アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『リコリス・リコイル』

全13話視聴完了。
絵が綺麗。よくできている。面白い。話題になったのもわかるわ。と、そんなちょっと客観的な感想なのはどんぴしゃ好みとはずれていたからなのだろうなと。
舞台は、世界一治安が良く平和な日本。しかし、その平穏な日々の裏では、犯罪を未然に防ぐ国家機密機関DA。そのエージェントとして働くリコリスと呼ばれる少女たち。彼女らは孤児であり、幼い頃から暗殺者として育てられ、普段は女子高生に偽装して一般市民の中で生活をしているが、有事の際に召集され、犯罪者を暗殺することにより、その治安を維持していた。
そんな世界で、DA支部である喫茶「リコリコ」で働く、歴代最強と称されながらも、自由気ままで明るく元気、、楽しいことが大好きな錦木千束。そして、優秀なリコリスでありながら、訳あってリコリコで働くこととなった合理主義のクール系少女、井ノ上たきな。一刻も早く本部に復帰を望んでいたたきな。千束に不満を持ちながらも、次第に2人は仲良くなり、その変化していく心情。千束の持つ人工心臓移植の過去と、その心臓の持つ危うい命。その心臓移植をしたヨシさんの思惑。テロリストである真島。
キャラクターが魅力的だった。勿論、可愛い女の子は勿論なのだけれども、それだけではなく、まずは敵的立場である真島。まぁ、ちょっとイケメンなのもあるけれど、それは別としても、千束の部屋に不法侵入し千束を拘束するも、共に映画『ダイハード』好きと知り、その異常な状況にも関わらず、盛り上がる人間味。最終回で銃で撃ち合いながらも、最後まで普通に会話をし、休憩を挟んだりする、二人の関係性とか、こういうの良いよねと思う。
第5話に出て来た、東京の観光案内を希望する、身体を機械に繋がれ車椅子で移動する老人松下。実は存在しないはずの人間だったのだけれども、それでも、リアルな東京の背景もあるのだろうけれども、そこで彼の何気なく語る想い出や、千束に対してかける言葉に、嗚呼、このおじいちゃんちょっと好きとなってしまった。
他にも、喫茶リコリコのマスターで、元DAの訓練共感のミカさん。まずそのビジュアル。黒人で和服でロン毛で眼鏡で髭と情報過多なその怖そうな外見にも関わらず、普段は一歩引きつつも、実は面倒見の良い父親的存在。第10話で閉店の張り紙を貼った喫茶リコリコ。そこで、千里に晴れ着を「成人式にはちょっと早い」と言いながら贈るミカさん。振袖を着た千束に、もうちょっと泣くしかないよ。
印象的だったのは、もう自分の心臓手術に纏わるあれやこれややら、リコリスとしての桁外れな優秀な能力を持つことについても、自分の寿命についても、もうそんな色々な物を抱えながら、全てを受け入れて感謝して、一貫した考えの中で最後に「今のままでも好きな物たくさん」「それが私の全部。世界がどうのとか知らんわ」「私を必要としてくれる人にできることをしてあげたい。そしたらその人の記憶に私が残るかもしれないでしょ。私がいなくなったあと」と言う千束。こんなん惚れるしかないよ。更に、そんな千束を命をかけて大事にする黒髪真面目処女の存在とか、もう、最高が過ぎるでしょと。
最終的に、なんだかよくわからないままテロ事件が収束した後に、沖縄に逃げて、ハワイでキッチンカーでカフェしちゃうの理想的。南の島最高。
可愛い女の子の日常と戦闘アクションが良くて、背景も良くて、時折挟まる抜け感のバランスも最高で。とても良くできているからこそ、何処かで見たような、皆が好きな物を綺麗に作り込んだのだろうなとか。そんなことを考えてしまった。だから間違いなく面白い作品だとは思う。
総表として上の下。続編制作決定だそうで。楽しみ。

 

youtu.be

youtu.be

youtu.be