アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『86-エイティシックス-』

全23話+Special Edition4話視聴完了。
こんなん泣くために作っているとしか思えないよ。
ラノベ原作の戦場を舞台とした少年少女たちのSFファンタジー
ストーリーは、サンマグノリア共和国の無人兵器ジャガーノートと隣国ギアーデ帝国、連邦なのかな、の完全自律型無人兵器レギオンの、表向きは無血戦争。しかし、その実態は、サンマグノリア共和国から白系種以外の人種である少年少女たちで構成された人型家畜エイティシックス対レギオンの過酷な戦いであった。成功率0%の特別偵察任務。前半はそんな戦場で僅かな希望を頼りに戦う死者と交信できるという特殊な能力を持つシンエイ・ノウゼン率いる、共和国軍東部戦線第一戦区第一防衛戦隊スピアヘッドの隊員たちと、白系種のエリートでありつつも己の正義感に従い正しく行動しようとするヴラディレーナ・ミリーゼとの交流と戦いが中心となる。そして、後半第2期は、戦場でしか居場所を知らなかった彼らが、自由を求めて進んだ先に行き着いたギアーデ連邦で、暫定大統領兼連邦軍最高司令官であるエルンスト・ツィマーマンの元、共に保護された、出会ったギアーデ帝国最後の女帝である幼女フレデリカとの、人権を認められた所謂普通の生活。そして再び戦場に。
見始めてからウクライナ侵略が始まったり、リアルな戦場の情報がSNSを通して入って来るようになり、このロボットを使った架空の戦場すら個人的にしんどくなって、毎回、胸がいっぱいになるので、一気に視聴することができずに観終えるのに半年以上かかってしまった。
胸に刺さるシーンが多かったのだけれども、特に印象的だったのは、第13話。レギオン共和国での彼らの一見平和な生活。そこで、先に進むと、何処に向かっているのだろうかと。「戦い抜いて死んだあいつらに顔向けができない。平和な振りをして生きていくことは俺達にはできません。たとえ死ぬのに変わりがないとしても、死に方は選べる。いずれ死ぬならその最後まで戦い抜くのが、俺たちの生き方です。それを奪わないで貰えますか。」平和が負い目なのか。憐みの檻。根本が違い過ぎて悲しみがなく淡々としている。戦争が終わった時を考えもしない状況というのが、わからなく、ただ、もう、全てが悲しみに満ちていて。幼女の「人として欠落した生き方」というのも。もう、言葉が重たかった。
終始、彼らには幸せになって欲しいを願って観ていたのだが、その幸せの基準すらよくわからず。最終話で彼らとヒロインであるレーナは再会するのだけれども、それも決して戦いがない世界ではなく。これは嗚呼良かったと思ってよい最後なのかと。
もう一つ。主人公も彼が率いる部隊のメンバーもヒロインも概ね16歳であり、フレデリカに至っては10歳。子供が戦うというしんどさがあった。そして、それと同時に『鉄血のオルフェンズ『鉄血のオルフェンズ』 - アニメ視聴否忘失録)』の時も思っていたのだけれども、子供はいつまで子供なのだろうかと。子供でいられる環境は勿論必要ではあるが、だからといっていつまでも子供であるわけでもなく。そもそも子供とは何だろう。子供と大人の線引きとわ。成熟するということに、終わりはなく、大人でも思想的成長は常にし続けることは可能であると、思っている。と、そんなことを考えながら観ていた。
それと、画面が綺麗で、実際に見ていないはずの光景が記憶の中に残るほど、とても良かった。第10話の美しい花畑に湖。誰もいない廃墟となった街。そこでのつかの間の休息からの、ずっと一緒にいたサポートメカのファイドの最後の記憶の映し方が、なんか、もう最高だった。そして、音楽。EDの入り方が最高。特に第1期の常に戦場の悲しみと僅かな希望の中と日常に垣間見る僅かな喜び。それを更に印象的にする、絶妙に泣かせる演出が繰り返されていた。

もう一つ。個人的趣向として線路はもうやばい。最高。好き。

総表として上の中。誰もが心穏やかであって欲しい。

 

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