アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』

全5話視聴完了。どうやら劇場公開アニメだったものをTV放送として5話に編成された物を観たらしい。確かに、構成は全部繋がった1作品として観た方が見易かったのだろうなと思った。
ストーリーは、妖精が存在する世界。人間によって住んでいた場所の自然が破壊され、居場所を失った小さな黒ネコの妖精シャオヘイ。街で何者かに追われながらも、残飯を漁り住処を探して、何とか生きながらえていた彼は同じ妖精のフーシーに助けられる。そして、彼らの隠れ家に案内され、彼らの仲間となる。しかし、そこでの生活も長くは続かず、人間であるにも関わらず執行人であるムゲンに手違いで捕らえられ、共に旅をすることとなる。正直、この執行人が何を指すのか、館とわと、最後までちょっとよくわからないまま終わってしまったのだけれども、ここからの子猫と無症状な謎の青年との旅路。心を通わせていく流れ。それに伴う二人の心境の変化。そのあたりが物語り的見所だったのかなと思う。妖精と人間の共存物語り、らしい。
らしいというのは、もう、完全に自分のアニメの観方なのだけれども、映画にありがちな効果音と台詞の音量のバランスが悪く、台詞が聞こえにくく、肝心の物語りを把握するのが困難だったという。正直、前半のストーリーもあらずじを読んで、アニメを見返して初めて分かったというか。台詞の音量だけ上げられないものか。夜なので、全部を上げてしまうと、急な効果音もCMにもびっくりしてしまうし。嗚呼、だから映画をあまり観ないのだよなと思ったり。多分、きちんと観ればストーリーも面白いのだと思う。
ここ数年の中国アニメのクオリティーって滅茶滅茶上がっていて驚くなと。勿論、映像的な所もあるが、それ以上に、過剰に他国の文化に合わせた中に自国の文化を組み込むのではなく、自国の文化を自分たちの表現で自然体に描けるようになったなという印象。特に印象的だったのは、戦闘シーン。実写のカンフー映画の演出がアニメでも行われているの、あまり見ないコマ割りで新鮮だった。
第1話のムゲンの登場シーンでの戦闘での肉体と異能力の特に第3話の地下鉄のシーン。まず人間同士の距離感。多分、日本だとあんな風には描かないだろうなという、現代的中国ではそんな雰囲気なのかなという日常からの、あの動きは画面から目が離せなかった。
印象的だったのは、食事のシーン。第1話でフーシーらの仲間に加わって食べた良く分からない赤い肉に始まり、第2話で食堂で肉を食らうシーンは、手でお肉をむしるシーンって大好き。その横で箸で鍋の肉を食べるムゲンも良かったし、好き過ぎて巻き戻して繰り返し見てしまったよ。更には、第3話の洞窟でのご馳走の丸かったり円柱だったり四角かったりが積み重ねられたそれらは省略されてなんだかわからいだけに、余計に美味しそうだった。その直後に食べたハンバーガーも、屋台で啜る麺は箸の上手く使えないながも一生懸命口に放り込むシャオヘイの食べ方が最高過ぎて、ただ林檎を齧り、その喰いかけの林檎を抱えて眠る姿すらまだ食と繋がっていて、これは蜜は入っていないものの小振りで固く全体が甘い林檎なのだろうなと。この辺りの食で表される関係性と変化の表現とか、こういうの、大好き。良かった。
総表として中の中。

 

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