アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『文豪ストレイドッグス』

全24話視聴完了。

文豪のイケメン擬人化。衝撃だったよ。もう、漫画が話題になった時から、頭の中が??? でしたよ。文豪ってヒトだよね。擬人化ってヒト化させることだよね。ね。私の中に既に存在している漱石先生や芥川とか中原中也とか、マークトゥエインとかモンゴメリとか、あの、『細雪』が好きで好きで仕方がなかった谷崎潤一郎先生とか。もう、どうしたら良いの。話題性なの? で、どうなの?? と、漫画読んだよね。出落ちだと思って読んだのよ。まぁ、面白い。アクション。キャラ数多いけれど、既に知った文豪たちの名なので、するすると頭に入ってくるのですぐにストーリーにおいてけぼりになる自分でもわかりやすく楽しめるなと。

そこからのアニメですよ。アニメ。イケメン化? イケメン良いよね。イケメンアクションめっちゃ格好良い。素敵。と、なりました。イケメンパワー凄い。流石です。イケメンって最強で最高です。

ただ、一つだけ、個人的にとても残念だったのは、太宰と芥川の関係性。なんか、逆のイメージだったよ。これはあえて何か意味があるのかなとか。それにしてもしっくりこない。この2人が重要なキーパーソンなだけに、凄く気になってしまった。

まあ、芥川の「羅生門」連発が凄く面白かった。めっちゃツボった。良かった。

もう一つ。今、『文豪とアルケミスト』を進められているのだが、いくら富を積めば文豪を養えるのかわからない。居を構えるために。結婚するので。体調が良くないので軽井沢辺りで療養するので。までは、良くないけれど良いとしても外遊に行きたいとか言われたら、もう、どうして良いかわからないよと。事ある事に金を無心する手紙が届くのでしょと。まぁ、ソシャゲ自体やらないのでよくわからないのだけれど。前に、海賊イケメンとのお付き合いに夢中になっている時は、上に「キス大特価」の広告に目眩がして別れを告げて以来、怖くてできないよ。

 総評としては中の上。兎に角、格好良い。

 

文豪ストレイドッグス(1) (角川コミックス・エース)
 
細雪 (上) (新潮文庫)

細雪 (上) (新潮文庫)

 

 

『ViVid Strike!』

テレビ放送全12話+特別番組「ViVid Strike! 〜ViVid Xmas〜」視聴完了。

魔法少女リリカルなのはシリーズ』の続編なのね。リリカルなのはは一切見たことなかった。だから可愛らしい絵柄で予想外にガチな格闘物。そして近未来要素に、魔法要素。でもって必要性の見えないマスコット。戸惑いしかなかった。

可愛い少女が結構ガチで殴り合って、肋骨が砕けたり、歯が抜けたり折れたりは、衝撃的だった。更に、主人公フーカが「親無し子」と直接的言葉で虐められているシーンを見ながら、これは絵柄だけが可愛いだけで、其のうち、橋の下に住む片目の見えない男なんぞが出て来るのではなかろうかと思ったよ。でもって、気持ちのすれ違った幼馴染のリンネに対し、「あの目が嫌だから、殴って元に戻させる」とか抽象的理由過ぎるだろうと、なんか、いまいち、乗り切れなかったよ。更に、リンネのいじめられた過去。壮絶だったけれども、だから「何もかも終わり」と反撃して起こした暴力沙汰からの格闘技を始めるのも、感情移入できなくて、完全に置いてけぼり感。そこから、最後のフーカとリンネの戦い。「おまえのくれた優しさが、つないでくれた手が、わしを人間らしくしてくれた」とか感動的なラストにしようとしたところで、「暴力だけでない心での殴り合い」とか言いつつも、なんというか、個人的にはガードを止めてひたすら殴りあうってすでに格闘技としてどうなのと思ってしまって、ノー突っ込みで見られなかったよ。駄目だ。最終話で今まで酷いことを言ってきたリンネの対戦相手からのビデオメッセージとか、それは、流石にないわぁ。急に全てちゃらにはならないよ。自分が傷付いているからって、他人を傷付けて良い理由にもならないし。とか。

なんか、色々駄目だった。なのは知っていたらちょっと違ったのだろうけれど。まぁ、久々にサンドバッグ思いっきり殴ったり蹴ったりしたくなった。

総評としては下の上。

 

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』

全12話視聴完了。

相変わらずのタイトルの読めなさいっぷり、「禁忌教典」で「アカシックレコード」とかCMで始めて嗚呼そんな読み方するんだと。まぁ、ラノベ原作異世界学園ファンタジーのハーレム物だよね。

魔術と科学が共に発展した世界、ルヴァフォース。魔導大国アルザーノ帝国にある由緒正しき学院、アルアザーノ帝国魔術学院。そこに非常勤講師として赴任してきた主人公の青年、グレン。彼は怠け者のろくでなしという売りではあったのだが、アニメでは少なくとも第2話の「ほんのわずかなやる気」ではすでに「だが生徒達の身に危険が迫ったとき、彼の真の能力が発揮される」と、其の設定が存分に生かされており、ろくでなしっぷりがあまり感じられなかった。普段は駄目なやつだけれども、やるときはやる子。まぁ、駄目っぷりの塩梅って難しいよね。「魔術嫌いの魔術講師が繰り広げるひねくれヒロイックファンタジー」と、確かにヒロック。根は真面目なのだろうね。真剣に向き合い過ぎて駄目になることってあるよね。だけれど、グレンが英雄的過ぎて、たまに駄目な様を見せると、嗚呼、そうだ、このキャラ、駄目なキャラだったと思い出す程度だったので、個人的に駄目っぷりがいまいちで残念だった。それはもう個人的趣向でしかないのだけれど。

もう一つ、主人公と同等に重要なヒロイン。ヒロイン2人体制で、他にもロリっ子登場や色々いたはいたのだが、なんだか印象に残りにくかった気がする。

メインヒロインは、真面目でツンデレ、白髪のシスティーナ。何故かグレンに「白猫」と呼ばれていて、もう、それは寧ろ「私の子猫ちゃん」とか「お砂糖ちゃん」とかそんな甘いあだ名に思えて、何? 急に何で!? となってしまった。きっかけ、あったのかな。気付かなかったよ。更に、最終話の「見つけた居場所」でシスティーナとレオスの結婚式に割り込んで。もう、この2人付き合っているのかなと。

そうなってくるともう一人のヒロイン、システィーナの親友で金髪おかっぱの、本当はお姫様だったという難しい過去を持つルミア。彼女はたまにシスティーナとグレンの仲を取り持ったりするのだが、何と言うか、ルミアもグレンを好きなんじゃないのかい? という視点で見るとちょっと切ないなと思ったり。また、グレンが駄目な男であることをわかった上で取り持つという、どうなの思ったり。まぁ、考え過ぎると怖い、この子となる。何も考えていないというのが案外正解な気も気もしたり。

作中、印象的だったのは、第2話目のグレンが真面目に授業をするシーン。ショックボルトという基本魔法の説明なのだが、生徒の誰も考えもしなかった呪文の持つ意味と失敗した時の法則性を説明するグレン。更に「魔術ってのは超高度な自己暗示だ。呪文を唱える時に使うルーン語というのはそれを尤も効率良く使える言語で、人の真相意識を変換させ、世界の法則に介入する」「魔術は人の心を突き詰めるもの」「言葉で世界に影響を与える。それが世界の」という授業が、実際は存在しないはずの魔術とファンタジー世界とのことだったのだが、しっかりした設定にわかりやすい説明で、魔術にリアリティを持たせて、凄く面白いなと思えた。

だが、キャラクターが重要になってくる作品なだけに、個人的にやはりすぐ忘れてしまいそうで、魔術の説明以外、個人的にはこれというのなかったかなと思う。

総評としては中の中。

 

 

 

 

『夏目友人帳 陸』

全11話視聴完了。

夏目友人帳』第6期。安定の夏目とニャンコ先生。安定安心の作品だねと、特に感想を書き始めた『夏目友人帳 伍『夏目友人帳 伍』 - アニメ視聴否忘失録』の第5期から変わらず。まぁ、特筆すべきは、第1回目で夏目の回想という始まりがお約束ではあるのだが、今回は幼くなって友達に助けられるという、今までにないスタート。夏目はいつの間にか凄く幸せになったのだなと。更に最終話では今まで距離を置いていた名取と距離も縮まって。なんだか、夏目が心を開くと、無邪気であっても悪気はない、其々の倫理はあっても、多少の例外はあっても、良い人とあやかしに囲まれて、良かったなと。

今回、特に印象的だったのは 第八話「いつかくる日」のあやかしと人との恋愛。「泣くのはどちらだろう」という夏目の言葉が印象的だった。

総評としては中の中。心が平穏な状態で見られるというの、貴重だよね。

 

夏目友人帳 コミック 1-20巻セット (花とゆめCOMICS)

夏目友人帳 コミック 1-20巻セット (花とゆめCOMICS)

 

 

『エルドライブ【ēlDLIVE】』

全12話視聴完了。

この原作者の天野明さんの絵って独特の色気があるよねと。『家庭教師ヒットマンREBORN!』のいかにも少年漫画から、こちらはキャラクター原案ではあったものの『PSYCHO-PASS』のシリアスなSF物という差に驚かされたなと。

そして今回の『エルドライブ』は少年漫画でSFで宇宙警察。少年漫画らしい少年漫画の印象を受けた。

自分に自身のない主人公の少年、九ノ瀬宙太。彼には昔から謎の声が聞こえ、ついそれに答えてしまうことで独り言の多い変わった奴と回りに認識されていた。更に、過去のトラウマから人と深く関わることを避けてきた。そんな宙太はある日突然、宇宙警察エルドライブの署員としてスカウトされた。採用試験の最中、忠太は謎の声の主と対面し、それがモニタリアンと呼ばれる珍しい生命体であることを知った。彼はモニタリアンをドルーと名付け、宇宙警察として共に戦うこととなる。
マスコット的キャラクターのドルーは、宙太に自信がなくなると消えかける。反対に、宙太に自信が溢れると強くなれる。と、なんだかわかりやすさがあった。

そして、少年漫画として重要なヒロイン枠。クラスメイトで、やはり宇宙警察エルドライブに所属する其方美鈴。見た目は可愛い。ボブヘアーの似合うクールビューティ。だけれども、ツンデレというか、主人公に対する不条理で失礼なまでのツンとした態度が個人的にまったく可愛らしさを感じられず、残念だった。宙太を宇宙警察と認めないなどと、根拠のない個人的感情で動く。最終的にややデレはするというか宙太に好意を抱いているっぽいのだが、それでも他人に対して失礼ではないだろうか、怒って当然だろうという、人格を疑うまでのツンっぷりが凄く残念でならなかった。他人に死ねとか、言って良いことと悪い事の区別も付かないのかと。そうなってくると、もう、天使のような変身した姿とか、過剰な露出した衣装とか、魅力的でも何でもなくなってくるなと。愛想があると愛嬌があって可愛い。それが皆無。個人的な好みではあるのだろうけれど、自分は無理だった。理由がはっきりしない。

更に言うならば、もう、物語り全体の理由はあまりないよねと。この理由というのは、感情の動きなのだが、美鈴が宙太を嫌悪する理由。宙太が自分が関わるとろくな事にならないという理由。嫌な事ばかりを言う美鈴を信じる理由。全てが感情でそうなのだから、仕方がないよね、みたいな。何一つ論理的でない。勿論、感情で熱く一気に押してくる作品も面白いのだけれども、この『エルドライブ』は主人公がいつも何処か引き気味で曖昧で、なんだか、なんだかなという印象を受けてしまった。

総評としては中の下。キャラクターを愛せれば楽しめる作品であったのだろうなと思う。

 

エルドライブ【elDLIVE】 1 (ジャンプコミックス)

エルドライブ【elDLIVE】 1 (ジャンプコミックス)

 

 

『幼女戦記』

全12話視聴完了。

ちょっとプルプルするくらい面白い。金髪幼女わっほいとか単純な物ではなく、幼女主人公なのだが、決してペドフィリアロリータコンプレックスの好むような物ではなく、作中にもあるのだが「幼女の皮をかぶった」という、まさしく幼女の愛らしい外見で合理主義で無神論的軍事主義な言葉がすらすらと出て来るギャップという点が主な魅力であった。

常々、自分は女子供に戦争をさせるアニメに対し、常々、苦言を呈してきたのだが、『週末のイゼッタ『終末のイゼッタ』 - アニメ視聴否忘失録』『ブレイブウィッチース『ブレイブウィッチーズ』 - アニメ視聴否忘失録』など、なんでそんな少女に酷いことをさせるのだろうか。大人がやるべきことを、少女に肩代わりさせることによって、その物語の持つ悲壮さを軽減させる、若しくは強調しようとしている様が怖いと。これは対極ではあるが、少女というある種のキーワード的キャラクターを使用することによってどちらにも振り切れるという。戦争という、アニメを視聴している殆どの物が体験していないであろう悲惨な行為を、そうして非現実な物へと消化させているのではなかろうかと。そう思うと、個人的に凄く恐ろしく感じる。ただ、悲劇は喜劇で笑劇あり、やはり悲劇でもあり、劇と付くからには魅力的なのでもある。

まぁ、色々と書いたが、この『幼女戦記』には以上のような、少女、作中では幼女に肩代わりをさせているという、そんな雰囲気がなかった。また、主人公のターニャ・デグレチャフの副官の巨乳天然少女ヴィーシャもまた物怖じしない独特なキャラクターであったためか、一軍人としての印象が強かった。尤も、数多くある作品のような主要キャラクターの殆どを少女が占めるという作品でなかったためもあるのだろう。それと、幼女である、女であるということが、戦争の前では軍人であるということだけが重要で、階級や立場はあれど、平等に見えた。平等であるから、主人公のターニャがあんな外見であるにも関わらず、日本のサラリーマンの男であったとか、重要ではなかった。『この素晴らしい世界に祝福を!『この素晴らしい世界に祝福を!2』 - アニメ視聴否忘失録』『灰と幻想のグリムガル『灰と幻想のグリムガル』 - アニメ視聴否忘失録』のようなこの頃よく見掛ける異世界転生、もしくは行っちゃいました系ではあるのだが、またかという印象もなく、寧ろ「神」という「物体X」という人智の及ばない力に翻弄され抗うということのみが強調されたように思える。

もう一つ。この作品の魅力は、癖のある絵柄。目が大きく、ヴィーシャが双眼鏡を目に当てているシーンは、双眼鏡から瞳がはみ出すという不自然なまでの大きさである。私自身、視聴する前はそれが気になり、食わず嫌いをしていたのだが、第1話の灰色の戦争のシーンの中、まさに積屍の中、唯一に、輝く鮮やかな蒼い瞳の色に、もう、目が離せなくなってしまった。台詞に合わせてあの大きな目が動き、睫が揺れ、ふっくらとした唇が歪む。もうその一挙手一投足に夢中になってしまうのだ。

嗚呼、面白かった。本当に面白い作品だった。最終回まで視聴したにも関わらず、次に続く内容という、眉を顰める最後ではあったのだが、寧ろ続きがこれからあるのだろうという期待と楽しみになった。凄く面白かった。これはもう取り合えず漫画を集めて、OPとEDのCDも欲しい。久々にこんなに夢中で一気に観たわ。凄く凄く面白かった。

総評としては上の中。久々に繰り返し観たいアニメだった。

 

幼女戦記(1) (角川コミックス・エース)

幼女戦記(1) (角川コミックス・エース)

 
幼女戦記 1 Deus lo vult

幼女戦記 1 Deus lo vult

 

 

『ACCA13区監察課』

全12話視聴完了。

禁煙してから1年ちょい。昨年の5月に禁煙外来に行き、飲み薬が合わずに途中で通院は辞めたのだが、禁煙は続いている。あんなに煙草を愛していたというのに、自分本気偉いわと。だから煙草を吸うキャラクター要注意なのだよ。ルパンもだけれど。何かを口に銜えて火を点けたいのだよ。面白いのに、個人的に、本当に辛いアニメだった。

原作、オノナツメさん。特にBL漫画がさらりとしたグレー色的な読み心地で良い作家さんで好きだったので、前情報なしで第1話を見て、この感じは見覚えあるぞと。だけれど、何と言うか、個人的にこの作家さんに彩度を落としたイメージがあったので、主人公のジーンの金髪が鮮やか、全体的に色彩豊かな感じで、個人的に好む独特な影がなく、さっくり見易いアニメになったなと思う。入り組んだファンタジー王国でのクーデター、政治問題という題材にも関わらず、わかりやすかったのは画面のすっきりした雰囲気が一役買っていたのではなかろうかと。

また、舞台になっているドーワー王国という架空の世界では、13の自治区からなっており、警察、消防、医療など国民生活を守る民間組織・ACCA。その監察課は各自治区の業務の視察をする監察課副課長であるジーンという青年が主人公であり、各地を回っているのだが、その世界感がどれも違って異国の雰囲気が見ていて面白いなと。そして、もう一つ、食パンにスイーツが、本当に物語の食べ物という素敵さを醸し出していた。煙草とスイーツとか、魅惑的でしょと。でもって、ジーンの親友であり監視役のニーノの異常なストーカー的距離感。良かった。

最終的なジーンとその天真爛漫で可愛らしい妹のロッタの出生の秘密に、その二人を取り巻く年配者たち。皆が食えない奴という感じで、行われるはずだったクーデターとACCAの存続と王国の平和に忠誠を誓う、そう来たかという落ち。皆、信用ならないようで、誰も凄く悪い人はいないのって、見ていて楽しい。爽快だった。

特に印象的だったというシーンはないものの、全体として安定して楽しめる上に、最後すっきり。そんなアニメだった。原作、読みたいな。絶対、好きだわ。良かった。

総評としては中の上。

 

TVアニメ『ACCA13区監察課』背景美術画集

TVアニメ『ACCA13区監察課』背景美術画集

 
リストランテ・パラディーゾ (f×COMICS)

リストランテ・パラディーゾ (f×COMICS)

 
クマとインテリ (EDGE COMIX)

クマとインテリ (EDGE COMIX)