全12話視聴終了。15分アニメ。
なろう系出身ラノベ原作の、異世界転移の亜種。
主人公は、寝ることが趣味で、その趣味の為、出世などにも興味もなく定時退社を心がけるサラリーマン、北瀬一廣。彼には幼い頃から眠ると必ず同じ夢を見、そこでは剣と魔法のファンタジー異世界であり、冒険をしていた。ある日、夢の世界での知人のエルフさんマリーと遺跡攻略中に魔導竜ウリドラのブレスを浴びてしまう。異世界で死亡した場合、一廣は普段通りベッドで目を覚ますのだが、この時は一緒にいたマリーも同じ現実世界に来ていた。目を覚ましたマリーはこの不思議な状況を受け入れ、更には自分の知らない世界にも興味津々で。あれよあれよという間に、一廣とエルフさんの共同生活が始まる。
このまま現実世界でエルフさんが生活する日常物がが始まるのかと思ったら、眠るとまた異世界にも行けて、二つの世界が並行して進む。でもまさか、ブレスを吐いた魔導竜がおっぱいの大きなお姉さんになったのは驚いた。ここでハーレムになるのかと。
所々、ごはん要素を入れたいのだろうなというのが、遺跡ダンジョン探索をするのにお弁当持参でそれをエルフさんに振舞うことでわかるのだけれども、お稲荷さん。包まないタイプを食べているにも関わらず、皮に包まれている絵の相違がもう第1話から大丈夫かなと言う不安と、筑前煮などのおかずを素手で食べる違和感が凄かった。
第一話の導入として「人という物は不思議な面を一つくらい持っている。~中略~。顔は整っていないのに異性からもてたり。などなど。そんな不思議なことが僕にも」という主人公の語りで始まるのだけれども、これは主人公が眠ると異世界に行けるとか、異世界からエルフさんが現実世界に来ちゃったとかと同列に語れることなのだろうかということと、異性にもてることに顔の美醜がこの主人公にとって重要で他の価値観は不思議なことと理解することを放棄している人間なんだなと言うことがわかり、なんだか、穏やかで良い人風にも関わらず、個人的にいけ好かないキャラクターだなという印象だった。エルフさんが現実世界に来るきっかけとなった、魔導竜に殺されかけた時も、自身は目を覚ませば現実世界で無事だとわかっているが、一緒にいたエルフさんの安否については全く気にかけていない、自己中心というか他人に興味がないというか、なかなか凄いなと思う。創作物にルッキズムがどうの言う気はないのだけれども、こんな物語の主人公があからさまで大丈夫かと。エルフさんが美人さんで良かったねと。
所々、世界観の作り方が雑な印象だった。裸で転移したエルフさんの服を買いに行く時に、わざわざ専門店でサイズもわからないはずなのに大量に下着を買うシーンとか。ユニクロの方が買いやすいだろうと。そしてあのコスプレみたいな制服風衣装は何処で見付けてきたのだろうかと。主人公も、平凡なサラリーマンにも関わらず、都内でそこそこ広いお部屋に住んでいて、車も所有していると、実家から援助がある感じではなかったし、実は結構なエリートなのだろうかと。25歳で若いし。不動産でも持っているのかな。エルフさんが来て、ドラゴンが美少女化したウリドラも来て、家族が増えて、急に生活費や行楽費を使って大丈夫かと不安になるね。貯蓄していたにしても、あんな高級宿に泊まったり、じわじわと不安になる。後は図書館の司書さんが偶然に同じマンション在住で、急にそれを言い、食事に誘うのは自然な流れなのかと。そしていきなりフレンチ個室って怖いよ。そんなのナチュラルに受け入れる一廣も怖いよ。良い所の坊ちゃん感あるのに、あの、何とか払えそうかと思うような金額に、なんか、ちょいちょいこの作品、怖いね。そもそも起きている時も眠っている時も2つの世界でフル稼働って、休まる暇もないのも怖いし。何も考えず楽しめないよ。
個人的に好きだったのは、かつ丼を見てエルフさんが「おいしい。これは絶対に美味しいわ」と言うの良かった。かつ丼美味しいよね。後は餃子を食べた瞬間に美味し過ぎて飛び出した背景の謎の餃子のキャラクター。フォアグラののったステーキ。駅弁。崎陽軒のシュウマイ弁当最近食べていないなとか。お腹が減るね。
後は、一廣とマリーが地下迷宮を発見した後に、異世界のホールのような場所でお茶を飲むシーン、あんな風に地面に直接敷物を敷いてお茶を淹れて飲む中東風な感じは珍しくて、お菓子もなく単なるお茶だけなのに美味しそうだった。
第11話と最終話で一廣の実家へのご挨拶で、もう完全に結婚の報告なのかと。和やかに何事もなく良かったねと、お爺ちゃんご馳走用意して、お風呂に林檎も浮かべて、心尽くしが良かった。もうちょっとまめに実家に帰ってあげて欲しい。
総評として中の中。