アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『お兄ちゃんはおしまい!』

全12話視聴完了。
深く考えなければ、可愛い絵柄に良く動く綺麗な画面で、愛らし女の子たちが楽しそうに過ごす日常系アニメでとても面白く、ゆるく観られるので良かったなと思う。が、ストーリーの根源的な部分に対して、個人的にちょっと気持ち悪さを感じてしまったので、素直にこれ面白いよねと言えないなと。
ストーリーは、ニートでおたくで自宅警備員だったお兄ちゃんである緒山まひろは、天才で飛び級で怪しい研究をする妹、みはりによって、ある朝、怪しい薬によって美少女とされてしまう。そしてその女の子の身体のまま生活することとなったまひろちゃん。気が付けば見た目と同年代の友人ができ、中学校にも通うこととなった元お兄ちゃんの、ゆるい百合要素ありな、日常コメディ。
もう、薬で女体化とか、みはりちゃんが常に家にいて研究している風がないのとか、両親が海外だとか、怪しい薬の治験のわりには、検査やら記録やら取っている風でもないなとか、どうやって学校に通えるようになったのだとか、子供だけで温泉旅行だとか、そういうファンタスティックな部分は全部ゆるっとまるっと受け入れられた。が、元成人男性で中身も成人男性であるはずの人間が、女子中学生とそのことを秘密にしたまま同じ更衣室を使い、一緒にお風呂に入ったり、お泊り会をしたりだとか、それってどうなのだろうかと。彼女たちがもしそれを知ったらどう思うのだろう。彼女たちに、決してその事実を最後まで秘密で通して欲しい。だとか、そんなことを常に思って見てしまった。可愛らしい絵柄でさらりと可愛い感じで描かれているけれども、もうそれってかなり酷い話しだよね。
女体化。生理が来たりだとか、結構ちゃんと女体化でびっくりした。もし、この新薬が開発実用化されたら、男性でも子供が産めちゃうじゃん。凄い薬だなと。気になるのは、まひろちゃんがそれを受け入れているのはその人間性なのか、精神が見た目に影響を与える薬なのか。お兄ちゃんはお兄ちゃんであることにコンプレックスを抱いていて、それを妹になることによって楽になったのだろうかとか。漠然と気になるシリアス部分と。
ただ、やっぱり絵が可愛くて、女の子の日常と言う名のお風呂にトイレに下着に美容室に友人関係の、日常生活。当たり前のようなことが当たり前でない風に描くのは新鮮で面白かった。主人公があんまり自分が男性であった頃のことにこだわりがなさ過ぎて、新しい生活を楽しんでいる分、素直に見られると言うか。あまりに普通で、最終話で急に温泉でチンコが生えて男性に戻ろうとした時に、お兄ちゃんはもうお兄ちゃんに戻りたいと思える要素がまるでなかったなと思ったり。
それにしてもまひろちゃん可愛かった。色々思う所はあるものの、この物語はそれに集約されてはいた。
総表としては中の上。

 

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