アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『錆喰いビスコ』

全12話視聴完了。
SFファンタジーなのかな。
ストーリーは、砂漠が広がり「錆び風」は吹き荒れ、人類はその身を蝕む錆に怯え、それぞれが独自統治された城塞都市で怯えながら暮らしていた。そして、錆び風の原因はキノコの胞子とされいた。主人公は、忌み嫌われていたキノコ守の一族で、人喰い茸と懸賞金を掛けられる少年、赤星ビスコ。彼は師匠を救うため、霊薬キノコ「錆喰い」を探す旅をしていた。そして、そんな旅の途中、ビスコは、大切な姉を救うために錆の治療を探す、美しい顔の少年で医師のパンダ先生と呼ばれる猫柳ミロと出会う。そして2人は錆び喰いから大切な人を救うため、共に旅に出ることとなる。
恋愛ドラマだった。後半の畳みかけるような愛に溢れた物語り。唐突なBがLかという戸惑い。特に第9話「きみを愛している」で「俺の命を喰え。できるか。うん」「君みたいに生きてみる」弓を引いて「魂だけになったら、君にまた会える」「また会えるさ」「愛している」もうここでずっと隠されていたほの暗い感情が戦い以外であふれ出す感じに、これがエモいということかと。そして、最後までビスコだったら、ビスコを想い、巨人化した黒川と立ち上がり、戦うパンダ先生はずっとビスコを愛するという物語だったように思う。死ぬ時は一緒と約束し、それを受け入れるビスコ。俺たちは無敵のコンビとか、そんなやり取りは見ていて嬉しくなっちゃうね。
ビスコは、破天荒な主人公としてわかりやすく魅力的なキャラクターだったが、一方で、パンダ先生の人間性がよくわからなくて面白かった。掴み所がないというか。ビスコを愛していて、姉とキスするビスコを祝福していて、無償の愛で、わかりやすい常識的価値観で測れない彼は、綺麗な顔でやっかいで魅力的だった。
そして、そんな2人を通して観る世界観も、その設定以上に不思議で、印象的だったのはビスコの復活の「神様になって帰って来よった」というシーン。キラキラしたビスコ。胞子。サビ喰いと人間の混血。ここで神を称するのかと。この世界観の神と言う概念がを意識して、もう一度見返しても面白そうだなと思った。
また、シリアスなストーリー軸にキノコやカニにパンダ先生などコミカルに描いていて、後半の砂漠化した世界で錆を吐く赤い巨人など、その物は本当に恐ろしいにも関わらず、各所に散りばめられた愛嬌あるキャラクターと設定に残された希望やら愛で、その恐怖を半減させており見易く感じた。
蟹に乗って移動するのも良かった。大きな蟹って、ありそうでなかったような、面白過ぎる。そしてその蟹の名前が「アクタガワ」って。蟹と意思疎通が可能なミロも良かった。もう、全体が可愛い。そして、パンダは当然可愛いし、キノコももうキノコ自体が可愛い。最後、キノコの山だし、これは滅茶苦茶可愛いアニメなのでわと。
総表として上の下。
原作イラストの赤岸K先生の漫画、描き込みと抜きのバランスが凄く上手くて、バランスの良い、読みやすい作家さんだなと思う。更に絵も格好良くて、大好きな作家さんの1人。『とんでもスキルで異世界放浪メシ』のアニメ化は嬉しいし、来月の新刊は待ち遠しいし、先日予約注文できた薄い本が届くのも楽しみ。

 

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