アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『Engage Kiss』

全13話視聴完了。
世界観がわかるまで、単なる魅力的な駄目男に、それに尽くす2人の女の三角関係で始まり、急に現れた悪魔との戦い。これは何を主軸に見たらよいのだろうと。おそらく、物語りが主人公シュウを中心としたラブコメ的要素と、悪魔から世界を救う戦いという2つの軸があったからだと思う。
架空のメガフロート都市ベイロンシティを舞台に、悪魔が引き起こす特殊な事件、D災害。一部にしか知られていないそれを対処するPMC民間軍事会社。個人で仕事を請け負うも、仕事を選ぶ故、常に金欠のシュウ。そんな彼を気に掛ける、シュウが嘗て所属していた大手PMCの社員で元恋人のアヤノ。シュウを献身的に支える女子高生のキサラ。更にはシュウの元恋人のシスターであるシャロンまで登場し、駄目男は魅力的だよねと。最初、シュウは売れない俳優かと思った。まぁ、ハーレム物ではあるのだが、シュウがのらりくらりと躊躇いなく彼女らを自己都合で振り回すので、ハーレム感はあまりなく。単に女癖が悪いのかと、次第にそれを許容し出すと、友人関係やライバルではなく、そこにある種の連帯感が生まれるのを描くのは珍しく、面白かったな。と、思いつつ見ていたのだけれども、途中、シュウとキサラの契約でキスによって力を得る代わりにシュウの記憶がキサラに移植され、どうのこうのとなるという話しからちょっと話しは変わってくるなと。二次元駄目男好きとしてときめき始めていた時の、いや、こいつ駄目じゃないのでわとなった瞬間の個人的がっかり感。これはシュウをやるときはやるできる奴だったとしたら、もう、残念しかないのだがとなってしまった。ただ、キサラとシュウの記憶云々のやり取りはちょっとした見せ場ではあったのだろうな。
基本的にシュウが来るもの拒まず。流されやすい分、それは記憶がないからなのか、という疑惑はありつつも、シュウと彼女らの秘め事。印象的だったのは第5話の倉庫のシーン。直接的濡れ場は描かずきっかけと事後とのみでと、それはよいのだけれども、なんだろう。違和感。絵柄の問題なのか。女性キャラクターが皆同じ年齢の同じような顔と体型にみえるので、せっかく女子高校生と、年上OLお姉さんと、異国のシスターというそれぞれの魅力が上手く活かせていないのが際立ってしまった気がする。
最終的にお兄ちゃん大好き妹ちゃんとお兄ちゃんの恋人決戦。
全体として、戦闘シーンは恰好良かった。女の子に戦わせるのではなく、ちゃんとシュウと協力して戦うのも良かった。が、それ以上にキャベツを刻むシーンが記憶に残る。

それと、やっぱりキスで契約は王道でもロマンがあるね。メンヘラ彼女と相思相愛も夢がある。

総表として中の中。

 

youtu.be

youtu.be

 

『転生賢者の異世界ライフ 〜第二の職業を得て、世界最強になりました〜』

全12話視聴完了。
なろう系異世界転移の無自覚無双物。
剣と魔法の世界に召喚された社畜だった佐野ユージ。不遇職であるテイマーにも関わらず、規格外の才能と体蒸したスライムのスキル、更には新たに取得した賢者の力によって最強クラスの冒険者となす。異世界の常識を破るチート主人公の冒険譚。
「また俺ちゃん何かやっちゃいましった?」ではなく、どちらかというと社畜時代のトラウマとその人間性により、人間関係などの面倒事を嫌いつつ、己の所業に無頓着故に関わりが生まれ、各地を転々とする感じ。それゆえ、ヒロインが定着せず、テイマー職故モンスターとは多少仲良くはなるが、執着するわけでもなく。基本的に主人公がさんかく口でぼーとしつつ問題を解決するという流れがあり、主人公自身は殆どその心情を口にしないので、捉え所がなく、にも関わらず唐突に食に対して拘りを見せたりするので、よくわかなかった。特に第5話の雪に覆われた街の名物料理を食べるために奮闘する主人公。そんなにもかと。が、個人的に主人公が周りに期待をしたり、何かを強要しないので、そこは好感が持てたなと。また、主人公以外の人間性の方が描かれていたのだけれども、出会いと別れが早く大きく掘り下げることもないままに、物語を楽しませる作品って珍しく、それで面白くするのって凄いなと思った。

最近、スライム無双が多いな。スライムが雑魚キャラだったのはもうすでに過去の話しなのか。便利なお助けキャラと化している。
主人公、全ての問題が解決し終えた後、どうするのだろう。彼は、元の世界に戻った所で幸せになれなさそうではあるし、この世界でこのまま冒険を続けても幸せそうには思えず。社畜生活で壊れたままただ流されている感じが、心配しかない。
総表としては中の中。コミカライズを面白く読んだ記憶はあるのだが、全く思い出せていなかったので読み返そうと思う。

 

youtu.be

『組長娘と世話係』

全12話視聴完了。
ストーリーは、桜樹組の若頭で悪魔と呼ばれた霧島透は、組長の一人娘である幼い少女、八重花の世話係に任命される。二人の次第に心を通わせる日常ハートフルコメディ。
なのだけれども、フィクションのヤクザとフィクションの子供の交流を描いているようで、実際の所、回を増すごとに、二人の関係がどうというよりも霧島可愛い。イケメン可愛い霧島のキャラクターを魅せるためのアニメだったのかなと。
昨今のヤクザを描いたアニメ漫画が、もう、ヤクザが反社の人とわかっていて描いているのか謎な物が多く、一度関わるとまともに通帳作れなくなるんだよとか。まぁ、それはそれで全く構わないのだけれども、それにしても毎日いい若い者が暇そうに家にいたりして、何をしているのか謎なのはちょっと流石に受け入れられなかった。見ていて働けやと思ったりもしたけれども、ちゃんと働いちゃったら放送できなくなっちゃうからな。平和でなくなっちゃうしねと。嗚呼、でもユーチューバーになる回はちょっと好きだった。あそこまで突き抜けているといっそ見られる。
総表として中の下。自分には合わなかった。

 

youtu.be

『異世界薬局』

全12話視聴完了。
なろう系。社畜異世界チート転生。
ストーリーは、現代日本で薬学研究者だった、薬谷完治。職場で倒れ、目を覚ますと、中世ヨーロッパ風の魔法のある異世界。そこの宮廷薬師ド・メディシス家の息子ファルマとして転生していた。雷に打たれたことによって、亡くなったはずのファルマに代わり、薬谷は医療行為が未発達なこの国で、現代薬学の知識と、物質創造、消去のチート能力と、貴族のみが使える神術を駆使し、疾病に立ち向かう。そして多くの人を救うべく「異世界薬局」を開業する。
全体的に馴染みない物質や薬の名前が多用されるにも関わらず、とてもわわりやすかった。そして、大人がきちんと誠実な大人で安心して見らせた。きちんとしている。主人公が超人的な神にも匹敵する力を持った子供の姿であり、主人公自身も己が何者かわからず、ただ人を救うという目的のために行動するのだが、それをそれぞれが自分の領分で支え、やるべきことをやっているという、当たり前かもしれないが、その当たり前がとても良かった。特にお父さん。
第3話で、陛下に薬を与えた帰りの馬車の中で、主人公が嘗ての自分の息子でないと感づいていたにも関わらず、それを受け入れる度量の広さ。更に、それに対して謙虚であり初心を忘れず、共に歩もうとする主人公。気不味そうな馬車の二人が、ここで再び親子になるシーンは、この物語のキャラクターの全てが濃縮されたかのようで印象的だった。
物語りのクライマックスは、帝国に黒死病が持ち込まれ、それが広がるのを防ごうとする主人公たち。そしてその黒幕である悪霊と化した元薬師であるカミュとの戦い。黒死病というリアルな病から、悪霊と言うファンタスティックな存在のバランスが上手いなと思った。ファンタジーに深みを持たせるのはリアルな知識。全てが架空の物だけでは出せない面白さがある。魔法でその世界にない、現代にある薬を構造を知ることで生み出すという、ただ治すだけで終わらない。にも、関わらず、最終的に悪霊を拳でぶっ飛ばしたのにはちょっと笑った。面白かった。村を隔離するのに氷で覆ったりとか、実は結構物理。
個人的にちょっと苦手だったのは、エレオノールさん。ファルマの家庭教師の薬師なのだけれども、ご都合主義的に動いていたような印象。ファルマの力を最初に知り、恐れ、頼って、弱気なって、認められて。その単純さが物語のわかりやすさの手助けになっていたのはわかるのだけれども、多分、声の印象もあって、彼女だけが不自然に感じられた。
好きだったのは、お店の常連のひょうひょうとした老人、ジャン。実は提督として大砲を海に打ち込む登場シーンは、ただの老人ではないのだろうなと思ったけれど、そのままに格好良いとなった。
この物語は、女性陣よりも、元使用人で薬局を手伝うセドリックや、提携店のピエール、お父さんも、男性陣が魅力的だったなと思う。

男性キャラクターに比べて、女性キャラクターが絵は可愛いけれども、テンプレートで物語を動かすパーツとしての役割が強い印象だった。その最たるキャラクターがエレオノールさんだったのかなと。
好きなシーンは、第10話のファルマが杖で空を飛ぶ場面。黒死病に侵された近隣の村を救うというシリアスなシーンではあるのだけれども、杖に飛び乗って、ビューっと飛んでいく所、鳥にぶつかりそうになった落ちそうになる所、なんとなく『魔女の宅急便』を髣髴とした。
総表として中の上。漫画を読み返したくなった。

 

youtu.be

『神クズ☆アイドル』

全STAGE.10視聴完了。
顔は良いが、歌も踊りもいまいち。ファンサもしない。やる気のない、底辺クズアイドル、仁淀ユウヤ。顔が良いだけでお金が稼げると思ってアイドルになった彼は、吉野カズキとユニットZINGSにて活動するが、あまりの無気力さに事務所をクビになりそうになる。そんなある日、嘗て神アイドルだった最上アサヒの幽霊と出会う。志半ばにして亡くなったアサヒちゃんは、仁淀ユウヤと共にその体を借りて、再びアイドルをすることとなる。そして仁淀ユウヤに訪れる心境の変化。
ずっと着ている衣装の首のファーが終始、芋虫というか、カブトムシの幼虫が付いているように見えて仕方がなくて、気になって仕方がなかった。第1話ではまだファーっぽく描かれてはいたけれども、段々、それすらもなく、単なる飾りという記号というか、簡略化されて、完全に芋虫。あれはないわ。大抵のアイドル物の最終話のライブでは、多少なりとも気持ちが上がるのだけれども、この作品に限っては、芋虫とずっと思って、格好良いとかそういうのがほぼなかった。もうCGがとか絵がとかではなくて。
絵は、作画崩壊まではいかなくても、背景の簡略化というか、比率がおかしくなっていたりと、特に第6話の背景とか競馬場なのみたいな感じで、最終話のステージもせめて後ろのキラキラが動いても良くないかとか、かなりあれではあった。CGも同人ゲーム位のクオリティーではあったけれども、ただ、無気力キャラの主人公のキャラクターが、まぁ、そういうのもありなのかなと思ったり。
淀君のアサヒちゃんという幽霊に憑りつかれてキャラクターが変わるギャップも、正反対の二人のやり取りも、テンポが良くて面白かった。特に仁淀君のセリフ。第1話の「推しているの造幣局しかなくて。興味がない」とか、派手さはないものの、ちょいちょい面白くてにやけるなと。そして、無気力だけれども、誠実というか自分に正直で迷いがない主人公は好感が持てる。そして記憶力とかもだけれども、地味に仁淀君のスペックが高くてびっくりする。良い。
気になったのは、仁淀君って何歳なのだろう。顔が良いと言う設定はわかるが、絵柄の問題でイケメンなのかよくわからなかったのもあるけれども、その無気力さと発言が完全におっさんにしか思えなくて、30歳越えていてもおかしくないなと。時に吉野君がお目めキラキラで大きかったので、並ぶと余計にそんな感じだった。第3話のパフェ完食に本当に大丈夫じゃなさそうな感じとかも。
個人的に好きだったおは、第6話の「芸能越境大イケメン動会」での「イケメンの生命の躍動は感じられましたか?」という呼びかけは、本当、イケメンというか、推しは生きているだけで素晴らしい。推しを前にした時、生まれてきてくれてありがとう。生きていてくれてありがとう。これからも頑張って下さいなど、おこがましくて言えませんが、取り合えず生きて下さいとなる。そういう気持ちを込めて、生命の躍動は良かったなと。
最終話のZINGS二周年ライブ、finalstage。アンコール放送が本当にアンコールみたいでつい2回も観てしまったよ。二曲目が良かったなと。同じライブでも2回観るとちょっと気持ち入るね。
総表として中の中。

 

youtu.be

STAGE.1

STAGE.1

  • 今井文也
Amazon

『森のくまさん、冬眠中。』

全9話+番外編2話視聴完了。
コミックフェスタの漫画広告5分アニメ。BLあるなと思ってうっかりまた見てしまった。大事な所は有料版でとのあれにおまけのようなストーリー。
ケモミミおっぱい。家族物。クマのノワはある日、子犬を拾い、アイリと名付けて大事に育てた。そして成長したアイリはノワを番になりたいと。はじめは戸惑っていたノアも一途なアイリの思いに次第にその親子から恋人にと関係性を変えていく。
個人的に、ケモミミもおっぱいも全然良いのだけれども、何と言うか、絵柄が、取って付けたようなチープな耳が上手く受け入れられなかった。それと、森でピクニック回。そんな夜まで無防備に人気のない森の奥で、隈って強いから大丈夫かもしれんが、つい帰り道を心配してしまった。それと、異種族間の関係は問題ないのかなとか。まぁ、ファンタジーなのだけれどもね。作り込みがおおざっぱだと、余計なことばかり気になってしまって、肝心の恋愛のどうこうが全く頭に入って来ないなと。
あと、最後の最後でノアはアイリの告白に返事をするのだが、今更感が半端なかった。
総表として下の上。

 

 

『ヒーラー・ガール』

全12話視聴完了。
ミュージカルヒーリングアニメ。
物語りは、東洋医学、西洋医学、そしてもう一つの医療行為、音声医学という歌うことで医療行為を行うヒーラーとう職業がある世界。高校に通う一方で、放課後、烏丸音声治療院で見習いヒーラーとして働く3人の少女たち。元気いっぱい好奇心旺盛なピンク髪にインナーカラー緑とかなり古性派見た目の藤井かなちゃん。音楽一家の強気なお嬢様、五城玲美ちゃん。大兄弟のお姉ちゃんで面倒見が良くてお料理上手な、治療院に下宿中の森嶋響ちゃん。一人前のヒーラー目指す彼女たち。
音楽が治療行為となる世界観が、現代の医療行為と共存しているのがしっかりと描かれており面白かった。東洋医学鍼灸や漢方と西洋医学の関係性に近く、手術をする横で歌ったり、自然に、嗚呼、こういう医療行為があっても不思議ではあるけれど、不自然に思わないなと。また、治療院の田舎の和風建築。背景が綺麗できちんと描かれていると、世界観に奥行きが出るよねと。
ただ、冒頭から個人的にどうしても受け入れられなかったのはそのお衣装。この子たち何でシーツを着ているのだろうと気になって仕方がなかった。見習いの制服なのだろうけれども、世界観がしっかししていて、服飾文化も現代。医師の衣装も白衣できちんとしているのにも関わらず、何の説明もなく、なんでこの子ら貫頭衣をと。もうちょいどうにかならなかったのかと。OPもシーツで空飛んでと。せっかく、素敵な世界感なのに、もうちょい可愛くして欲しかった。
3人の少女たちが、それぞれ皆違って皆良い子で真面目で一生懸命で好感が持てて、観ていてほっこりした。特に第11話のC級ヒーラーの勉強中の喧嘩。いっぱいいっぱいで他の子を羨んで、言い争いながら褒めているの、喧嘩なのに褒めているの、ちょっと笑ってしまって、好きとなった。
帰国子女のC級ヒーラーの先輩ソニアちゃんも、その幼馴染のしのぶちゃんも、烏丸先生も、渚さんも、皆、良い人しか出て来なくて、それぞれが自分の目標を持っていて、それに向かって頑張っているので、観ていて嫌な気持ちに一切ならなくて、取り立てて癒し系というわけでもないのだけれども、気持ちの良いアニメだった。
ミュージカルも、ずっと唐突に歌い出すのが苦手だったのだけれども、会話から自然な流れに歌に入り、イメージ映像と繋がっていくので、自然に見られた。
総表として中の上。

 

youtu.be