アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』

全13話視聴完了。ゴジラプロジェクトで完全新作TVアニメシリーズ。
印象としては、『アイドルマスター』のアニメだよと『アイドルマスター XENOGLOSSIA』を観せられた感じ。個人的にはセノグラシアはとても良かったし、好きだった。
ゴジラを知らなくても楽しめた。そして、色々よくわからなかったけれども、それでも楽しめた。思うに、4回位観たらちょっとわかって、多分、その4回とも楽しめる作品だと思う。そしてゴジラを知っていたらもっと楽しめるのだろうなと。そんな奥行きのあるアニメ。でも、まぁ、自分としては1回観て、よくわからなかったけれどそれなりに面白かったから良かったと。
ストーリーは、人類に訪れた未曽有の脅威、時空が歪んで怪獣が現れる。それに立ち向かう女性研究者、ラフな眼鏡っ子のカミノメイ。そして見た目『銀魂』銀さんを理系にしたような男性研究者のアリカワユン。2人の若き天才がその頭脳を用いて周囲の者と協力しながら、世界の破局を回避すべく、奔走する。
見易かった理由として、表情豊かな可愛らしい外見のカミノ博士と人工知能ロボのベロ2のコミカルなやり取りがあったと思う。他にも、一筋縄ではいかない使い捨てられないらしいキャラクターたち。
全体的にとても計算されて、作り込まれた作品だった。
SFは哲学にもなりうるのだなと。SFって苦手意識が先に立つけれども、意外と悪い物でもないね。
総評として上の下。

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『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω』

第2期全10話視聴完了。

第1期→『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』 - アニメ視聴否忘失録

ゲーム内の姿で異世界転移。コミュ障故に魔王の演技なら話せるぞという間にあれやこれやとハーレム構成主人公、ディアヴロ様。今期は、新たなおっぱい要員、聖騎士に追われた教会の大主神官であるルマキーナに神様と勘違いされる所から物語が始まる。

神様も魔王も紙一重だよね。

教会の腐敗のあれやこれやに首を突っ込むことになり、悪魔のあれな儀式に遭遇したり。メイドロボのロゼ、冒険者のウサ耳ホルンちゃんらが新たに加わったり。

ディアヴロ様の童貞へたれ対応にも関わらず、ちょいエロのご都合主義のハーレム展開。個人的に、ぶっきらぼうながらも誠実なディアヴロ様。褐色銀髪のビジュアル的好みも相まって、好感度は高いのだけれども、どうにもこうにも衣装が気になってはいる。

第1期に引き続き、襟開き広めの全身タイツ風のインナーに鎧。こんなに胸を出すなら、ヒロインを見習って、胸を貼っておっぱい推しで行こうやと。じゃないないなら、何故こんなに胸を出すのか。身体を張って欲しい。いっそビキニアーマーか、或いは魔王らしく露出を限界まで抑えて欲しいなと。それにマントがないと、素肌に直鎧っぽくて見た目よろしくないなと。急所見せすぎ。後は、髪型も中途半端ではあるのだよね。魔王だよね。こんな大量生産されたチャラ男風な髪型ではなく、せめて長髪とか。基本的に魔王に対する解釈違いはあるなと思う。

総評としては中の中。

 

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『聖女の魔力は万能です』

全12話視聴完了。
異世界転移と言う名の強制拉致。個人的に異世界転移転生女子向けの流行の先駆け的作品だったのではないかなと思っている。最初の方に読んだからかな。
ストーリーは、仕事中毒なOLセイは突如聖女として異世界に召喚されてしまう。が、召喚されたのは2人で、首謀者である王子はセイには気付かず、一緒に召喚られた女子高生アイラに夢中。そこでセイは植物が好きで詳しかったのを活かして、薬用植物研究所で職員として働くこととなる。そしてセイの作るポーションは5割増しで、聖女としての能力を発揮することとなる。騎士団長アルベルトの命を救い、宮廷魔道師団で魔法付与を行ったり、回復魔法で魔物討伐で負傷した騎士たちを救い、本物の聖女であることが判明する。そしてセイは瘴気に覆われ魔物が大発生する国を救うこととなる。
偉大な功績を成してどうのこうのというよりも、自立した職業婦人としても成功し、綺麗になって、キラキラ王子様も現れ、もう理想的だよね。控えめで知的で落ち着いた話も分かる主人公とか好感度高いよね。個人的には主人公の社会性が高くて凄いなと。ちょっと残念だったのは、セイのビジュアルが綺麗になるのは良いのだけれど、冒頭の眼鏡も可愛くて好きだったなと。でも異世界効能で目が良くなるのは良いね。目が悪いと不便。
異世界スローライフとあるが、スローライフ感はなかった。ただ、常にマイペースで己を見失わないのがスローライフなのかもしれないなと。
先に漫画を読んでいたので、アニメのカラーで見ると乙女ゲームっぽいというか、特にカイル王子の配色は派手。
聖女だと思われていたアイラちゃんも、アニメのカイル王子も、なんだかんだで嫌な人間が出てこないのはとても見易いね。薬用植物研究所の所長なんか、いい人過ぎて安心感が半端なかった。
総評として中の中。続き楽しみ。

 

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『蜘蛛ですが、なにか?』

全24話視聴完了。

なろう系。異世界転生。蜘蛛に転生した女子高生がダンジョンの中で、人間のゲーム好きだった記憶と知恵で、ポジティブに生き残るため頑張っちゃう。と、それと同時進行で、同じクラスメイトの少年が人間の王子に転生し、勇者として己の環境の中で悩みあがくという物語りが繰り広げられていた。別視点の2つの物語りがちょっとずつ交差して、蜘蛛と人間、面白そう。

メインは蜘蛛パートで、可愛い女の子もイケメンも出て来なない。その上、前半は背景もほぼ洞窟内で暗く、派手さは全くない。正直、これはどうなのだろうと視聴を躊躇ったのだが、サクサク見られて面白かった。3Dと2Dのバランスが良く、動きが綺麗。絵が直接動いていないのに、臨場感がある。なんだろう、構成が良いなと思う。そしてテンポが良く、作中はほぼ蜘蛛のぼやきなのだけれども、飽きないのは声優さんの力も大きかったかなと思う。個人的に、『幼女戦記』が好き過ぎて、悠木碧さんに好感しかないのもあるのかな。高い声なのに、耳障りにならないのと、シリアス展開でも深刻になり過ぎないというか。

モンスターに転生、『転生したらスライムだった件』くらいしか他をしらないので、なんか新鮮だった。それにしても蜘蛛に転生は過酷だよ。よく気がふれなかったなと思う。逐一、よくそんなにも頑張れるなと思ったが、前半ラストの地龍との戦いなんか、蜘蛛VS龍って、考えたことなかったよ。びっくりした。蜘蛛ちゃんの生への執着、改めて口にされると泣きそうになるなと。

世の中には全く全然想像もしたことのない物語がまだあるのだなと、改めて己の世界の狭さを思い知らされたよ。もっとアニメも漫画も小説も読んだり見たりしたい。

と、第13話まで一気に見て洞窟の外に出て蜘蛛ちゃんの冒険はまだまだこれからで終わるのかなと思って、続けて2クール目放送と知って、時間差で視聴。

後半は前半に比べての人間パートが多く、これが蜘蛛ちゃん単体ではなくクラス転生でことが判明し、勇者であるとか、国や種族同士のあれやこれや、それぞれの思惑。まぁ、ちょいちょい複雑化するのですよ。転生の謎とか色々判明したり世界がつながったりする面白さはあるのだけれども、蜘蛛ちゃんが単純明快思想で苦境に屈せずコミカルに話しが展開して面白かっただけに、対極な印象。

最終的に蜘蛛ちゃんもアラクネの姿で人型をゲットして、魔王と停戦し、仲間になって、なんだか物語は一区切りはしたものの、まだまだ物語は続くので、続編作って欲しいなと思う。この蜘蛛ちゃんと周囲との温度差のある交流が気になる所。と、いうか、前世の人間の時ってどうだったのだろう。それをどこまで引きずるのだろうとか、これは最終的に何処に向かって終わるのだろうとか、最後まで見届けたい作品だなと思った。

総評として中の上。

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『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』

全12話視聴完了。

ゲーム没入型で、チート物ではなく現実世界のスキルを再現した、作中曰くクソゲー。ただ、主人公がトラウマを抱えながらも、なんだかんだで努力家で元優秀な陸上の選手だったのが反映されている。

主人公は時代遅れとされるフルダイブRPG好きな高校生男子ヒロ君。最新作のゲームを買うはずが、ひょんなことから風変わりなゲームショップのおっぱい大き目綺麗なお姉さんレイナによって、「極・クエスト」というリアルを極めた、リアルな出来栄えの、それ故にクリア不可能な極めて面倒なゲームをプレイすることとなる。ゲーム開始直後に、親友であるマーチンを殺してしまい「親友殺し」の不名誉な称号を得、幼馴染の可愛い女の子であったマーチンの妹アリシアに命を狙われ、同じ数少ないいリアルプレーヤーで同じ称号を持つギンジに騙され、異端審問官のミザリサに拷問されて気に入られて、何度も挫折しながらもレイナに言葉巧みに誘導されたりしつつ、難しいからこその達成感に酔ったりしつつ唯一このゲームをクリアしたカムイの作った攻略サイトを観つつ、ゲームを続ける主人公。

殴られれば痛く、怪我をすれば数日は治らず、挙句ゲームオーバーはゲームのハード機ごと壊れるというストレスフルなゲーム。俺たちの戦いはまだまだこれからだエンドなのだけれども、リアルを反映するゲームだからこそ、ゲーム中の成長はリアルの成長でもあり、なんだろう、リングフィットに似た感じ。レベル上がれば、筋力がアップしていたし、ゲーム外の現実で鍛えるとゲーム中の攻撃や動作がちょっと楽になったりとか。

ただ、兎に角理不尽。現実も理不尽かもしれないけれど、こんな嫌な部分を悪意を持って再現しなくても。観ていて不愉快以外何物でもなかった。

ノリ突っ込みでコメディ調に描いていても、あまりに自虐や痛々し過ぎたりして笑いにつながらず。サポートキャラであるはずの妖精のレオナさんも、サポートではなく、あくまで己の自分勝手な欲望を満たすためにそこにいるに過ぎず。大人であるはずが大人としていないにも関わらず大人のふりをしているような。これは何処に楽しみを見出したらよかったのだろうか。

そもそも、主人公が持つトラウマ、高校最初の陸上大会でおもらしをしてしまうという、それでも部活を辞め高校に通っていた主人公偉過ぎでしょという。その原因も元オリンピック選手でスポーツライターの人にレース直前に期待しているよって言われてトイレに行きそびれてって、何もそんなプレッシャーかけなくてもとか、選手だったのに、選手の気持ちとか考えないのとか、もうそれが理不尽だったり。そして更にゲーム中でもおもらしを重ねて、レノナさんもそれをしつこくからかって。笑い飛ばすことが優しさになる時もあるけれども、それでもこれはあまりに酷いなと思わずにはいられないし、下ネタというほど消化されてはいないし、単に下品な印象ばかりが残った。

後は、ゲームと現実のバランスが悪いなとか。主人公をカツアゲしていた人たちの引くのも、そんなさらっとひいちゃうのとか。フルダイブRPGが時代遅れと言われる根拠もあまりないな。

個人的には、主人公がリアルでのストレス発散のためにゲームをしているのに、ゲームでもこんなにストレスがかかったら、逃げ場もないし、壊れちゃわないかと勝手に心配になったが、まぁ、主人公、実はかなり強かったよね。もう、ゲームで現実逃避という共感は何処にもないなと。いや、主人公は最初からゲームはゲームとして楽しんで、現実は現実で切り離した考えの人間だったからこそ、マーチンを所詮NPC。だけどゲーム中では生きていたということが目から鱗的にあったのかなとか。だったら、これからもっとその辺が掘り起こされるのかな。と、思ったり。

総評としては下の上。

 

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『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』

全13話視聴完了。
こんなこと言いたくはないけれども、馬鹿しかいない。無理だよ。不愉快。自分は決して物語りを否定したくはないと思っているし、同じシチュエーションでエロ漫画だったら、異世界転生だったら、それはそれで許容していたと思う。が、これは駄目だ。まず、女子高生を拾うという導入を受け入れられても、終始、これはどうかとおもうと思わせてしまう作りでしかなかった。それはもう物語を作る上で破綻しているのではないか。これが売れたの? 本屋さんで平積みなのも、ポスターも見たけれども、そうできるだけの作品なの? これで大丈夫なの? 
ストーリーは、都内在住一人暮らし独身サラリーマンの吉田が、ある日、会社の上司である年上お姉さんである後藤さんにに振られて酔って帰る途中、道に落ちていた家出中の美少女女子高生沙優を拾う。宿の代わりに肉体を提供するという女子高生の誘いを断り、その価値観を否定し、家事をするかわりに女子高生の逃げ場で居場所になろうとする吉田。そして始まるほのぼの同居生活。
一番は、吉田気持ち悪い。26歳でおじさんという価値観が合わない。そしてそれは良しとした所でも、彼がやっていることって今までの他の男と一緒でしょうと。女子高生に選択肢のない状態のまま、居場所を作ってやると言えば聞こえは良いけれども、己の家に囲って、己の勝手な倫理観で説教をして価値観を押し付けるの、気持ち良いよね。セックスしないだけで、他の男と一緒じゃないかと。吉田を優しい男と言うの、理解できない。スタートから警察案件ですけれども。未成年の家出少女を保護するのって、行政であたったり、法人であたったり、何かしらあると思う。せめて警察でなくとも、そういう選択肢が彼女にはあると教えてあげることこそが大人の役目ではなかろうかと。それを論さない吉田の同僚たちも、どうなのだろうと。
後藤さんも、吉田を振り回して処女告白までは、まぁ、大人同士の関係だしどうでも良いかなと思ったのだけれど、女子高生のことを知って、夜の家に押しかけて、やっとまともな大人が来たかと思ったのに。結局彼女のやったことも吉田と同じ自己のエゴを押し付けるような説教。更には女としての牽制まで加わって。何だ、この茶番と。そして女子高生完全に後藤さんに丸め込まれて、もう、何だろう。嫌な大人だよ。後輩の三島を女子高生を尊重しているようで、結局は自分の思ったことを言って勝手に恋のライバルに勝手に塩を送った気になって泣いて、何処にも共感できない。
この作品の大人たちは、女子高生を何だと思っているのだろう。扱いが完全に犬猫。子供ではあるけれども、同じ人間だよ。幼くはあるかもしれないけれども、そして、彼らはどれだけ自分をちゃんとした大人だと思っているのだろう。駄目だ。自分も年齢的には充分に大人だけれども、全くちゃんとした大人だと思えないし、女子高生にあんな風に物を言えないよ。
女子高生の家出の理由。過去。お祭りとか子供の頃以来、綿菓子食べるの初めてとか、伏線かと思った。お嬢様で箱入りでとか。でも全くそんなことなかったよ。そして、伏線はなかったはずなのに、なんとなく予想できた親友の死からの家族不和という。まぁ、逃げたい理由としては充分だと思うよ。田舎の閉塞感とか。母親の無理解とか。思春期のあれやこれを抜いても、逃げて良いと思う。でも、お兄ちゃんいるじゃんと。なんだか優秀でお金持ちなお兄ちゃんの所に行って、彼が保護者になるじゃ駄目なのかと。いや、でもお兄ちゃんも女子高生に色々約束したと所で30万円渡して駅まで送ってやるって、若い女の子に大金持たせて危険とは思わなかったのかとか。お兄ちゃんがホテルかウィークリーか用意してあげて、母親と共にカウンセリング受けさせてとか、もっとあっただろうと。母親も酷い所はあったかもしれないが、精神的に不安定な人間に一日に沙優ちゃんと吉田と一気に合わせえて、負担考えようと、とか。不安定な人間が一度納得したからと、明日は同じとか限らんぞとか。

お兄ちゃんは完全に物語のご都合主義を担っていただけなのかと。あと、矢口も。物語をもう動かしたい、こんば場面を描きたいからいるみたいな。
大人もあれだけれど、女子高生も変にずるくて馬鹿だったなと、思ってしまった。それでも可愛いくて不幸な主人公として受け入れられるかなと、ラストの方まで思っていたのだけれども、実家に帰って吉田が家に泊まって、お布団に潜りこんだので完全に駄目になってしまった。「エッチしよう」って。実家で。お前はどんだけ甘えたなんだよ。お兄ちゃんに30万円貰ったのに何も思う所ないだけでなく、吉田がこうして沙優ちゃんの実家にいるのって、沙優ちゃんと肉体関係が何もなく、それをお兄ちゃんが信頼してという経緯があるのを何も見ていなかったのかと。お兄ちゃんの気持ちをちょっとでも考えようよ。そういう所、ちゃんと考えないと本当に駄目だよ。勝手に不幸のヒロインになってと思ってしまうよ。そして家出した時も、行かなくなった高校の制服で出て、最後に吉田を空港に送った時も制服で、女子高生ブランドの価値を知って、それを最後の最後まで利用とするしたたかさや狡さはあるのだなと。
女子高生だって中卒で働けば社会人だし、法律で16歳を越えれば結婚もできるのだよね。そして吉田は沙優ちゃんの母親に「母親しか保護者になれない」と偉そうに言っていたけれども、世の中には親が親として機能しない家庭や、その家庭すら持たない人間がいるって知らないのかな。視野が狭いよ。この説教を例えば母親に虐待されてきた人が見たらどう思うかかんて関係ないのだろうね。自分はもうそういう所が生理的に無理だった。そしてこの作品を好意的に観ている人も無理だと、そんな風に思うアニメに初めて出会ったよ。
まぁ、そんな正論をあれやこれや思ったことで、物語性を優先した創作物である時点で、何も問題ではないし、気持ち悪い、受け入れられないと個人的に思っただけで、女子高生を拾う物語りというのは完全否定するつもりもないよ。でも、もっとやりようはあったのではないかなと思う。ここ数年、急にフェミ関連の倫理観や価値観が変わったと思うし、厳しくなったなと思うけれども、それを差し引いても物語として下手なんだよ。視聴者に現実を連想させてしまう時点で、失敗なんだと思う。何だろう、女子高生を拾うのは寧ろ好き系なのだけれど、これは駄目だ。嫌悪感。
今期の女子高生アニメ『スーパーカブ』に引き続き、上手く物語性と現実の折り合いが付けられていない作品だったなという印象。
総評として下の上。アニメだからこんな感じだったのだと、思いたい。

 

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『スーパーカブ』

全12話視聴完了。

物語性を優先したため、現実的でないなという描写が多く、これは何を優先するかでこの作品の見方や評価が変わるなと思った。

ストーリーは、自分には何もないと思っていた天涯孤独となった主人公、小熊。彼女は山梨県北杜市の高校に自転車で通っていたが、通学路の坂道であったため、ふと原付が気になり、中古のスーパーカブを買った所から物語は始まる。カブという未知の経験。同じカブ仲間であるクラスメイトの礼子との出会い。初めてのカブを使ったアルバイト。熱で欠席するはずだった修学旅行。文化祭の機材トラブルをきっかけに仲良くなったクラスメイトでパン屋の娘の椎ちゃん。カブで迎える初めての冬。そして、春を捕まえるカブの旅。

修学旅行でのカブの二人乗り。雪山をカブで乗り回す小熊と礼子。近道をしようと道を踏み外し自転車で冬の川に落ちた椎ちゃんへの対応。多分、現実的にと言ってしまったら、突っ込み所のある箇所がちょいちょいあったとは思う。でも、個人的にはこれはあくまでフィクションであり、引っ掛からなくはないけれども、それでもこの物語の前ではそんな大きな問題ではないかなかと思った。

それよりも、主人公の持つバックグラウンドや、彼女と周囲の環境に、いくらでも物憂げになる状況は揃っているにも関わらず、悲壮感がなかったのは、これが出会いの物語りであり、世界が広がっていく物語りだからだと思う。

一番気になったのは、最終回の桜を求めて南下する旅の途中のランチに、椎ちゃんの持ってきたドイツパンにサーモンとクリームチーズを乗せるのだけれども、そんなに縦にしたらサーモン落ちちゃうよと。そんなどうでも良さげな所ばかりにはらはらさせられた。それにしてもドイツパンはとても美味しそうだった。

彩度の落ちた世界に生きる主人公がカブを手に入れたことによって、世界に色が付くというのは、映像作品ならでわの演出で、元々が漫画ファンであったのもあって、そう、この感覚をわかりやすく動画で見せてくれるの凄く良いかったな。アニメや、映像作品ならではだよねと。

背景と音楽がとても美しい作品だった。それだけで泣きそうになった。

総評として上の下。見返したいアニメが増えていく。そして最近全く小説が読めなくなっているのだけれども、小説の方も読みたくなった。もっと小熊ちゃんの成長とか世界の変化とかを知りたい。覗かせて欲しい。

 

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