アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜』

第3部第27章から第36章+総集編2本視聴完了。

神殿の青色見込み習いになったマインちゃん。孤児院改革からの、皆と協力をして子供用絵本の作成。マインちゃんの弟誕生に、それと同時に孤児院に捨てられた赤子の存在。そして、狙われるマインちゃんに貴族の養女になる話しが色々あって、神官長の断罪と、色々あっての急遽、領主様の養女に。最後、家族の別れが、嗚呼、良い家族なんだなとちょっと羨ましく感じた。が、最後の祝福がちょっとクリスマスっぽくて、なんだろう。音楽とキラキラかな。全然クリスマスと関係ないのに、不思議だなと。そしてあんなに良い感じの愛されて育った娘を養女にしたジェルヴェスターの感情ってどんなんなのだろうなと、漠然と思った。
どんどん作画のクオリティが上がっている気がする。不自然に小さいマインちゃんのバランスが取れてきたというか、マインちゃんが成長したのか。

全体的に、物語りがわかりやすく簡潔に進むので、とても見易かった。そして次から次へと展開が気になる。早くコミカライズ出ないかな。原作小説読むか悩む。
原作小説が児童文学の所に並べられているのを見て、ちょっと納得した。個人的にコミカライズを楽しみに読んでいるのだけれども、そちらが並行して別の章が刊行されるのだけれども、漫画家さんがどんどん上手くなっているのと、別の章での作家さん同士のすり合わせが上手いのか、同時に読んでも違和感がほぼなくて凄いなと思う。
最後、続きが気になって仕方がない状態で、総集編2本で終わるのはちょっとがっかりしてしまった。続きがまだあると思っちゃうじゃないか。総集編は、第4章が始まる前が良かった。

総表として中の上。

 

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『ジビエート』

全12話視聴完了。全てが破綻しかけていた。この作品が作品となっていることがもう凄いとしか言いようがない。これは最初から破綻していたのか、この作品に関わる人の作品への気持ちが踏みにじられ諦めと割り切りによって形になったのか。なんだろう、もう、本当によくできたなと。
世界市場をターゲットに和をテーマに、侍。忍者。刀。書道。三味線。天野喜孝
ストーリーは、近未来2030年の未来。そこで謎の感染症により感染した人間は怪物になってしまう。荒廃していく日本。そこに江戸時代初期からタイムスリップして来た侍である神崎千水。忍者である真田兼六。そこで2人はこの感染症の研究をしている眼鏡のヨシナガ博士と、その助手である船田キャスリーンのい助けられ、行動を共にするようになる。戦国時代からタイムスリップをしてきた僧である鬼倉雪之。丞他に、元警察官の鳩波彩愛やその父親で脱獄犯で元ヤクザの親分である鳩波蓮司郎。とかとか色々登場人物もありつつ。
主人公はてっきりそのビジュアルから侍である神崎千水かと思っていたのだが、多分、ヨシナガ博士だった気がする。神崎さん、敵の頭は落とすが、終始、物語の中心には来ないので部外者感半端ない。忍者が戦っている時、何処にいるのだろうとよく思う。忍者の方がずっと頑張っていた。そして、おそらくヒロインは船田キャスリーンだったのだろうけれども、神崎さんとも特にフラグを立てそうで立たず、最後、私の願いのせいでとか言ってはいたが、あれって、完全に博士の宇宙船のせいで、全然、彼女のせいでもなくて。冒頭からずっと撮影してた動画も、作品に思い入れができれば撮影していた意味もあるのだろうけれども、全く、思い入れ所か、もう、見所すらわからない状態で、急にあんな綺麗な部屋で無音で流されてもという気持ちにしかならず。彼女の一押しポイントは、格好良いからと袖をなくしてベルトを締めさせるというファッションセンスではなかろうかと。どんな作品かもわからないアニメ冒頭のあの状況で、それはちょっとした衝撃だった。そして、最後まで見て、実は真のヒロインは彩愛ちゃんだったのでわと。
絵が、絶妙なバランスで、『学園ハンサム』と造形が一緒なのだがと。そして、一番印象に残るのはヨシナガ博士。彼は最初から最後まで、もう、作画崩壊。そして眼鏡好きに怒られそうな描写が多い。見る度に眼鏡の形が違う。いや、彼だけではなく、そもそも、全体的に、絵が、顔も等身もサイズ感も何もかも最初から最後までぐだぐだで。何をやっているか本当によくわからない。せめて立ち位置位や動きはきちんとしておこうよ。戸惑う。日本刀も推したいなら、もっとちゃんと刃の方向とか、あんな振り回しただけで切れないよとか。戦闘シーンも、真面目に作った3Dと動かない登場人物たちの横スライドで、下手したらドット絵よりも昔のゲーム感があるなと思ったり。
全体がそんな感じにも関わらず、眼鏡が、もう、絵もストーリーも1人で多くを背負っていたなという印象。ラスト第11話で博士が「この星の人間ではない」とか言い出すのとか。おいおい、急に何を言い出すのさとなるよ。そこから怒涛の博士の独白。その場その場で繋いだ物語り以外に、きちんとお話しが用意されていたのかと。そして、戦国時代からタイムスリップから始まったこの物語りは、絵の酷さに合わせて、こちらもなかなかの悲惨な感じですと。メテオラを倒してわーいやったーで終わらずに、ちゃんと物語が用意されていた。寧ろ、倒してわーいやったーじゃ駄目だったのか。何だかんだで説明が丁寧なのが救いではあったけれども、内容はぽやっぽやだったよ。最終話のタイムスリップの説明なんか、理屈として通ってなくないかと。ヒロインもなんでそうなったのか。本当に「何を言っている?」だよ。
最終的に小さな作画崩壊など些細なことに思えた。そして、4分割回想とか、新しいなと。凄い。こんなん、博士の眼鏡がいつも違うのと、作画が安定しない確認だよ。間を持たせるために挟みこまれるあれやこれやに、痛々しさと、ここに尺を取るなら、最後にもっと余韻を持って来れなかったのかと思ったり。まぁ、そんな問題でもないのだけれど。
最初の設定から崩壊していた気がしてならない。本人も何を言っているかわかっていないよね。作っている人間も、何を作っているかわかっていたのだろうか。ソードマスター大和みたいな終わりだったよ。
なんだったのだろう。もう、ある意味、ちゃんと伏線回収されているよね。最初から崩壊しているという。よく途中頓挫せず、最後までアニメとして完成したなと思う。全体が安定してクオリティが低くて、そんな全部が全部、こんな低くてアニメ作れるって寧ろ凄いなと思った。

声優さんは良かった。音楽も良かった。CMがエコバッグって初めて見た。

総表として下の下。人生ワースト1で酷いアニメだった。あんまり酷いとエンタメ度が高い。

 

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『RPG不動産』

全12話視聴完了。
きらら系可愛いほのぼのお仕事ファンタジー
RPGロールプレイングゲームの略称で、ファンタジー世界を指す言葉ではなかったと思うのだが、最近はRPGイコール魔王と勇者と魔法が存在するファンタジー世界を指すようになってしまったのだろうか。なんだか適当過ぎないかと。
ストーリーは、魔王が倒され平和になった世界。そこで田舎から出て来た明るく元気で純朴な琴音ちゃんは新居を探し、RPG不動産を訪れる。そしてそこは琴音ちゃんの就職先で。天真爛漫でちょっとミステリアスなファー。委員長系僧侶のルフリアさん。可愛くて強い戦士のラキラさん。アットホームな職場環境で、次々と現れるそれぞれの希望を問題を持ったお客様たちの無理難題を解決し、住居を紹介し、時にはその物件が抱える問題も解決し。最後現れたドラゴン問題。
建物が可愛かった。会社の建物、不動産やさんには見えないけれども、あんな感じのお店とか素敵だなと。印象的だったのは第7話のドアのたくさんあるお家。住みやすさ云々は置いておいて、最後、お庭に出るのは探検っぽくて素敵だなと思った。それと、時々、元お城のような物件が出て来るのは、広いと暖房が効きにくそうで実際にどうなのだろうとか。まぁ、家に求める希望はまたそれぞれだけれども。
琴音ちゃん、が皆仲良し会社のメンバーでいつか大きな家で一緒に暮らせたら良いですねと言うの、単なる社員寮だよねとずっと思って見ていた。個人的にそんなお休みの日まで同じ会社の人とずっと一緒ってしんどくないのかなと思わずにはいられないタイプの人間なので、主人公とわかり合えることなどないのだろうなと思ったり。そんな人懐っこい素直な雰囲気に可愛いとすら感じられなかった。
そして、絵は可愛いのだけれども、巨乳キャラの主人公の谷間が不自然な縦線1本で表現され、膨らみすらないカットが多いのが、何と言うか、巨乳の記号化。究極の省略だなと。
総表として中の中。

 

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『社畜さんは幼女幽霊に癒されたい』

全12話視聴完了。
ストーリーは、主人公の深夜まで会社で仕事をする伏原さん。そんな彼女を心配して追い出そうとする小さな幽霊ちゃん。それに黒猫のみゃーこ。そして伏原さんのアパートの隣に住み絵の仕事をする倉橋さんと、メイド幽霊のリリィ。可愛い幽霊ちゃんたちに癒される、ハートフル日常コメディ。
精神的に癒されても、肉体的には癒されないので不安になる。社畜さん、常に目の下に隈が消えない。誰か自分を気にかけてくれている他人がいるというのは重要かもしれないが、それも幽霊と。ゆるふあ可愛い系なだけに、更に怖い。
最終話にて、「心身疲弊した人間は人ならざる存在を視認することができる」と心配する神に「最高じゃないですか」と返す伏原さん。完全に狂気だよ。あの子たちは家族ですからと。それが全てだとか、正しいだとかは決して思わないが、結婚して子供を作ってとは全く微塵も考えないのかなとか。いや、そもそも伏原さんが女性のキャラクターではあるも、これは物語を柔らかくするための女体化擬人化的なあれかもしれないとか。女性特有の生き難さ的な物も感じられないし。
その後、アパートが原因不明の火事でお引越しなのだけれども、不動産屋を営む学生時代からの友人に再会するも、その彼女も幼女幽霊を視えてしまうのって、皆、実は心身疲弊している人ばかりで怖い。
仕事に対して、伏原さんが今勤める会社があったから幽霊ちゃんたちに出会えたから後悔はしていないと言うが、転職はちょっと考えるべきでななかろうかとおもう。
本当の最終回は、社畜さんが過労死して幼女幽霊さんとずっと一緒にいられるエンドなのでわと想像してしまって、ちょっとした恐怖だった。
総評として中の中。

 

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『であいもん』

全12話視聴完了。
京都の和菓子屋の1人息子が音楽で食べていくと単身上京するも、父の入院をきっかけにいまいち芽の出なかった音楽の道を諦め、実家の和菓子屋「緑松」を継ぐために実家に戻った納野和。しかし、店には見知らぬ小学生女子、看板娘で跡継ぎ候補の雪平一果が住み込みで働いていた。中途半端に家を出たことに反発心を持つ一果ちゃん。一果ちゃんの親代わりを任された和さん。離婚し一緒に暮らしていた父親に置いてかれ、父を探す、責任感が強く真面目な一果ちゃん。和菓子を愛し、ノリと勢いとお人よしな和。共に生活と仕事を共にする内に、次第に生まれる信頼関係。和を追って京都に来た元彼女の佳乃子さん。音楽配信をしつつ緑松でアルバイトをする面倒見が良く、手先の器用な女子高生の美弦ちゃん。父である緑松の主人に、店を切り盛りする母、他のお弟子さんに、常連さんたち。そして、一果ちゃんを置いて行った父であり、和が音楽を志すきっかけとなった先輩の行方は。
一果ちゃんの少々重たい背景がありつつも、和菓子を中心としたほんわかとした日常物語。和の癒し系の性格と、それによって解れていく人間関係。
第1話で一果ちゃんに注意された客の嫌がらせで架空の大量注文。それに責任を感じて一人街で売ろうとする一果ちゃん。それを横でギターで呼び込みをして助ける和。物語りの導入としてわかりやすい構図ではあったが、個人的に、老舗和菓子屋の菓子を急に子供が路上で売ることに問題が生じないのであろうか。安易すぎるのではなかろうか。と、個人的にはどうなのだろうと見始めたのだが、その後は何気ない日常が基盤となっており、美弦ちゃんの動画で個人特定されお店に問い合わせなどが起こるというのも、弟子の咲季君の趣味が女装で、その姿を気に入って紹介しろと言う常連さん問題の解きも、終始、和の穏やかな人好きする性格があってその名前の通り和むなと安心して観られた。
和が一果ちゃんと仲良くしたいと奮闘するのだが、最終話の和はちょっと大げさで、人が良いというより、ちょっと年の差恋愛感情のような錯覚してしまうのは邪推だろうか。なんとなく、十年後、二人が付き合っていても不思議でないし、跡継ぎ問題も解決するよねと。和を挟んだ美弦ちゃんと佳乃子さんのやり取り、特にクリスマス回はちょっと面白かったけれども、そういうのを全て知った上で、それを横目に一果ちゃんが和とお付き合いして、一果ちゃんには勝ち目ないわぁとなる未来が垣間見れているようでちょっと怖いなと。そんな妄想。
栗饅頭の被り物をして歌うのは最後まで理解できなかったけれども、栗饅頭の被り物を通して、元バンドメンバーとも和らしく仲良くやっていたのだなとわかる第8話は一気に好感度が上がった。
それにしても和菓子が食べたくなるね。特に第3話のみたらし団子。串に小振りな団子がたくさん刺さっているのはなんだかとても美味しそうに感じる。そして京都に行きたいとなった。京都楽しいよね。御朱印帳片手に食べ歩きしつつ1日中歩き回りたい。

総評として中の中。

 

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『最果てのパラディン』

全12話視聴完了。
なろう系の異世界転生。あれ、僕また何かやっちゃいました? 的な要素もありつつ。最終的に自覚的。
廃墟となった死者の街で不死者アンデッドに育てられた少年ウィル。嘗て英雄と呼ばれた骸骨剣士のブラッド。神官ミイラのマリー。魔法使い幽霊のガス。3人からの生き抜くための教えと、愛情。3人の抱える秘密。神から受けた祝福と執着。そして旅立ち。自分の信仰する生々流転を司る神グレイスフィールへの誓いと、人々を救い、パラディンとなり、強さ故に陥る孤独と、友人。
前半は幼少期。死者の街でアンデッドに育てられ、迎えた成人の儀と、不死者アンデッドを眷属にする不死神スタグネイトとの戦い。第5話のマリーの最後の言葉に泣くしかなかった。誠実で愛に溢れていたなと。ブラッドとマリーの家族愛。個人的に家族の愛情を描いたものはあまり好かないのだけれども、理想的に嫌味がなく、素直に良いなと思えたし、ボロボロ泣くよ。一皮剥けた主人公の旅立つ姿。そして祖父的立ち位置のガス。最後の最後で消えるはずだった両親と祖父のアンデットの3人に、更に与えられた10年。それを唯一受け入れたガスのあと10年の欲の話しは何処まで泣かせるのかと。ガス好き。偏屈爺さん最高となった。
そして後半は、死者の街を出、出会ったハーフエルフのメネル。己の村を救うため、隣村を襲おうとし、それをウィルによって阻止され、捕まり捌かれる所を救われ、その後、共に旅に出、絆を深め、友人となる。
絵がとても可愛く、美少年を通り越して美少女顔。ウィルもだけれど、メネルもなので、その他のキャラクターと並ぶと一層際立って、圧倒的美少女2人組。そして、個人的に主人公があの顔で基本力押しの筋肉ゴリラなのが凄くいい。メネルも、強気でツンツンしているのにも関わらず、マントの下がかぼちゃパンツなのエロくないか。何故そこだけ乙女なの。可愛過ぎる。第10話のCM明けすぐの回想シーン。夜、宿屋で寝台に座る主人公と窓辺に立つメネルの後ろ姿。思わず二度見したよ。だけれど、ここまで美少女コンビだと掛ける気にはならないなと。
後半は外の世界へと出たウィルには様々な出会いがあるのだが、小人族の吟遊詩人ビィに行商人ドニオ。凄腕冒険者レイストフ。魅力的なキャラクターが多い中、こいつ絶対悪者だろうという風貌の神殿長バグリー。実は滅茶苦茶面倒見が良くて筋の通った良い人というの、もう、この顔がイケメンに見えるとか、登場からは絶対に想像できないし、真っ直ぐ素直なウィルとのやり取りが面白しろかった。
都でワイバーン素手で絞め殺し、王からパラディンの称号を受け賜りったウィルを助けるという苦労を抱え込んだバグリー神殿長はもう2人目の最高お爺ちゃん登場でときめきしかなかったね。
パラディンとして集落の復興や魔物退治をするウィル。第11話でお金が魔法以上に魔法みたいだと感想を述べるのとか、純粋で物事を見る目にフィルターがかかっていない言葉に胸が締め付けられる。寂しいのが怖いという言葉も刺さった。だからこそ、最後、強い物が患う病にかかる流れで、中二病的思考で暴走する主人公に何処までも好感が持てた。
OPが灯の神様グレイスフィールが歌い出す絵で始まるのは、この物語が主人公ウィルの物語りであると同時に、神への信仰と共にあるという暗示させていたのかな。言葉少ない神が大きな口を開けて歌う絵。物語りが主人公の一人称の語りで進むのと対照で印象的だった。曲と相まって広がる感覚。無言の存在感。輪廻に返すという絶対的安定した生死感がある世界は、不安定な治安や状況を描いているにも拘らず安心して見られた。作り込まれた独自の世界観は入り込みやすくて、嗚呼、良いなと。
物語りはまだまだ途中。コミカライズでは魔獣を倒した後に、酒場でビィがアンデット家族の3人の英雄譚を詠い、アニメでは旅立ち都に付いて早々に詠われ、第12話は魔獣を倒して終わるという編成だったのだが、個人的に早々にウィルがその詩によって救われて良かったなと思う同時に、自分は強いと暴走した後に聞く方が主人公の心のありようとして自然な流れな気もして、この語り継がれた英雄譚が持つ一区切りした感じも薄れ、残念だったなと思う。だけれども、第2期への希望としてはアニメの流れとして良いのかなとか。
総評として上の下。第2期楽しみ。コミカライズも新刊楽しみ。

 

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『舞妓さんちのまかないさん』

全36話視聴完了。
漫画の第1巻が出た時、折角京都で舞妓さんなのにあまりに普通なごはんにがっかりした覚えがある。京都ならでわのおばんざいなどの食文化が垣間見られることを期待したのだと思う。だが、巻数を読み進めるごとに、自分が勘違いをしていたことに気付いた。この物語が、舞妓さんという馴染みない京都特有の職業に就く特別であって特別でない普通の少女たちの日々と、それを支えるまかないさんをする少女のさりげない日常物語だと。
主人公は、舞妓さんの才能がなかったにも関わらず、一方でそれを支えるまかいないさんとしての才が開花した、料理上手なおっとりマイペースなキヨちゃん。そのキヨちゃんと舞妓を志して共に青森から京都の屋形に来た、努力家で真面目な100年に一度の舞妓になるかもしれない逸材と言われる、百はなという名で舞妓として店出しをしたすみれちゃんことすーちゃん。
アニメは、もう一人の幼馴染の野球少年ケンタが料理人を目指して京都に来ることとか、すみれの淡い恋心やら、3人の幼馴染という関係性が際立ち始める手前で終わっており、最初から最後まで穏やかな日常の10分アニメ。
そして、末にキヨちゃんと百はなと、突っ込み役の眼鏡姉さんの3人で登場した料理や食文化の豆知識「今日のまかない」があった。
本編のお料理はどれも美味しそうだったけれども、個人的に印象的だったのは、第26話のおうどん。キヨちゃんが風邪で寝込む市のおかあさんに前まかないさんだったおばちゃんに聞いて作った京風の甘く煮たお揚げと透明のお汁のおうどん。北関東出身としては、キヨちゃんのおうどんの汁が黒い方が馴染みがあるのだけれども、関西で過ごした学生時代に知った透明なお汁のうどんは衝撃的で、普段作るおうどんはすっかり透明なお汁になったのだけれども、やっぱり病気の時はお醤油とみりんで黒くて甘じょっぱいおうどんを作ってしまうのだよなと。
度々登場する青森の郷土料理も魅力的だった。イカメンチ。みそ貝焼き。ひっつみ汁。知らない物って更に魅力的になるよね。イカメンチは特に美味しそうだった。かきいもちはついお取り寄せを検索している自分がいた。それと青森だとけいらんとか、いつか食べてみたいなと思っている。
お雑煮は、京都の白味噌仕立ての丸餅も、青森のクルミだれも両方出て来たのは面白かった。
ご当地パンの回で登場したイギリストーストはシンプルに美味しかったな。そして温泉パンを紹介されたのは嬉しかった。温泉は使っていないけれども、温泉パン。そのまま食べても、薄くスライスして食べても、他にはないみっちりどっしりほんのり甘くて、大好き。色々な味もあって、クルミとキャラメルが特に好き。ずっと行けていないけれども、喜連川の道の駅で大量買いしてしまう。あまり何処かに紹介されたりしないので、今日のまかないでさっと名前が出た程度なのに、ついお取り寄せてしまったよ。美味しかった。そして思い返してまた食べたい。
キヨちゃんの作りおくクッキーも、大量に作るミートソーススバゲッティも、揚げたてドーナツも、ホットドッグも、甘酒も、もう、食べたい気持ちでいっぱいになるね。完全に食欲を刺激されて、もう、お腹が減る。今こう思い返してもお腹が減る。
穏やかで真面目なキヨちゃんとすみれの二人にも癒されるけれども、普段知り得ない舞妓さんがどんな日々を送っているのかもも面白かったけれども、ゴハン大事という前提が良かった。毎日お台所に立ち続けて、常に穏やかにいられるキヨちゃんが家にいたら最高だなと思う。ただ、京都の寒い冬に湯たんぽ抱えているのにも関わらず、常にショートパンツなのは気になるね。寒そうだった。
総評として上の下。毎週の楽しみが終わってしまった喪失感があるけれども、まだまだ漫画が続くのが楽しみ。

 

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