全12話視聴完了。
面白かった。ウサギ可愛い。動きが可愛い。にゅるにゅる動く。気の強い性格でころころ変わる表情がとても合っていて、滅茶苦茶可愛い。というか、オオカミ後輩の子もだけど、女の子の動きが全体的に可愛かった。
動物のキャラクターで青春群像劇。擬人化ほのぼの物語ではなく、肉食獣と草食獣がともに生活し共存をする、食肉が重罪となる世界を舞台に、己の持つ本能と理性とヒレラルキーとの葛藤みたいな。「彼女を求める気持ちは、恋なのか? 食欲なのか?」
全寮制の名門高校・チェリートン学園。主人公は演劇部の変わり者、ハイイロオオカミのレゴシは大きな身体と鋭い牙を持つ肉食獣にも関わらず、常に背中を丸めて己の力と本能に疑問を持ち、葛藤し続けていた。そんな彼が出会った、小さなドアーフウサギのハルちゃん。レゴシの求める気持ちは恋なのか、食欲なのか。
第一の見せ場は、とある生徒が食い殺された食殺事件をきっかけに、不安渦巻き、肉食獣と草食獣の確執が広がる学園。大きな光の下で輝く、演劇部の花形役者でカリスマ的存在、次期ビースターと噂される、大きな瞳のアルシカのルイ。負傷したルイの代役として主役を務めることとなったベンガルトラ・ビル。そしてビルの代役として、今まで大道具、照明係として舞台裏を支えていたレゴシが舞台に上がることとなった。本番を前にウサギの血でドーピングを図るビルと、それに激昂したレゴシのやり取り。
第二の見せ場は、隕石祭というお祭りの準備の最中、ルイとハルの関係を見て己の恋心を自覚するレゴシ。
最後に、一番の盛り上がりは、隕石祭前日に犯罪組織シシ組に誘拐されたハルを助けるために、肉食獣のための裏市で働く心療内科医のパンダのゴウヒンと共にシシ組の本拠地に乗り込み、ハルを助けた所。
この物語が一筋縄ではいかない所は、シシ組のボスの息の根を止めたのは、レゴシの後を追って来たルイであるということ。助けたハルと終電を逃したレゴシはその後、ホテルに行くも、いざ、行為をしようとしたら、ウサギの本能でオオカミに食べられようとし、何もなかったということ。このまますんなりハッピーエンドとはならない面白さがあった。
また、レゴシに恋心を抱くジュノとハルのキャットファイト、どちらも猫じゃないけれど、女同士の裏を孕んだやり取りは面白かった。特に階段でのやり取り。匂いを嗅ぐジュノの百合感は、レゴシとハルよりドキッとしたよ。それと、パンダ最強。唯一の大人がちゃんと格好良い。
凄く面白い作品だと思う。先に原作の漫画をちょっと読んでいたのだけれども、やはりとても面白かった。動物擬人化ということで、若干、手に取り憎さはあったのだけれども、それでも一度視聴を始めたら、読み始めたら夢中になってしまう。が、何か今一つ感。魅力的なキャラクターたちなのだけれども、推しが作れない。これというピックアップがない気がする。なんというか、色気が足りない。ハルのセクシーシーンも、レゴシとハルのキュンな感じも、充分に用意されているにも関わらず、ときめけないという。余白がないというか、足りないのが原因か。全体的に均一でストーリーと見せ場が作られており、絶え間なくストーリー心情共に動き続け、遊ばせる余裕がないというか、ためがないというか。あと一呼吸開けるか畳みかけるかしたらもっとドラマチックになるだろうにと。個人的好みだけれども、とても面白かっただけに惜しいと思ってしまった。
最近の漫画は電子の影響か、分析研究されて作られているのか、こういう均一な作品が増えた気がする。見やすいよね。安定して楽しめるよね。でも、たまに対極のような『進撃の巨人』とかめちゃくちゃ間で見せてくる理解不能な作品があって、身悶えしたりもするよなとか。
第2期が来年放送ということで、とても楽しみ。
総評として上の下。