アニメの感想。

日々ただ消費するアニメの個人的感想帖です。

『Lv1魔王とワンルーム勇者』

全12話視聴完了。
現代風な世界で勇者と魔王の戦いのその後を描いた、コメディ作品。
勇者マックスが魔王を倒した十年後。そこでハッピーエンドで終わらない、勇者マックスの背負った勇者と言う立派な肩書と期待に応えられず落ちた名声と、自堕落な生活によって、見るも無残な駄目なおっさんとなったマックス。公園でカップ酒。ビデオ個室。パチンコ。そんな日常に、突如現れたのは、そんな勇者の現状に見かねた、復活を果たした魔王だった。しかし魔王は魔力が足りないため、幼体の姿だった。嘗ての自分を倒した勇者の輝きを取り戻すために、6畳1間のレトロアパートでの共同生活。
魔王、一見常識人的な雰囲気や発言の一方で、部下のずれた人間界の調査によってセーラー服。そして外出時はボンキュッボンなセクシーセーラー衣装のお姉さんになる。そしてその部下で秘書官もゼニアも何故かスク水風ワイシャツの変態衣装。
一見平和な奇妙な同居生活の裏で、嘗て勇者パーティーの僧侶でベスカー王国魔導庁長官となったフレッドと、嘗ての戦士で、ベスカー王国を離反してガンマ共和国を建国しテロ組織の首謀者とされているレオとの、世界規模の戦い。知らないと言いつつ、それに巻き込まれていくマックス。
第1話で唐突に材料を買って来て何事もないように鍋を作り出す魔王に「今のお前、10年前よりはるかに怖いぞ」というマックスに普通に会話をしている魔王の、これから始まる関係性がよかった。ドン引きしながらも鍋を食べいる勇者も。もう、そこから始まった、気が付いたら恋が芽生えるとかを通り越しての長年連れ添った夫婦のような関係性のちぐはぐさが面白かった。
印象的だったのは、壮絶な戦闘シーン、ガチンコ殴り合いからの土下座。最後に立つ勇者が膝を付いて、仲間の起こしたことを頭を付いて謝る勇者。もう最高にイケメン過ぎてびっくりしたわ。国同士の争いを「こいつらが喧嘩しなくて済むように、何とか丸く収まるようにしてやってくれないでしょうか」と。丸く収まるって、全部難しいあれやこれやを吹っ飛ばして丸く収まるって良い言葉だなと。本当に、全ての世界が丸く収まってくれたら本当に良いのに。こんな収集の付け方があって、それができる勇者は最高に格好良かった。
ファンタジー風の世界のはずか、現代風の世界観。当たり前に普及したスマフォに、報道陣のカメラやドローンの存在。その奇妙な取り合わせが面白かった。それにマックスの家の押し入れに住む幽霊。マックスも魔王も気付かずに同居しているが、フレッドだけが見えている、あの奇妙な必要なのかどうなのかもわからない存在も、最後まで直接的に物語りに関わってはいないのに、不思議とその存在が良かった。
絵柄で好き嫌いをして見逃す所だったけれども、不自然な取り合わせの絶妙なバランスに癖になる面白さがあった。
総評としては中の上。

 

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