アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『佐々木と宮野』

全12話視聴完了。
BL。学園王道ラブストーリー。主人公は、男子高校に通う、女顔がコンプレックスで、BL漫画が大好きな腐男子の宮野由美(みやのよしかず)君。出会いは、校内で偶然遭遇した喧嘩。それを止めに出ようとした瞬間、代わりに向かった不良っぽい派手な外見の佐々木秀鳴先輩。佐々木に気に入られて、宮野は趣味のBL漫画を貸すようになって、仲良くなって。好きな物を語る宮野に惹かれる佐々木先輩。其々の気持ちの自覚と、告白と。兎に角、互いに互いの気持ちを丁寧に大切にしているのと、皆が優しい。
腐男子、婦女子って、自分で自虐的自称をする言葉から、他称されるようになって、今の主流は婦女子、腐男子って使わないのかな。BL含め、女性向け作品って時世の価値観が特に重要になってくるから、今、特にそのジェンダーの感覚とかの変化が急速だから難しいなと思ってしまう。作中、宮野君を「腐男子」と呼ぶキャラがいるが、悪意があるわけでもなく、自然な流れで、今の世代が「ヲタク」に偏見がないのと同じような感覚なのかなと思ったり。世代間の感覚の微妙な違いがわからなくて、ちょっと困惑した。ただ、腐男子って自称したがる人も一定数いるし。時代と言葉って難しいね。
それと、宮野君。BLは好きだけれども、BLがしたいわけではない。とのことだったけれども、それもちょっとわからない感覚で。そもそも格闘漫画を読んだからと、戦いたいとは限らないし、恋愛漫画を読んで恋愛がしたいとか、自分は女だけれども、百合漫画を読んでいるからと百合的思考があるとも限らず。なんだろう。リアルと創作物の線引きの感覚の持ち方が理解できなくて、そこもちょっと困惑した。一緒に本屋さんに行き、「漫画でしょ」と割り切る佐々木先輩の方がわかるなと思いつつ、BLの真似をする先輩に何だこいつとなっていたのにも関わらず、最終的にそれが良いなと単純にちょっとドキッとしてしまった。
第2話で校内でボイスドラマを聞いている宮野君に、知人が駅での待ち合わせ中に普通に聞いて待っていたのを不意に思い出した。個人的にはほぼ聞かないのだけれども、顔、にやけないのかな。
一緒に観ていた家族が「性癖をずかずか聞いて来てデリカシーがないな」と言っていたのだけれども、BLの趣向って性癖とは別だよなと、改めて思った。線引きって難しいよな。例えば、シークが好きなのだが、シークと恋愛したいとは思わないが、シーク良いよねとは話す感覚。
作品自体はとても丁寧に作られていて、見返すと宮野君が鞄を持ち帰るのとか、伏線が所々に貼られていて、これは2周して更ににやけるアニメだなと。
「キスもその先も大丈夫だって根拠がないのに、これが好きじゃないなら、何なんだ。」最後まで観て、ここでまた見返してこの台詞を聞くと泣きそうになる。
最終話の、告白「もっかい」と言って、繰り返すの、良い。可愛い。尊い。ちょっと泣きそうになったし、口元はにやけるし、きゅんきゅんする。枕があったら抱えてぐるんぐるん回るやつ。
宮野、強い。全然、好みじゃないなと見始めたのに、8話辺りから、夢中になっている自分が我ながら単純だなと。そもそも、受けちゃんと攻めの目のサイズが2倍位違う絵柄が好みじゃないんだよ。瞳のサイズは同じであって欲しいんだよと、思っていたはずなのに。いや、これはどちらが受け攻め決まったわけではないけれども、便宜上。王道学園胸キュンストーリー、良い。尊いよ。日常が癒される。平和。この世界がある世界に住みたい。いや、もう画面越しだけれど、もう住んでいる。良い。
指を絡ませるだけがなんで、もうこうエロいんだよ。それで良いんだよ。最高。いちいち手の描写が丁寧なの、良い。好き。先に手にちゅーして、もう、最高が過ぎる。最初は〇やら△やら花やらが画面を流れるのが気になって仕方がなかったのに、最後は、こういう演出良いな。頭からキラキラ光る花が溢れるの嬉しくなる。可愛い。どっちも、皆、可愛い。明日も続いて欲しいし、何なら佐々木先輩が大学進学して、すれ違いの1年間とか、宮野の進学に合わせたルームシェアという同棲生活スタートとか、更に社会に出て変わる生活リズムと、新たなライバル登場とか、穏やかに日常と年齢を重ねる2人の日々とか、そこまで見たい。将来の2人をずっと見続けたい。
取り合えず、漫画を買おう。買う。連休明け、しんどい予定が詰まっているから、それに合わせて注文しよう。
総評として中の上。何だかんだ色々考えるけれど、最終的にやっぱりBLが好きだ。

 

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