『私の百合はお仕事です！』

全12話視聴完了。
コミック百合姫の漫画原作。個人的に、百合姫の作品というか、百合物の多くに女の子ってこういうのが女の子というイメージと、エピソードやストーリーが先に描かれており、１人の個人として描かれていないような印象が強い。女は感情で動く。辻褄が合わなかったり矛盾していても、気持ちを優先するというか。嫉妬深かったり、粘着質だったり。そういう面を前面に押し出して描かれているような。女の子ってこういう物だよねとうのが透けて見える気がする。
ストーリーは、目指せ玉の輿で誰からも好かれる可愛い自分な外面を作り込む女子高生の白木陽芽こと白鷺陽芽。彼女はある日、うっかりぶつかって怪我をさせてしまった童顔美少女、御子柴舞が店長を営むコンセプトカフェ・リーベ女学園で働くこととなる。そこはお嬢様学校を模し、店員が女学園の生徒に扮して給仕を行うサロン。店員同士が姉妹シュヴェスターの契約を結んだり、学園に最もふさわしい生徒を選ぶ人気投票ブルーメ・デア・リーベがあったりと、独自の世界観を持つ。急遽、そんなカフェで給仕をすることとなた主人公ひめちゃんは、そこにいた矢野美月こと綾小路美月を何も知らず「お姉様」と呼んでしまい、クロイツを好感しシュヴェスターの契約を結ぶこととなる。しかし彼女たちの間には過去の因縁、すれ違った気持ちと誤解と色々あり。更に、ひめちゃんのクラスメイトで親友の間宮果乃子こと雨宮果乃子も同じカフェで働くこととなり、かのこのひめちゃんに抱く密かな恋心。それに土足で踏み込み荒らすヤンキーで読書家な知花純加こと橘純加。橘さんにも過去にシュヴェスターと恋愛を絡めたトラウマがあったりと。素敵なお給仕生活の裏で、まぁ、基本的に人間関係のごたごた物語り。
個人的に、もう、導入から。未成年を強引にろくに説明をせずにコンセプトカフェで働かせるという設定が無理だった。漫画的ではあるかもしれないけれども、主人公がうっかりぶつかって店長さんに怪我をさせてしまって、とう時点で保護者を入れて話し合うべきであって、それに労働力を強要というのはどうなのだろうかと思わずにはいられない。フィクションで許せるラインとしては、主人公が自分からその仕事に空いた穴を埋めさせてくれと望んだ場合かなとか。更に、それにコンセプトカフェなんて、単なる接客業かもしれないけれども、それでも自身を売り物としているカフェで、ファンもストーカーなども付きやすい業種で、更にそのコンセプトもよくわからない状態で急に働かせるとか、もう理不尽しかなくて、見ていてしんどかった。主人公が最初にうっかり「お姉さま」と呼んでしまったのも他意はなかたであろうし、注文を上手く取れなかったのも、それは事前にメニューの説明を受けていなかったとうか、急に働かせるのにその点にサポートがなかったのはどうなのだろうかと。それにバイトのことを秘密にするルールというのも、後になって聞かされるとか、それを知った当日に友人がカフェに来るのをどうして責められるのだろうかと。もう、何もかもが理不尽過ぎる。
もう一つ思ったのは、お仕事に私情を挟み過ぎじゃないかとか。主人公の過去のあれやこれや。偶然の再会かもしれないが、それでも真面目に仕事をしているというわりに、仕事中に彼女たちは何をやっているのだろうと。割り切れないかもしれないが、仕事だよ。時給が発生しているんだよ。そもそもメイドカフェであれ、コンカフェであれ、外面どうのの問題よりも、プライベートと仕事中で違っているのは当然でないかいと。
主人公、いつまで働くのだろう。店長さんの怪我ってそんないつまでも治らないくらい酷かったのだろうか。そんな転んで手をついたくらいで重症とか、他に原因がある気がするよ。そもそもぶつかった直後は大丈夫そうだったよ。ひめちゃん、そんな悪くなくないか。労働条件どうなっているのだろう。保護者の同意は得られているのだろうか。ぶつかって転んだのも100％どちらか一方が悪いということもないだろうに。これ騙されていないかと。
そもそもこのカフェの魅力がわからない。寸劇を唐突に見せられて、店員のやり取りに聞き耳立てて関係性に一喜一憂するとか、楽しいのかと。更にそれらは演技で虚像であろうにも関わらず、その裏のリアルで何かあったのかもと透けて見えるような。一部始終を見られるわけでもないし。一種のリアリティショーなのかもしれない。演劇カフェ的な感じでもあるのかもしれない。が、どちらにしろ落ち着かなそうではあるよね。
久々に見ていて明確にストレスを感じる作品だった。『ひそねとまそたん』以来か。終始もやもやが止まらない通り越して、ちょっと苛立ちすら覚えた。ただ、この手の作品って印象に残るので、ちょっと面白い作品よりも忘れないのだよね。多分、ここにこの苛立ちを書くために最後まで見たわ。最後まで見たらもうちょいキャラとかストーリーに愛着が沸くかなと思ったけれど、無理。可愛いのはわかるけれど、全然無理だった。
総表として中の中。

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