アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『後宮の烏』

全13話視聴完了。
中華系ファンタジー。絵が綺麗で丁寧に作られているなという印象。
ストーリーは、後宮の奥深くにある前王朝時代から存在する夜迷宮。そこに住むのは、妃でありながら夜伽をしない特別な妃、烏妃(うひ)。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物探しまでなんでも引き受けるという。普段、人と関わることなく、年齢不詳、その存在自体が謎多き孤高の存在だった。烏妃の名は寿雪(じゅせつ)。物語りは、その寿雪の元に皇帝である高峻(こうしゅん)がある落し物の持ち主を探すために訪れた所から動き出す。ずっと一人だった寿雪の侍女となった、元飛燕宮の宮女だった九九(じゅじゅう)を始め、次第に様々な人と関わる様になる。そして、後宮を中心に、幽鬼が関わる不思議な事件をその能力を使い次々と解き明かして行く。そして、次第にそれは歴史を覆す秘密を暴くこととなっていく。
主人公、寿雪の黒髪に黒い衣装に白く浮き上がる肌。赤を使った化粧。金色の飾り。単純に美しいなと思う。そして、その能力、髪に飾った大きな薄桃色に光る花を手に取り、息を吹きかけて発動させる術も綺麗で、思わず見惚れてしまう。あれは頭の花なのだろうか。急に元に戻るので、何処にスペアがあるのか気になって仕方がなかった。なんだか謎だなと。ただ、その存在やデザインの大人びた設定に対して、人と関わらず過ごして来た故の鈍感さというか、世間知らずさ、幼さのアンバランスさが見ていて面白かった。食いしん坊キャラも可愛かった。第1話で出て来た蒸したての蓮の実の餡の包子は美味しそうで、それに夢中になる姿は印象的だった。
第11話で「私は人と関わって弱くなった」という寿雪に「16の少女ということを思い出せ」という高峻は、鳥妃から解放しその運命から自由にしようとする高峻の気持ちが、単なる寿雪の不思議トラブル解決物語りの後ろで動いている物語の主体なのだろうなと。前半の高峻と恋愛関係になるのかなと思わせぶりな流れからの、奇妙な友人関係。どうなってしまうのだろう。
色々な思惑や暗躍があるのが前提なのだが、根本的にメインのキャラクターが優しいので、物語の舞台との違和感があったように思えた。最終的に比喩的表現で終わるのも、小さな物語は把握しやすいが、全体としてはじっくり見ないと難しいなという印象。きっとあの白い髪を黒く染めて、隠さなければならない血筋的問題も重要になってくるのだろうが、取り合えずなんとなく寿雪は前鳥妃から愛されていて、前鳥妃も寿雪の存在に救われていた所があり、寿雪には高峻がいる。それに留まって終わったのかなと。原作も面白そうだなと。
総表として中の中。

 

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