全13話視聴完了。
完全体感型VRゲームの世界から出られなくなっちゃった。ただ、それはプレイヤーではなく、ゲーム会社のデバック業務をする社員たちだった。
物語はとある平和な小さな村に突如ドラゴンが現れたことから始まる。主人公は王様から任命された調査隊、王の探究者シーカーを名乗る、ハガ。彼は実はこの世界がゲームであり、そのバグを探すデバック業務を担う株式会社ニシマテックの社員だった。そんな彼が助けた村娘の二コラ。そして毎日の閉鎖的な平和な生活の中から、ハガに憧れ、外に行きたいと望む彼女は、実はドラゴンに村が襲撃された際に死ぬ運命であった。突如発火して死んだはずだった二コラ。しかし、何故メタAIテスラの人格を持ち、を持ち再びハガの前に現れた二コラ。ハガはそんな二コラと共に旅に出ることとなる。デバックストーンを使いデバックを報告する。デバックモードというチートは使ってはならないことになっている。しかし、ゲームから出慣れなくなったデバッカーたちは次第にゲーム内で好きに過ごすためにデバックモードを使う者なども現れ、完全な無法地帯となっていく。そんな中で、黙々と業務を忠実にこなすハガは異質な存在だった。
デバック業務を請け負う会社は他にもあり、アソビング株式会社は社長を頂点とした無茶苦茶な会社で、その社員たちもゲーム内で自分の欲を優先していた。テスラの指示の元、そんな社長たちからデバックストーンを奪おうとしたり、また、アソビングのアルバイトで漫画家を目指していたアマノは脚の不自由なNPCの為に漫画を描き続けていたり、株式会社エンタメイションの社員たちはテスラの弟であるアルバの庇護の元で「この世界の住人として自然に生きる」という信仰を持っていたり。
登場人物が多い。そしてゲームの中に閉じ込められたという状況でそれぞれがそれぞれの考えの元でコミュニティーを築いている。現実社会の常識が取り払われた極限状態でむき出しになる人間性は決して善し悪しの二択ではなく、何とも言えない後味の悪さがった。わかりやすかったのは、アソビングの社長。ゲーム内でチートでやりたい放題したけれども、結局は退屈を感じ、妻と娘のいる現実世界に帰りたいと望んで消えていく。単なる悪人で終わらない。ハガも真面目に仕事をしているが、それは決して良い人というわけでもなく。唯一善人に見える二コラは、単なる無知であるだけではなかろうかと。これが物語の途中で、何も解決しないままの最終話だったので、本問いに後味の悪さだけが残り、これからどうなるのだろうと。でもきっとすっきりはしないのだろうなとう予感だけがあった。第二期作るのかな。決まっていないようだったけれども。これだけキャッチーな要素もなくすっきりしない内容となると、どうなのだろう。ただ、この物語の落とし所だけが気になる。せめてもうちょいきりの良い所で終わってもよかったのではなかろうかと思わすにはいられない。
二コラちゃん、『ゴールデンカムイ』のアシリパさんと髪の色も同じでお衣装もちょっと似たシルエットで同じようなサイズ感で、型番違い風だなと思った。
総評として中の中。