全12話視聴完了。
久々に酷い気分になったアニメ。『NieA_7』以来。いや、それ以上かも。
航空自衛隊が管理する軍用機に擬態するドラゴンと新人搭乗員の少女達とのハートフル交流物語り。愛と笑いと涙の現代日本神話。と、いうことなのだが、ハートフルさなど何処にあったのか自分にはわからなかった。
第一印象として、玄人好みに作られている。あなたたち、こういうのスキでしょ感。OPの歌詞なしの曲から、CM前のアイキャッチの「ひそまそ~」というコーラス。EDの異国の謎歌に、緩いダンス、全てが鼻に付く。個人的に。なんだろう。ここまでやられると、さぁ、アニメ自体はどうなのだろう。どうかしらん。となって視聴し続けていたのだが、毎回、本当に嫌な気分になって終るという。前半は特に敵がいるわけでもなく、何をするでない日常物であったが故に、余計に何のためにこんな不愉快な環境が出来上がっているのだろうかと、本当に気持ちが悪かった。最後までよく見続けたと思う。
この嫌な気分というの、登場人物がみんな自分しか見えていない。更に、航空自衛隊が舞台となっているのだが、職場環境最悪。人間関係もなのだけれども、まず、主人公の甘粕ひそねが急にドラゴンOTFのパイロット適性があるということで、Dパイに所属変更された時、本人の意向を無視して話しが進む所から、すでにもやっと感は始まり、その後もナチュラルに出て来る男尊女卑。特に第7話の「恋する王国」では、防衛省がDパイたちの感情をコントロールするために、恋をさせて、更には失恋を計画するという。人の感情にまで土足で踏み込む、実に気持ちの悪い内容だった。極め付けはこの物語の胆となる「マツリゴト」で巫女が生贄となるのだが、それが民間人の女子高生であり、そのことをDパイに伝えられずに作戦が開始されるという。そんなの自衛隊の仕事かよと。最も、自分の知る自衛隊は『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり(『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』 - アニメ視聴否忘失録」)』でしかないのだけれども、それでも、そんな実在する集団にこんな胸糞悪い架空の設定を上乗せして良いのだろうかと。日々、災害派遣然り、日本の平和に尽力する人々に失礼ではなかろうかと思ってしまう。まぁ、あの男尊女卑的思想は実際にもありそうとは思ってしまったけれどもね。もし女子高生を生贄にするならば、Dパイとの面通しはすべきでなかたし、必要もなかったのではなかろうかと思ったり。いや、あの巫女の三角棗の存在があったからこそ、甘粕ひそねは自分の恋心に気付いたとか、それによってOTFことまそたんに拒絶されたりとか、色々あるのだろうけれども。
構成が、下手だったと思う。あまり偉そうな事を言うつもりもないのだけれども。もし本当にハートフルな物語にしたいのであれば、甘粕ひそねとまそたんの交流を中心にすべきだったと思うし、もっと良い物語にすべき方法はいくらでもあったと思う。もし嫌な気分にさせたいのであれば、中途半端に感動的な流れはいらない。なんだろう、中途半端に色々摘み食いしながら最終話に向かったみたいな印象のまま終ってしまった。最後の最後に、巫女の変わりに消えた甘粕ひそねとまそたん。帰って来るのかよ、まで含めて。
まぁ、言いたいことはたくさんありますよ。ありますけれども、ちょっと書ききれないので、最も印象的だった所を。まず、上司である柿保令美の存在。同じ女性として寄り添うこともできたであろうにも関わらず、まったく関わろうとしなかったにも関わらず、小此木榛人に恋をしたことによってまそたんに乗れなくなった甘粕ひそねをヒステリックに追い出すという。そんな資格、彼女にあるのだろうかと。これがもうちょっと親身に甘粕ひそねに寄り添っている部分があったのなら、また違った印象になったのだろうけれども。あのビンタは職業意識ではなく、個人的感情をぶつけただけにしか思えなかった。次に、ヤクルト販売のおばあちゃんであり、元OTFのパイロットであった樋本貞。優しい老女から、急に見せる厳しい姿。なんだろう。理不尽に怒鳴っているようにしか見えなかった。でもって、あれだけ偉そうに指導しておいて、最終的にやっぱり個人的感情で、何もできないとか。あれはまそたんが可愛そうだった。まそたんの事を考えているようで、何も考えていない。あのばばぁ何なんだよと。
凄いなと思ったのは、CMがヤクルトだった。こういうタイアップってあるんだなとちょっと新鮮だった。
総評としては中の上。よくできていたよ。だけど、こんな最悪な気分になってまで見る必要はなかったと思う。いや、だから印象に残って忘れないアニメになったのだろうけれども。印象に残す、それを意図的に作ったのかもしれないから、作り手の術中にはまってしまったのかもしれないと思うほどには疑心暗鬼。
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