アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『舞妓さんちのまかないさん』

全36話視聴完了。
漫画の第1巻が出た時、折角京都で舞妓さんなのにあまりに普通なごはんにがっかりした覚えがある。京都ならでわのおばんざいなどの食文化が垣間見られることを期待したのだと思う。だが、巻数を読み進めるごとに、自分が勘違いをしていたことに気付いた。この物語が、舞妓さんという馴染みない京都特有の職業に就く特別であって特別でない普通の少女たちの日々と、それを支えるまかないさんをする少女のさりげない日常物語だと。
主人公は、舞妓さんの才能がなかったにも関わらず、一方でそれを支えるまかいないさんとしての才が開花した、料理上手なおっとりマイペースなキヨちゃん。そのキヨちゃんと舞妓を志して共に青森から京都の屋形に来た、努力家で真面目な100年に一度の舞妓になるかもしれない逸材と言われる、百はなという名で舞妓として店出しをしたすみれちゃんことすーちゃん。
アニメは、もう一人の幼馴染の野球少年ケンタが料理人を目指して京都に来ることとか、すみれの淡い恋心やら、3人の幼馴染という関係性が際立ち始める手前で終わっており、最初から最後まで穏やかな日常の10分アニメ。
そして、末にキヨちゃんと百はなと、突っ込み役の眼鏡姉さんの3人で登場した料理や食文化の豆知識「今日のまかない」があった。
本編のお料理はどれも美味しそうだったけれども、個人的に印象的だったのは、第26話のおうどん。キヨちゃんが風邪で寝込む市のおかあさんに前まかないさんだったおばちゃんに聞いて作った京風の甘く煮たお揚げと透明のお汁のおうどん。北関東出身としては、キヨちゃんのおうどんの汁が黒い方が馴染みがあるのだけれども、関西で過ごした学生時代に知った透明なお汁のうどんは衝撃的で、普段作るおうどんはすっかり透明なお汁になったのだけれども、やっぱり病気の時はお醤油とみりんで黒くて甘じょっぱいおうどんを作ってしまうのだよなと。
度々登場する青森の郷土料理も魅力的だった。イカメンチ。みそ貝焼き。ひっつみ汁。知らない物って更に魅力的になるよね。イカメンチは特に美味しそうだった。かきいもちはついお取り寄せを検索している自分がいた。それと青森だとけいらんとか、いつか食べてみたいなと思っている。
お雑煮は、京都の白味噌仕立ての丸餅も、青森のクルミだれも両方出て来たのは面白かった。
ご当地パンの回で登場したイギリストーストはシンプルに美味しかったな。そして温泉パンを紹介されたのは嬉しかった。温泉は使っていないけれども、温泉パン。そのまま食べても、薄くスライスして食べても、他にはないみっちりどっしりほんのり甘くて、大好き。色々な味もあって、クルミとキャラメルが特に好き。ずっと行けていないけれども、喜連川の道の駅で大量買いしてしまう。あまり何処かに紹介されたりしないので、今日のまかないでさっと名前が出た程度なのに、ついお取り寄せてしまったよ。美味しかった。そして思い返してまた食べたい。
キヨちゃんの作りおくクッキーも、大量に作るミートソーススバゲッティも、揚げたてドーナツも、ホットドッグも、甘酒も、もう、食べたい気持ちでいっぱいになるね。完全に食欲を刺激されて、もう、お腹が減る。今こう思い返してもお腹が減る。
穏やかで真面目なキヨちゃんとすみれの二人にも癒されるけれども、普段知り得ない舞妓さんがどんな日々を送っているのかもも面白かったけれども、ゴハン大事という前提が良かった。毎日お台所に立ち続けて、常に穏やかにいられるキヨちゃんが家にいたら最高だなと思う。ただ、京都の寒い冬に湯たんぽ抱えているのにも関わらず、常にショートパンツなのは気になるね。寒そうだった。
総評として上の下。毎週の楽しみが終わってしまった喪失感があるけれども、まだまだ漫画が続くのが楽しみ。

 

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