後で消えるはずだった両親と祖父のアンデットの3人に、更に与えられた10年。それを唯一受け入れたガスのあと10年の欲の話しは何処まで泣かせるのかと。ガス好き。偏屈爺さん最高となった。
そして後半は、死者の街を出、出会ったハーフエルフのメネル。己の村を救うため、隣村を襲おうとし、それをウィルによって阻止され、捕まり捌かれる所を救われ、その後、共に旅に出、絆を深め、友人となる。
絵がとても可愛く、美少年を通り越して美少女顔。ウィルもだけれど、メネルもなので、その他のキャラクターと並ぶと一層際立って、圧倒的美少女2人組。そして、個人的に主人公があの顔で基本力押しの筋肉ゴリラなのが凄くいい。メネルも、強気でツンツンしているのにも関わらず、マントの下がかぼちゃパンツなのエロくないか。何故そこだけ乙女なの。可愛過ぎる。第10話のCM明けすぐの回想シーン。夜、宿屋で寝台に座る主人公と窓辺に立つメネルの後ろ姿。思わず二度見したよ。だけれど、ここまで美少女コンビだと掛ける気にはならないなと。
後半は外の世界へと出たウィルには様々な出会いがあるのだが、小人族の吟遊詩人ビィに行商人ドニオ。凄腕冒険者レイストフ。魅力的なキャラクターが多い中、こいつ絶対悪者だろうという風貌の神殿長バグリー。実は滅茶苦茶面倒見が良くて筋の通った良い人というの、もう、この顔がイケメンに見えるとか、登場からは絶対に想像できないし、真っ直ぐ素直なウィルとのやり取りが面白しろかった。
都でワイバーン素手で絞め殺し、王からパラディンの称号を受け賜りったウィルを助けるという苦労を抱え込んだバグリー神殿長はもう2人目の最高お爺ちゃん登場でときめきしかなかったね。
パラディンとして集落の復興や魔物退治をするウィル。第11話でお金が魔法以上に魔法みたいだと感想を述べるのとか、純粋で物事を見る目にフィルターがかかっていない言葉に胸が締め付けられる。寂しいのが怖いという言葉も刺さった。だからこそ、最後、強い物が患う病にかかる流れで、中二病的思考で暴走する主人公に何処までも好感が持てた。
OPが灯の神様グレイスフィールが歌い出す絵で始まるのは、この物語が主人公ウィルの物語りであると同時に、神への信仰と共にあるという暗示させていたのかな。言葉少ない神が大きな口を開けて歌う絵。物語りが主人公の一人称の語りで進むのと対照で印象的だった。曲と相まって広がる感覚。無言の存在感。輪廻に返すという絶対的安定した生死感がある世界は、不安定な治安や状況を描いているにも拘らず安心して見られた。作り込まれた独自の世界観は入り込みやすくて、嗚呼、良いなと。
物語りはまだまだ途中。コミカライズでは魔獣を倒した後に、酒場でビィがアンデット家族の3人の英雄譚を詠い、アニメでは旅立ち都に付いて早々に詠われ、第12話は魔獣を倒して終わるという編成だったのだが、個人的に早々にウィルがその詩によって救われて良かったなと思う同時に、自分は強いと暴走した後に聞く方が主人公の心のありようとして自然な流れな気もして、この語り継がれた英雄譚が持つ一区切りした感じも薄れ、残念だったなと思う。だけれども、第2期への希望としてはアニメの流れとして良いのかなとか。
総評として上の下。第2期楽しみ。コミカライズも新刊楽しみ。

 

youtu.be

youtu.be