アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『サクガン』

全ep12視聴完了。
SF。娘と父の旅。でっこぱち幼女。夢の地を探す旅。なんだろう。皆が好きそうな物が詰め込まれ、丁寧に作られた作品だと思う。画面は綺麗。安定し面白かった。が、これぞという場面やキャラクターがないというか、とても良くできたアニメだけれどもフェチズムに欠けるという印象。面白かったけれども、よく出来過ぎているからこそ印象に残りにくいなと。
ストーリーは、岩盤に隔てられたコロニーで暮らす人々。その外にある危険な未開拓地であるラビリンス。そこを開拓し、地図を埋めるマーカーと呼ばれる存在。主人公はマーカーを目指す、僅か9歳にして大学を卒業した天才少女メメンプー。そして、その父である元マーカーであるガガンバー。極彩色のネオンとスモッグに覆われたピンインというコロニーでワーカーとして暮らしていたが、突如現れたカイジュウに襲われ、昔馴染みで共に旅に出ようと約束したマーカーの親子であるウォルシュとリンダを失ってしまう。そしてガガンバは倉庫街に隠していたボットでカイジュウに立ち向かい、そして、娘を旅立たせるのではなく、共に旅に出ることを選択する。
目指すはメメンプーの夢の中に存在する未知の土地。
賢い娘と馬鹿な父親。無鉄砲で頭でっかちな娘と経験を積んだ大人の父親。そんな2人の旅に、ガガンバーと因縁のあるザクレットゥという昔の仲間の妹と、ハッキングを得意とする不良少女少年団のリーダーだったユーリが加わり、更に管制局の職員でエリートなメローロも関わって、賑やかな旅路となる。
途中、第8話。ガガンバーの元仲間の死と言う過去と、共に旅をしていたザクレットゥがその弟と発覚し、行き違いやあれやこれやで命を懸けた打ち合いに、完全に死んだか、消えたのかと思ったガガンバーが次の第9話で結構普通にまた一緒に旅をしていたのは、あの喪失感とか、悲しいと思ったのとか、何だったのかと、ちょっと納得はできなかった。
そして、最終話で明かされたメメンプーの出生の秘密。最終話だよ。前振りあったのか、なかったと思うか。ガガンバーと血が繋がっていない、にじの子という存在だと発覚して、急展開。でも親子の絆はそんなこと関係ないよと。また旅に出るよと。
「今ならまだ夢のまま終われる」「だって私は賢いんだ」と泣くメメンプーに「お前はガキだ」「お前の旅を見届けるって決めたからな」と。感動のシーンのはずなのに、なんだろう。用意された場面過ぎて、上手く感情がのせられなかったよ。ただ、やっぱりよくできていたなとは思った。自分がもっとひねくれていなければ良かったのかもしれない。
印象的だったのは、名前。メメンプー。ガガンバー。ザクレットゥ。メローロ。文字にするとわかりにくいのに、声に出すと意外と言いやすくて耳心地が良い名前だなと。他に聞かない音で面白いなと思った。
途中、メメンプーがあまりに子供で自分勝手だなと思ったが、子供なんだよね。最終的に最後までちゃんと子供で、父親が見守っていて、なんだかそれが良かった。
総評として中の上。

 

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