アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『ガーリッシュナンバー』

全12話視聴完了。

千歳ちゃんは自覚的に可愛いのをわかっている子ちゃんだと思っていたので、LIZ LISAとか着ているタイプだと思っていたよ。あの玉子ファッションはないわぁ、と思っていたのに、のだが、今日、新宿ミロード行ったら似た柄のTシャツが売っていて、嗚呼、あれはお洒落だったのかもしれないとか。それを理解できない自分はやはりお洒落を理解できないのだなと。

まぁ、アニメの前日譚になる小説を偶然なんとなくなのだが事前に読んでいたので、アニメ、凄く楽しめた。千歳ちゃんを良く知らない状態でアニメを見始めたら、きっと、千歳ちゃんの可愛さがわかるまで、あの根拠のない自信に満ち満ち溢れた感じとか、勘違いっぷりとか調子乗りな感じとか、イラっとしていたわ。愛せなかった気がする。前日譚がまさしく前日譚としてその役割を果たしてくれた。

アニメも良いのだけれど、アニメってみんな可愛いので、顔面偏差値具合がわかりにくいけれど、文章で美少女と書かれると、それだけで惹かれる物がある。最も、千歳が実際に可愛いどうのではなく、その「ちーさま」という愛称がぴったりである様感。第6話の水着沖縄回。お写真撮った千歳に「どんな感じ?」と問う八重に間髪入れずに「うん。私、ちょーカワイイよ」と返す千歳。凄く好き。ちーさま。流石です。その返答に躊躇いがない。中々このテンポでこの台詞出て来ないよねと。ちーさま。でもって、第11話のこの物語り最大の盛り上がり。悟浄君に泣きながら心の内を吐露するちーさま。「皆すぐわすれちゃうよ」「みんなのためになんて頑張れない。わかっているよ自己満足だって。傲慢で性格最悪だって」「自分のこと好きでいたいもん。私のこと好きになってもらいたいもん」ちゃんと自己認識が出来ていて、不安で押し潰されそうな中でも「消えたくない。誰にも負けたくない」「ちゃんとちやほやされたい。私が1番じゃなきゃ嫌」という強さとか。嫌いになれないよ。その後の悟浄君の色々台詞の良いシーンで最後、「お前は凄いよ」にも「もっと凄いって言って」と返すの、素敵過ぎる。

トーリーは新人声優の烏丸千歳のデビューと初めてのヒロイン役での栄光と挫折。声優業界のなんとなく業界内っぽいお話し。でも『それが声優!『それが声優!』 - アニメ視聴否忘失録)』ほどガチでもなく。いや、でもそのデビュー作「クースレ」の作画崩壊が問題になって、作中に「絵が・・・」となっているのに、そのアニメ自体も特に手のサイズとスマホのサイズ感とか、背景とか、かなり狂っている絵が時折あって、そのあたりガチっぽかったよ。あまり気にしない性質だけれど、作画崩壊を話題にするアニメの作画崩壊って洒落になってないよねとか。

そう言えば、先日、見たアニメのEDが「イヤホンズ」で、まだ活動していたのねと思うと嬉しくなった。『それが声優!』のみでの活動だと思って、すっかり忘れ去っていたよ。

この作品、個人的に凄く好きだったのが九頭プロデューサー。外見も中身もちゃらくていい加減。そんな彼と意気投合する阿吽の呼吸の千歳のコンビは中々良かった。互いに自分一番感。よく似た感じで、第8話の万葉の実家である温泉に行くことになった会話とか、良かったわ。で、最終話の「売れちゃおう!気楽に」と叫ぶ千歳に「それが聞きたかった」と答える九頭プロデューサー。このアニメ、こういう会話のテンポ凄く良いよねと。一気に観られる。

そんな九頭プロデューサーは駄目駄目なのだけれども、なんだか千歳同様に嫌いになれない愛らしさがあり、更に言うならば、そんな九頭プロデューサーに振り回されて冷たく対応するようになって結果的に甘やかすことになっている十和田アシスタントプロデューサーが、個人的、BがLしているようで、勿論、九頭プロデューサーは受けで、それはそれで美味しく頂けた。良かった。また、そんな彼らの溜まり場になっているBAR560のマスターの謎感もまたそれにまた一味加えられて。最後の最後で煙草吸っているアップの画像、必要なの? 何かネタ仕込まれているの?? と。ちょっと謎だったけれど、なんだか所々見過ごせない物があった。

まぁ、面白く最後まで観たのだが、残念だったのは、なんか、まぁ仕方ないのだが、そんな千歳、ちーさまが普通の新人声優のごとく努力というか、普通に営業活動しているようになってしまったのがなんだか寂しくある。胡坐をかいたまま突っ走って成功して欲しかったと思ってしまう。

総評としては中の中。これは何も考えずさらりと面白かったわ。12話あっという間だったよ。

 

 

小説 ガーリッシュ ナンバー (1)

小説 ガーリッシュ ナンバー (1)