アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『アキバ冥途戦争』

全12話視聴完了。
ネタバレあり。いつもここは個人的感想を書く場であり、ネタバレを気にする人はそもそも検索しないと思っているので、そういうことは気にせず書くのだが、今回は、確実に先に色々知ってしまうと、本当にあれがあれすぎるので注意書きしておく。
そして、ざっくりあらすじ。舞台は1999年の秋葉原。とある雑居ビルの1室にあるメイド喫茶「とんとことん」。メイドに憧れる普通の少女、和平なごみは、一緒に入店した破天荒クール系35歳の万年嵐子と新人メイドとして、無気力無能店長に、謎のパンダ着ぐるみマスコット、エースツインテメイドのゆめち、ギャルメイドのしぃぽんと共に「おかえりなさいませ、豚小屋へ」「皆様のおかえりをお待ちしておりましたブー」と、働き始めることとなる。そしてそんな2人の最初のお仕事は、ライバル店への手紙の配達。
第1話から凄かった。いきなりライバル店に喧嘩を売って、いきなりビンタからの、嵐子が紙袋に隠したあれでパァンって。クレイジーだと。コミカルな演出にいきなり圧倒された。そして続く銃撃ライブ戦闘シーン。放心と恐怖と正常値バイアスをかけようとするなごみと、紙エプロンと、歌とダンスと、残滅。あれは凄い。何度、繰り返し見たことか。もう、前情報なしで見始めたので、まさかこんな感じだとはまったく想像していなくて。そしてED。もう、これから何が始まるのかと思ったよ。
人が簡単に大量に死ぬ。メイドが冥途に行く。すぐにパァンっと打つ。あまりにバンバン死んでいくので怖いとかもなかった。何と言うか、もう、クレイジー。記号でなく、こんな普通に人がバンバン死んでいく作品って、なんだよ。と。無茶苦茶。そしてそれがもえもえきゅんと平行して最後まで続くという。
嵐子さんは格好良かった。最初の戦闘シーンから、ちょっと天然で規格外の強さで、特に第4話のバースディ回。「自分のことでは怒りません」「36歳、メイドに年齢は関係ありません」とか、そして最後の「楽しかったんです」の、まさかそんな死ぬとか、ええっとなたった。この作品はそこまでするのかと。もう、凄いよ。びっくりだったよ。
嵐子さんは終始格好良かったのだけれども、ラーメン屋の親父も最高に格好良かった。それも、嗚呼、もう。
メイド喫茶の、萌と抗争劇。
そして、一番ヤバいのが普通の少女のはずのなごみちゃんという。途中、姉妹の契りを交わしたメイドの死によって忍者になったりもするが、そりゃ忍者にもなっちゃうのも仕方ない状況かもしれないが、なんというか、もう、終始煽りよる。登場から最後の最後まで、彼女は気付かないことを武器に煽り続ける。凄かった。特に第8話の野球回。こういうの知ってる。おっさんとかでいる。まさにそれ。良い意味で酷いというか。どう言っても酷い。そして、最後の最後まで歌って踊って萌え萌えのメイドさんをして、「メイドは給仕ですよ」と普通のことを言って、ちょっと感動のシーンのようになっていて、まぁ、泣いたのだけれども、狂気だった。そしてそれを上書きするかのように、狂ったトップがなごみに打ち込んで、トップも打たれて、えぇ、そんな更なる狂気。クレイジー。こんな、こんな終わりになるだなんて、もう、誰も想像できない。最後の最後まで気が違っていた。やり切っていた。凄い。キチガっていた。凄過ぎた。
最終話のメイド喫茶のシーンなぁ。同じ言語を使っているのに会話の通じなさがなごみちゃんだけでなく、それを皆で命がけで演じている、よくわからないあれ。凄かったな。多分、あのシーンを忘れることはないと思う。可愛いと怖いは同居する感情なのだなと。
個人的に謎だったのは、なぎ様の衣装がなんでメイド服なのにどことなくロボットを連想させるのだろう。あのごつさはなんだろう。フレアーとレースなのに。そしてそれすら繰り返し見ると可愛く感じるという。彼女の行動は最後まで予想できなかったよ。
多分、もう何度凄いと呟いただろうか。兎に角、もう何と言うか全てが凄かった。正に度肝を抜かれるということはこういうことなのだと、突き付けられた。まさかそんなアキバでメイド喫茶で『仁義なき戦い』のパロディだとは考えもしなかたし、いや、私はその映画を通して観たことは確かなかったはずなのだけれども、それでもそう分かった上に、寧ろ今まで興味のなかったその映画を観てみたいなと思う程に楽しめた。凄い。こういうのを、パロディがオリジナルを越えた時だなと思う。
そんな作品を最後まで高クオリティで走り抜けて、音楽も、90年代から2000年代初頭のあの懐かしい曲調で欲しい時にちゃんとその曲が流れて、初めて聞くはずなのに、何処か懐かしかった。

こういう作品に出合いたくて、私はアニメを観ている。
総表として上の中。もえもえきゅんきゅん。

 

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