アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『勇者、辞めます〜次の職場は魔王城〜』

全12話視聴完了。
異世界転生かと思ったら、軽くSFだった。異世界と思ったら、世界観、ちょっとよくわからなかったけれども、未来なのなか。荒廃した東京が過去に出てきたけれども、舞台となっている世界は異世界ファンタジーだし。ちょっと謎だった。
ストーリーは、魔王から世界を救った勇者レオ。彼はその強さ故に平和となった世界には不要な、寧ろ脅威となり、聖都から追放されてしまう。そして放浪の末、行き着いた先は、自分がボロボロにした魔王城。人員不足で崩壊しかけた魔王軍に出された求人。そこに応募した元勇者。魔王にその正体を隠しつつ、四天王と共に軍の立て直しを挑むこととなる。そこで己の圧倒的なその能力を発揮し、幹部まで昇格したレオの真意とは。
前半部分の勇者が魔王軍に入隊したいよ。魔王は道理の通った情に厚い美少女。これは惚れちゃうよねとか。そんな表層を完全に信じ込んで見ていたので、後半、勇者がまさか3000年以上前に人間の技術を結集して作られた対悪魔用自動成長型生体兵器で、寿命がないとか、ちょっと驚いた。そして人類を守るという使命がそのアイデンティとなり、苦悩し、まぁ、自我が目覚めたらメンタル壊れるよねとか。過去の記憶、荒廃した東京の場面はてっきり最近流行の異世界転生の記憶かと思ったわ。
問題を抱えた魔王軍の立て直しの前半の軽さと、一転した後半の勇者レオの抱える問題の重さのバランスが面白かった。
印象的だったのは、魔王エキドナの懐の深さや、四天王の一人で魔王軍立て直し業務で過労死寸前の淫魔であるシュティーナの素敵お姉さんぷりでもなく、元暗殺者でコミュ障のメルネスの女装メイド姿でもなく、過去に東京で出会った魔族のエイブラッドだった。寿命もなく、人類を守るためだけに存在するレオに同情し、親身にアドバイスをする彼の性格と言うか、その魔族だけどいい人というか、己の信念や考えをしっかり持った上できちんと対話できる魔族だけど人柄というか。凄く素敵だなと。そして、そんな素敵な出会いがこの物語の重要部分だったのだなと。彼が拘束されながらも、レオに叫ぶ姿が一番印象に残った。
総表として中の中。

 

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