アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『潔癖男子!青山くん』

全12話+第1話応援上映に第8話のオーディオコメンタリーも視聴完了。

ちょっと青山君、病院案件ではないですかね。完全に精神的疾患で日常生活に支障をきたしているので、専門医の診断を受けた方が生き易くなると思うよ。そして、青山君が潔癖症であることをわかっているのにも関わらず、勝手にタオルのにおいを嗅いだり、ロッカー開けたり、抱き付こうとしたり、これって虐められているのでわなかろうか。凄く嫌だし、やる方も最低だよねと。

個人的に凄く苛々してしまった。よく最後まで見たよと、思う。ストーリーは青山君は潔癖症の男子高校生で、サッカー部のエース。汚れることが嫌いなのに、サッカーは好き。弱小サッカー部に所属しているが、青山君はサッカー上手くて全国大会に出ちゃうレベルだよ。青山君大人気でモテモテでキャーキャー言われているよ。それだけの青春コメディーなのだが、男子高校生の馬鹿なじゃれ合いというか、嗚呼、駄目だった。個人的に相性が悪い。演出が完全に滑っているように思えてしまう。あのレトロなEDも最初は良いけれど何度も聞かされると寒いなと。ストーリーも大半が1話の最後にちょっと音楽かけて格好良い感じでまとめれば良いような、嫌、言っていること普通のことだから。最終話の青山君がどこか行っちゃうかもも本人の自由でしかないし、財前さんの母親の件も、勝手に周りが創造して本人と話すとか聞くということをせず独りよがりで話しが進んで行って、気持ち悪い。

一番駄目だったのは、第10話の謎の多い青山君の家を突き止めようと、部員たちが尾行し、ある民家に入っていく青山君。インターホンを鳴らしたら出て来ないよと、勝手にドアを開け進入する財前さんたち。不法侵入ですよ、それ。ギャグということで許される範囲を超えて、と言うか、最初から笑えない。更にその家は別の人の家で、そこで食事をし、ごろごろ寛いで寝るとか、どれだけ厚かましいの、彼らと。どん引きだよ。でもって、その家の主である幼馴染のサッカー選手である伊吹君と、幼馴染の梢ちゃんの食事エピソードとか、酷いにも程がある。梢ちゃんと伊吹君のサッカーシーンとか、良い話風にしているけれど、馬鹿だろうと。好意に無頓着な感じが無理。

でもって第4話の青山君のクラスメイトの成田君が実は潔癖症を我慢していてという話しも、同じクラスメイトの不潔な女子がとか、体操服泥棒の濡れ衣を着せられてとか、こいつら自分のことばかりで相手がどう思うとか考えないのかな。学校とか教室とか閉鎖空間が自分たちの常識を形作って視野を狭くしているとか気付きもしないのかなとか。嗚呼、本当に駄目だ。話し合いもできない。思い込みで動く。本当に受け入れ難い。

そもそも、青山君の潔癖症は不特定多数の使うトイレ掃除をしてまで、自分が綺麗な空間でいたいという、何と言うか、イメージで作った安易な潔癖症な気がして矛盾が所々に生まれるため、薄っぺらいなと。いや、本当に笑いに消化できない、安易さがいっぱいなのと、お前も自分の意思とか考えとか言えよ。少しは上手くやろうとか思えや。何でそんな青山君がもてるとか、どれだけイケメン設定なのだよ。絵から伝わらないよと。因みに漫画も1巻のみ読んだが、同じ感想だったな。

総評としては下の上。久々に個人的に完全に駄目だわというアニメ。好きな人には申し訳ないが、最後まで見るなよと思うほど、苛々してしまった。

 

 

『異世界食堂』

全12話視聴完了。

とん汁にバターは卑怯だろう。絶対美味しい。味噌のふくふくとした懐かしさすら感じるよく馴染んだ調味料に、豚肉の甘い油、それに茸のつるんこりこりした食管と芳醇な香りに、様々なお野菜。それがバターに合わないはずがないじゃない。卑怯だよ。最強だよ。今年、絶対やろう。白菜が安くなったら、絶対、豚汁バター試さなければ。もう、最終回に何を出すのかと思えば、完全に私を魅了してきたね。

物語としては、異世界に週に一度土曜の日だけに現れる不思議な扉。それは「洋食のねこや」という老舗洋食屋に繋がる扉だった。異世界の様々な場所に現れる扉を通じてやってくる、生まれも文化も、種族すらもバラバラな「向こうの世界」のお客たち。「この世界で生まれる異世界と現代、食堂に集う人々と店主、そして料理との一期一会を描く、温かい出会いの物語り」と、基本的に1話完結で各話ごとに異世界の様々な登場人物を取り上げ、作品自体には主人公やヒロインがおらず、様々な視点で描かれており、共通するのは「洋食のねこや」で料理を食べるということ。また、お客さん同士が「ねこや」での出会いを通じて自分達の世界で新たな関係を築いていたり、個々の話しは独立しているにも関わらず、各話がゆるく繋がっており、全体像がちょっとずつ広がっていく。

細々と爪が甘い。例えば第3話の「チョコレートパフェ」の一番底に残ったブラウニーに上のアイスクリームが溶けて染み込んでいなかったり、第4話の「オムライス」のお持ち帰りしたオムレツの断面図が不自然であったり、第10話のクレープのサイズ感とか、まぁ、上げたらキリがない。

その上、1話につき2つのメニューを詰め込んでいるため、そのキャラクターの説明や心情と、料理を食べる。それだけで終るため、結局、食べていただけだよね。そして絵や演出が特筆してるわけでもなく、主に画面を見ていなくとも説明的な感想と台詞で、嗚呼、何が起きているのか大体わかる。そんな感じなので、真剣に見るというよりも、流し見位の感覚でお手軽。

見易い。なのにこの癖になる感じは何だろう。取り立てて面白いと言うわけでもなし。ここがという場面があるわけでなし。寧ろ背景とか小物とか縮尺も遠近法も可笑しくて、ちょっと気になるよ。にも関わらず珍しくリアタイで追い掛けて、更に何度か見返していたよ。平坦で特に盛り上がりも、感情を揺さぶることなく、そのお手軽感が良いのかもしれない。そして、ただ食べているだけ。まぁ、そうなのだけれども、美味しい物の前では皆平等なのだなと。それがこの作品の本質なのかもしれない。誰も彼も店に来れば、お客様としての振る舞いを守り、品格を欠かない。美味しい物をお腹一杯食べる幸せを知っており、どんなお客も店では、食べ物の前では平等で、その平等であるということをわかっている。だからこそ互いのお気に入りメニューが一番美味しいと同じ立場で言い争えるし、一緒に楽しむこともでき、それがこの作品の見方なのかもしれない。凄く好き。

個人的に一番好きだったのは第8話の「クッキーアソート」の回。「洋食ねこや」の給仕であるアレッタさんがサラの家でメイドとして働く事になったとき、サラの留守にサラの妹が尋ねて来て、自分の私物である店長に貰った凄く美味しくて大切に食べていたクッキーの最後の5枚を全てお茶菓子として出す所、そしてクッキー缶を手に入れてあげた妹も一緒に皆で食べようと惜しげもなく振舞う所。みんな、良い人。アレッタさん、めっちゃ良い子。もうアレッタさん大好きだわ。缶入りクッキーアソートとか嬉しいよね。自分だけのクッキー缶とか、自分、誰にも分けずに食べたいと思うよ。アレッタさん良い子過ぎる。まかないを食べるアレッタさん可愛い。

それと、店主がイケメン過ぎる。第1話の登場シーンとか、もう、男前だね。それなのに第7話の「チキンカレー」の回でクロさんが少女の姿になり、裸で扉を開けたときの店主の態度が乙女で可愛い。ギャップ良い。

個人的に食べ物系が好きで、漫画も小説もエッセイもたくさん読んでいるけれど、食べ物系アニメをチェックしているけれど、この『異世界食堂』は全然食欲を刺激しない。最終話の豚汁にバターでさえ、そうきたかと既存の豚汁のイメージとバターの組み合わせが新鮮であっただけで、作中の台詞や絵で食べたいなと思ったわけではなかったので、寧ろ珍しいなと。食いしん坊だけれど安心して見られた。

総評としては中の中。個人的には凄く好き。原作読みたい。これは原作の方が面白い気がする。

 

『サクラクエスト』

全25話視聴完了。

最後、泣くね。仕方ないよ。珍しくリアルタイムで毎週見ていたためか、一気に見るよりキャラクターに愛着が沸いたわ。最後、成長した由乃ちゃんが次の街に旅立つ姿に、嗚呼、それはそれで素敵な生き方だよね。そして、友達が出来て、其々の道を見付けて、応援し合えるとか、素敵過ぎる。大人になってそんなこと出来ちゃうとか、本当に素敵だよ。最後と、鈴原さんが亡くなった時、二回、泣いたわ。

花咲くいろは』『SHIROBAKO(『SHIROBAKO』 - アニメ視聴否忘失録)』に続く、P.A.WORKSの「お仕事シリーズ第3弾」とのことで、東京で漠然とした特別なお仕事に憧れて就職活動をしていた木春由乃は以前アルバイトをしていた派遣事務所からの以来で田舎町「間野山」の地方活性化町興しのため、バブルの遺産「チュパカブラ王国」の国王を務める事になる。そんなこんなの普通じゃないお仕事生活。

間野山観光協会のおっとり地元大好きお姉さん、四ノ宮しおり。元女優で一度は夢破れて地元に戻ってきた緑川真希ちゃん。商店街会長の孫である織部凛々子。田舎暮らしに憧れて東京から引っ越して来たWEBデザイナーの香月早苗。そんな5人の田舎に似合わない若い女性を中心に、観光協会会長の嘗ては若者で馬鹿者な門田丑松に、凛々子の祖母で商店街会長の厳しいけれどつぶらな瞳の千登勢さん。バスの運転手の高見沢さんを始めとする間野山青年会の人たち。謎の外国人サンダルさん。喫茶店を営む2児の母、アンジェリカさん。発明家のドク。などなど、魅力的な人々に、間野山という土地。

地方の過疎化という問題に、お饅頭売りから始まり、映画の撮影場所になったり、お見合いツアーをしてみたり、ゆるきゃらグランプリに、C級グルメを作ってみたり、地元テレビ局から「町興しガールズ」として密着取材を受けてみたり、劇団を作ってみたり、廃校痕を利用しようとしてみたり、お祭りを復活させてみたり。取り合えず、地方活性化町興しで思い付くこと全てやってみたみたいな。そして、それぞれの成長に繋がっているみたいな。

間野山、あるなら聖地巡礼したい。思わずそう思ってしまうくらい、間野山という土地を詳細に魅力的に描いていたなと。そして、キャラクターと同じように、その舞台に愛着が沸いたなと。

個人的に凄く好きだったのは、早苗ちゃん。他の子よりちょっと大人な感じで、東京に疲れ、田舎暮らしに憧れて古民家を借りて一人暮らしをするものの、虫が苦手で引き篭もり。なのに素敵田舎暮らしのブログを書いている姿。凄く好感が持てた。そして由乃ちゃんたちと一緒に暮らすシェアハウスとか、良かったねと。

もう一つ、謎の外国人サンダルさん。彼はアーティストなのかな。間野山で出会った曽祖父母というルーツを持つ金髪青年。片言風の話し口はナレーション担当で、前半はこの人何者だろう。モブ、ではないよね。ナレーションを担当するほど重要な役なのだろうかと。だが、回を増すごとにその自由で優しい生き方に魅了される。職務質問を受けても派出所でどくだみ茶でティータイム。絵を描いて、何処にでも現れて、良いなと。

サンダルと言えば、第四話の間野山彫刻の木彫りのサンダル。良いなと。木製で手彫りのサンダルとか魅力的だったよ。

それと最後まで思っていたのは、チュパカブラってインドネシアの方の謎生物だと思っていて、日本だったらツチノコじゃないかと。チュパカブラって口にした時の口触りが個人的に気に入っており、時折、口にしていたのだけれども、こういった形でその言葉を聞くとは思っておらず、繰り返し聞くと普通になってしまって、なんだか、少しだけ寂しかった。

総評としては中の中。間野山行ってみたい。そしてバブルの遺産って結構好きなので、王国がなくなったのは残念でならない。

 

サクラクエスト (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

サクラクエスト (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

 

『クロックワーク・プラネット』

全12話視聴完了。

スチームパンク? クロックパンクファンタジー? 1000年前に一度滅んだ地球を、伝説の時計技師「Y」が時計仕掛けで再構築した世界。絵柄の印象か、SFスチームパンクの格好良い感じというよりも、内容も世界をシリアス寄りにも関わらず、可愛い印象が残った。なんというか、兎に角、可愛い。レジンで小さな歯車とお花を合わせて固めたペンタントみたいな。

主人王の少年ナオト。偶然、拾ったYの作った美しき自動人形リューズを、その人並み外れた普段はノイズをヘッドホンで遮断している耳で修理をし、主人となる。その後、転載時計技師の少女マリーと出会い、崩壊寸前の地球を修復することとなる。

キャラクターの特徴として、とても可愛らしく、主人公も高校生という設定であるが、見た目は小学生と言われても受け入れられるような感じで、更にアンクルちゃんというロリっ子な自動人形も登場して、更に可愛らしく、だけれどもその中に登場する大人は大人で、特にマリーのボディーガードである強面のおっさんハルターとかきちんとした大人が登場していて、全てが可愛いだけでない安心感があった。ハルターさん好き。凄くつぼ。素敵だった。で、その上で背景や世界感が隙なく構築されており、嗚呼、この手の萌え絵のアニメ苦手なのよねと思って見始めた自分をぶん殴ってもよい位に、面白かった。最後まで見ずに判断しちゃできないね。まぁ、それが出来ないからこんなにアニメ見ているのだけれども。

最終的に、ナオトとマリーの互いにないもの強請りをしつつ、表裏一体。過去と未来。逆様。二人は表と裏。それが合わさって神になりうる。みたいな。互いが認め合い、共有する。全てが間違っていた。オーケストラの例え。今から言う事を全て聞いて忘れろ。矛盾は正論だし、、一個でも歯車が欠ければ動かないのが時計仕掛けなら、どうしてこの星は今も動いている。その第11話良かった。

個人的に、ナオトをパパ。マリーをママと呼ぶアンクルちゃんが可愛くて、そのお飯事感。その一方で、ナオトがリューズを嫁。アンクルちゃんを娘と言うの、凄く好き。あれ? ナオト一夫多妻制。そして娘安定の立ち居地。ナオトのアンクルちゃんに対する全てを受け入れてアンクルちゃんの自我を認める行動が、嗚呼、本当に良いパパだ。ナオト凄いわと。

総評として中の中。OP「clockwork planet」、ED「アンチクロックワイズ」共に作品に上手く噛み合って好きだったなと。

 

クロックワーク・プラネット1 (講談社ラノベ文庫)

クロックワーク・プラネット1 (講談社ラノベ文庫)

 

 

『GRANBLUE FANTASY The Animation』

全12話+Extra1視聴完了。

凄く良くできてバランスの良いアニメだった。良く出来すぎて、寧ろ印象に残らないという。だけれども、ここまでバランスの良いアニメってなかなかないよね。綺麗だし。凄いなと。

「グラブっちゃおうゼ!」「グラブルー」などのCMで、嗚呼、ソシャゲね。楽しそうだよね。ソーシャルゲームのアニメ化増えたよね。殆どやらないから、あまり知らないのよね。上から目線でアレですが、世界感、キャラクター紹介、全てが上出来で、これは面白そうね。やってもよさ気だわ、と思った。「君と紡ぐ、空の物語り」紡ぎたいかもしれない。

空中に浮かぶ島々で成り立つファンタジー世界。島と島は空を飛ぶ騎空艇によって結ばれ、それを操縦する騎空士達による冒険が盛んに行われている。ザンクティンゼルという小さな島に羽トカゲのピィと共に暮らす、グランという少年。失踪した父からの手紙にある星の島イスタルシアを目指し、ある日、突然、帝国から逃げて来たルリアという少女と、、騎士カタリナに出会い、故郷を旅立つことになった。グランたち一行には操舵士のラカム、魔導士の少女イオ、老兵オイゲン、謎めいた魔女ロゼッタなど多くの仲間が加わる。壮大な物語り。

男女比が偏らずに、ハーレム化もせず、年齢や種族などのバランスが凄く良かった。仲間が多いが、個々に寄り過ぎず全体で成立していて、皆が良い人で魅力的。個人敵意はオイゲンが好きで、いつ加わるのだろう。こんなごつめでおっさんなのに、グラン君と並んで同じ位の身長で意外と小さいなというの、個人的に萌え。それとラカムさんの大人っぷりが一々ツボった。

ただ、もうExtra1「もう一つの空」が最後に水着回。主人公がジータという少女バージョンで、グラン君の思い出が彼女に挿げ替えられている感が、最後に。ジータはジータちゃんで魅力的で、ジータとルリアの絡みとか可愛くて良かったのだけれど、女の子大目で冒頭の洗濯物を干すシーンのお衣装がどれも可愛くて。でも、グラン君もルリアとバカンスで水着回できてたら良かったなと。水上コテージでいちゃこりゃとか。グラン君も頑張っていたし。と思ってしまった。ただ、最後に目線を変えた総集編に近い別の物語りというのは凄く面白かった。

それにしてもよろず屋シェロさん可愛かったなぁ。最後のお洋服もめちゃくちゃ可愛かった。凄く可愛かった。その癖のある話し方とか、黄色い上着にかぼパン。可愛かった。好き。抱きしめたい。可愛い。

総評として、中の上。空に浮かぶ島ってラピュタっぽくて素敵。

 

『正解するカド』

全12話視聴完了。

日本に突然現れた四角い箱。それに飲み込まれた飛行機。偶然乗り合わせた外務省 連政策課の首席事務官である真道幸路朗とその部下である花森瞬。謎の正方形を前に、人類の前に突如現れたヤハクィザシュミナという青年と、人類の手にした新しい力。

ヤハクィさん。可哀想。そして随分、人間っぽくなったね。第10話目位から段々と思い込みが激しくなって、恋愛感情なども絡んできて、正直、キャラがぶれていた気がして、ちょっと付いて行けないよとなったよ。でも、嗚呼、でもその最後は本当に予想外で、悲しいねとはなった。

徭沙羅花さんが急にヒロインとして前に出て来て、更に、変身しちゃって、子供まで生んでしまうのには本当にびっくりした。いつ、そこに恋愛が生まれたとか。

花森君も、いくら仕事とは言え、16年後から娘連れて戻ってとは、仕事でもと、ちょっと可哀想になった。

と言いますか、そもそも主人公である真道さんですよ。あのクールな顔して、人たらしめがと。冒頭で花森君と飛行機の中での密着は、エリート完了BLむふふ。そして次は謎の青年ヤハクィさんの懐にずんずん入っていって、いつの間にかめっちゃ仲良くなって、もう、この男はというところでの、急に立ったヒロインとのフラグと子ができているって、もう、この男、人たらし。やばい。やりおると。ちょっと子供も可哀想だし。何だか、何がなんだか。

尤も、一番の見所はカドの移動だったなと。ただでさえ3Dと2Dの混同でキャラクターに感情移入し難い所での、急展開などで、嗚呼、となったけれど、カドの移動まではこれから何が起きるのだろうという期待感でいっぱいだった。

それにしても、人間の心が生まれた瞬間、あれって、ヤハクィさんやっぱり可哀想。凄く可哀想。悪い奴でもなかったのに。酷い寝取られ展開ですよ。可哀想。飲み屋で会ったら一杯ご馳走したいレベル。

総評としては中の中。

 

『月がきれい』

全12話視聴完了。

中学生同士の始めての恋。日常の中で揺れ動く甘酸っぱい気持ち。嗚呼、駄目だ。確かに「I love you をそう訳したのは、太宰だったか、漱石だったか……」そんなキャッチコピーで始まる、背景のきちんとした作品は面白いのかもしれない。所々、有名文学作品のフレーズをサブタイトルからふとした瞬間に詰め込んだ作品は、印象的ではある。でもそれはこの作品が印象的であったとは繋がらない。

個人的に、本当にこういった作品は一定需要があるだろうし、良く出来た青春群像劇ではあったのだけれども、さり気無さ過ぎてドラマ性に欠け、この不器用でもどかしい恋を自分はもう楽しめなかった。

まず、太宰が好きと言う男が好きになれない。更に、一見、引っ込み思案なのに、我が強いヒロインが好きになれない。面倒過ぎる。静かにそんな二人でお付き合いしているだけなら、まぁ、良い出会いをしたのだねと思えるのだが、正しく作中の「好きな人が自分を好きになってくれるなんて、奇跡だと思った」というフレーズは、本当にその通りで素敵だなとまでは思ったのだけれども、そんな主人公少年に片思いをするヒロインの友人とか、あえて付き合っているのを知りつつの確認と宣戦布告かという遣り取りと、それに友達だからと返すのと、嗚呼、無理。本当は性格悪いのではなかろうかと。もう、誰も好きになれない。自分にはこんな甘酸っぱ過ぎる、真っ直ぐに貼ったワイヤーを少しだけ指で弾く、決して切れない。そんな恋も愛も人生も、創作物として楽しめない。面倒なら面倒で、太宰ほど自殺未遂や薬物中毒に心中でもそこまで突き抜けて面倒な方が楽しめる。

最終回で遠距離恋愛になるのだが、小説を書いている主人公が小説投稿サイトにアップした物語を読むヒロイン。これは「小説家になろう」のサイトの宣伝かと思ったよ。更にその後、静止画で二人のその後のお付き合い、進学、就職、結婚、子供ができるまでを流していたのだが、もう、でき過ぎ。綺麗にまとまり過ぎ。間に入る懐メロとかもあざとく感じてしまい、素直に良いなと思えなかった。

作中、とても良かったのは背景。川越行ってみたいと思った。実在の神社や名物に、嗚呼、東京も適当に近いし、住みやすそうだな。良いところだなと。

総評としては中の下。良い作品ではあると思うが、凄く苦手だった。

 

「月がきれい」Blu-ray Disc BOX(初回生産限定版)

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TVアニメ「月がきれい」サウンドコレクション

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