アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『悪偶』

全第12曲視聴完了。

センスのない作品。それが一番の印象だった。絵が崩れているであるとか、構成がどうのであるとか、そんな細々を全部ひっくるめて、悪趣味というのではなく、兎に角、センスがない。あと、突っ込み所が多過ぎるのが、ちょっとどうかと思った。

まず、主人公である愛ちゃん。平凡な少女で、どこにでもいるダンサーという触れ込みなのだが、まず、バレエダンサーという職業が特徴的で平凡性がないだろうと。その上、第1話の登場シーンの紹介で、うっかり無意識に何処でも180度開脚しちゃうという、謎のキャラ設定があるも、その後、まったく登場せず。本当に意味がわからなかった。

まぁ、そんな感じで始まったので、大した期待もなく見始めたのだけれども、世界感の設定が面白かった。多種多様な人間が溢れている中、その頂点に君臨するのは一握りの天才と呼ばれる人間である。そしてその天才の大半は禁忌の術により掌サイズまでされた天才たち「悪偶(あぐう)」という人形を体内に縫い込むことによって才能を手に入れ、天才になりすましている偽物であるという。悪偶を持つものは誰でも天才になれ、本物の天才は裁縫師によって悪偶にされてしまうという。そして、悪偶を開放しようし、裁縫師と代々対立してきた救済者と言う存在。

愛ちゃんは親友である天才的なバレエダンサーの町ちゃんがそんな悪偶によるものだと知ってしまい、町ちゃんは色々あって裁縫師クリスティ・ロスとなり、愛ちゃんはそんな町ちゃんを救うために救済者になるのだけれども、という物語り。

愛ちゃんの自分本意な正義感と、町ちゃんの彼女なりに大切にしていた親友愛ちゃんから受けた裏切りと、視点の変更でどちらも悪者になりうるというのが一番面白いところだった。そして、それが物語りの本筋でありながら、気が付けばエルバトという裁縫師と天性の天才である少年、李白綿の戦いに挿げ替えられており、物語りが二重三重と平行して進行していく感じは新鮮だった。あとは、李白綿の天才さが陳腐で、言い方が悪いが、馬鹿が書いた天才感はちょっと笑えた。

前提として、中国アニメというのを知らないと、見るのきついかもしれない。原作が中国の漫画。『霊剣山(http://sobraniepinks.hatenablog.com/entry/2016/04/05/003049)』シリーズに引き続く、テンセントとスタジオディーンによる合作プロジェクトらしい。やはりその国特有の思想であったり、常識であったり、文化生活などは、日常からの物語には絶対的に現れるので、日本のアニメだと思ってみると違和感というか、戸惑いは生まれる。何度か書いたが、一族、血に対する捉え方が特に大きいかなとか。ただ、この点はとても興味深くて、違うからこと当たり前に描かれていることが、個人的には凄く面白くて好きだなと思う。

総評としては中の下。OPの曲だけが可愛かった。

 

prima dynamis

prima dynamis

 
第1曲 『序曲』

第1曲 『序曲』