アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『スーパーカブ』

全12話視聴完了。

物語性を優先したため、現実的でないなという描写が多く、これは何を優先するかでこの作品の見方や評価が変わるなと思った。

ストーリーは、自分には何もないと思っていた天涯孤独となった主人公、小熊。彼女は山梨県北杜市の高校に自転車で通っていたが、通学路の坂道であったため、ふと原付が気になり、中古のスーパーカブを買った所から物語は始まる。カブという未知の経験。同じカブ仲間であるクラスメイトの礼子との出会い。初めてのカブを使ったアルバイト。熱で欠席するはずだった修学旅行。文化祭の機材トラブルをきっかけに仲良くなったクラスメイトでパン屋の娘の椎ちゃん。カブで迎える初めての冬。そして、春を捕まえるカブの旅。

修学旅行でのカブの二人乗り。雪山をカブで乗り回す小熊と礼子。近道をしようと道を踏み外し自転車で冬の川に落ちた椎ちゃんへの対応。多分、現実的にと言ってしまったら、突っ込み所のある箇所がちょいちょいあったとは思う。でも、個人的にはこれはあくまでフィクションであり、引っ掛からなくはないけれども、それでもこの物語の前ではそんな大きな問題ではないかなかと思った。

それよりも、主人公の持つバックグラウンドや、彼女と周囲の環境に、いくらでも物憂げになる状況は揃っているにも関わらず、悲壮感がなかったのは、これが出会いの物語りであり、世界が広がっていく物語りだからだと思う。

一番気になったのは、最終回の桜を求めて南下する旅の途中のランチに、椎ちゃんの持ってきたドイツパンにサーモンとクリームチーズを乗せるのだけれども、そんなに縦にしたらサーモン落ちちゃうよと。そんなどうでも良さげな所ばかりにはらはらさせられた。それにしてもドイツパンはとても美味しそうだった。

彩度の落ちた世界に生きる主人公がカブを手に入れたことによって、世界に色が付くというのは、映像作品ならでわの演出で、元々が漫画ファンであったのもあって、そう、この感覚をわかりやすく動画で見せてくれるの凄く良いかったな。アニメや、映像作品ならではだよねと。

背景と音楽がとても美しい作品だった。それだけで泣きそうになった。

総評として上の下。見返したいアニメが増えていく。そして最近全く小説が読めなくなっているのだけれども、小説の方も読みたくなった。もっと小熊ちゃんの成長とか世界の変化とかを知りたい。覗かせて欲しい。

 

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