アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『マイホームヒーロー』

全12話視聴完了。
『週刊ヤングマガジン』の漫画原作。これで終わりかと思ったら、まだ連載中だった。サスペンス。
主人公は、真面目に生きて妻と大学生の娘と一軒家を持つ主人公、会社員で営業をする鳥栖哲雄。ある日、実家を出て1人暮らしをする反抗期の娘、零花に会うと、彼女の顔には殴られた痕があった。何も言わない娘を心配し家を訪ねると、そこには娘の彼氏で、半グレの麻取延人がやってくる。哲雄は娘を守るため、麻取延人を殺してしまう。そこから昨日まで平和だった日常は一変し、己と家族を守るため趣味の推理小説を活かして、偶然、部屋を訪ねて来た妻の歌仙と共に、その死体を隠し、裏社会の彼の仲間たち相手に殺人を隠蔽することに奮闘する。
麻取延人の失踪の状況から、哲雄が彼を殺したのではないかと疑い、自宅に盗聴器を仕掛け、拉致し、尋問をし、更に半グレ実行部隊の青年である間島恭一に一週間以内に延人を発見できなければ殺すと脅されたりと。ギリギリの騙し合いと暴力と脅迫と。最終的に哲雄は恭一を犯人に仕立てることに成功するが、逃げ延びた恭一によって、延人の父親でちょっと頭のネジが飛んだ凄腕詐欺師である父親である麻取義辰に哲雄が延人を殺したことを暴露する。
最終的に、零花の部屋で父親同士の殴り合い。それでもって、義辰を殺し、彼を山中に埋め、家に帰る所でアニメは終わる。
何と言うか、何処にも同情も感情移入もする箇所がない上に、キャラに特別な魅力があるわけでもなく。常に追い詰められたようなシーンが続き、息つく個所もないので、大変疲れる作品だった。
もっと、どうにかならなかったのかと思わずにはいられないし、最終的に行き着くところもわからないし。何より、娘。あんな彼氏に惹かれた娘にもっと責任があったのでわないかとか。そこ、ノー突っ込みなの、なんか、気持ち悪い。娘贔屓が凄いと言うか、妄信的なのか。殺す前にやることあったのでわとか思わずにはいられなかった。最後まで娘には何も知らせないでということなのだろうけれども、それにしたって、それで良いのかと。
一番気になったのは、あんな頑張って最初の延人の死体は隠ぺいしたのに、義辰の死体は一番足の付きそうな方法で済ませて、何もないはずないよなという所が第二部に続くのだろうなとも思うけれども、それでもなんだかすっきりはしない。
何と言うか、これで罪の意識を持ちながらも、家族を守ったと、一見すると平和な日常を淡々と過ごすことが幸せなのだなで終わるというのは、後味は悪いよねと。でも個人的には、自分の家族は大事だけれども、それ以外は他人で、優先すべきは家族という価値観がはっきりしている上に、逮捕も死にたくもないという主人公の一貫したスタイルは、そこに偽善も何もなく、ありそうでない他であまり見ないキャラクターだったので印象には残ったなと思う。また、妻の歌仙さん。マンションの屋上から非常口を使って縄梯子で下に降りてとか、アクションが格好良いし、下剤入りの珈琲をしれっと出すし、機転が利いて行動力があって、何者だよという。普通のおばさん風なのに、「お祈りを」と自然に出て来る言葉が底知れぬ怖さがあった。
12話、ちょっとしんどかった。疲れた。ただ、物語の顛末が気になって見たけれど、最終的に、全て終わって帰るはずだった哲雄のために用意したご馳走。お寿司。一晩、常温で置いちゃ駄目だよと、そんなことを思って終わった。
総表として中の中。面白い物語ではあるのだろうけれども、個人手にはとても苦手な作品だった。多分、漫画で読んだ方が自分のペースで読めるので良い気がする。

 

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